Positive Grid Spark LIVE meets Toshiki Soejima & Naho Kimama
- 2024/12/13
ベース用エフェクター
ベース・マガジンよりプロ・ベーシストのエフェクト・ボードをフィーチャーした『エフェクト・ボード・ファイル ベース編』が刊行された。総勢55名のベーシストのボードを写真/図版を交えながら丁寧に明かしていくもので、ベースのシステム構築を考えている人にとって格好の資料になる実用書に仕上がっている。この記事では本書内のコンテンツである掲載ベーシストの使用エフェクター・ランキングと連動しながら、現在のプロ・プレイヤーがどんな機種を重用しているのかを探っていきたい。
ひと昔前では考えられないほど豊富なラインナップを取り揃えているベース用エフェクター。百花繚乱と言える近年の市場に呼応するかのように、プロ・ベーシストたちもそれらを用いてオリジナリティ溢れるアプローチをくり広げるに至っているが、本書はそんなプロ・ベーシストたちの試行錯誤の結晶であるエフェクト・ボードを一大フィーチャーしたもので、総勢55名のベーシストのシステムを徹底取材し、本人の言葉を交えながらつまびらかに明かしてくれている。登場アーティストは本記事の末尾に記載しているが、若手からベテランまでいずれも第一線で活躍している猛者ばかりが人選され、現在のベーシストの流行が一望できる内容となっている。サイド・コンテンツにはマスト・アイテムとも言えるペダル型プリアンプの最新カタログなども収録されているので、システム構築を考えたい人には非常に参考になる好資料になっている。
■本書のページ・サンプル
以下からは本書に収録される「掲載ベーシストの使用エフェクター・ランキング」を一部抜粋。最前線のプレイヤーたちがどんな機種を重用しているのか、ぜひ参考にしてみてほしい。
※以下では集計上、同数の場合は同順位として掲載しております。また、中には現在は生産終了しているモデルも含まれています。あらかじめご了承下さい。
集計の結果、ベーシストの足下に最も多く並ぶエフェクターはプリアンプが圧倒的であった。とりわけ昨今の国内ベース・シーンにおいては、支えるだけでなく積極的に音を操り、前に出す傾向が強まっており、その骨子としてプリアンプは不可欠のデバイスとなっているようだ。 しかもさらなる細分化が進む現在の音楽指向の中で、ロックの舞台は大規模なステージよりも中小規模のライヴハウスに回帰している側面もあるためか、可搬性が高くエフェクト・ボードに収まるペダル型に人気が集中している。かつ多機能で歪みユニットとしても有効な音色加工系の機種が上位を占めることからは、プリアンプにも明確な個性が求められていることが読み取れる。
ギター用アンプ・シミュレーターのサンズアンプ・クラシックが、ベーシストからも支持を得たことを受けて開発された名機。DI機能を持つプリアンプというだけでなく、有用な歪みデバイスとしても定評がある。出力レベル切り替えやシミュレーター回路のオン/オフも備え、ステージからスタジオまであらゆる現場に対応する。
MXRのベース用モデルにおける人気機種で、クリーン/ディストーションの切り替えも可能なプリアンプ/DIだ。両Ch共通の3バンドEQに加え、クリーンChの低域をブーストさせるカラー、ディストーションChのノイズを除去するゲートと、その加減を調整するトリガーなども装備。アイディア次第で多彩に活用できる。
ラック・マウント型プリアンプ/シミュレーターとして、スタジアム級のステージから高品位のレコーディング・スタジオまで、トップ・プロの現場でも活用されている。ペダル型サンズアンプにさらなるダイナミック・レンジを加えたフレキシブルなサウンドは、まさに隙なしだ。
ナチュラル&ハイパワーのハイブリッド・アンプで知られるアギュラーは、楽器内蔵型のオンボード・プリアンプでも好評を得ている。その中でも支持層の厚いOBP-3の回路をストンプ・タイプにアレンジし、DI機能も持たせたのが本機。上質のクリーン音色はもちろん、AGSスイッチが強力な歪み/ブーストも実現する。
ダークグラスはベース専用ペダルに力を注ぐ気鋭のブランドで、フィンランド及び米国で1台1台を手工製造している。本機はトニー・レヴィンやジャスティン・メルダル・ジョンセンも愛用するオーバードライブ兼プリアンプだ。4バンドEQのみならず、低域の強調具合を切り替えるグラントや高域調整を担うアタックも装備。
8位 TECH21 Sansamp VT-Bass DELUXE
8位 TECH21 Sansamp Bass Driver DI-LB
8位 FREEDOM CUSTOM GUITAR RESEARCH Unicorn Bass Preamp
8位 PROVIDENCE Dual Bass Station DBS1
昨今のプリアンプがオーバードライブ的な用途にも耐える傾向を強めたのにともない、歪みユニット単体にはさらなる独自性が求められるようになったのではないだろうか。 オーバードライブであってもオーソドックスなゲイン・サウンドだけでなく、劇的な音色変化を得られるものが好まれている印象で、王道機種に加えて新進の手工ブランドも上位に食い込んでいる点は興味深い。 ディストーション/ファズも明確な主張を持ったものに票が集まっているが、何よりもベース専用機種の充実が現在のトレンドと言えよう。これが低音感を損なわずに強烈に歪んだトーンを実現し、ここぞという場面で一歩前に出るベース・スタイルを後押ししているとも考えられる。
〜オーバードライブ
レッチリのフリーも愛用する王道オーバードライブ。原音と歪みのブレンド具合を調整できるバランス・コントロールや、高域と低域を個別にブースト/カットできる2連同軸ツマミなど、気の利いた仕様が映える。ブースターとしての堅実さを備えながら、設定次第でかなり攻撃的なトーンに豹変させられる二面性が最大の武器だ。
1位 MAD PROFESSOR/Blueberry Bass Overdrive
知る人ぞ知るエフェクター職人ビヨン・ユールによる新興ブランドで、とりわけ彼の手による歪みユニットは今や絶大な人気を誇り、ベース専用設計の本機も一躍オーバードライブの筆頭格に躍り出た。何と言ってもオールド・チューブ・アンプのゲイン感を追求したトーンが持ち味で、簡潔なツマミ操作で幅広い質感を味わえる。
マーカス・ミラーの使用によってフュージョン的なイメージも根強いEBSが、テクニカル・ロック・ベースの重鎮ビリー・シーンと共同開発した意欲作。外部エフェクトを本機に取り入れてミックスできるクリーン/ドライブ・ループや、ビリーの特徴であるコンプレッサーも備えた仕様は実に画期的。新たな定番になりつつある。
2010年に創設、こだわり抜いたスイッチャーを市場に投入し、うるさ型のミュージシャンから一目置かれることになった国産ブランド、One Control。本機は同社随一の入魂作で、奏者のタッチを大切にしたナチュラル&ディープな質感を狙っている。側面のトリムポットを調整すれば、5弦ベースなどの低域にも対応可能。
3位 CREWS MANIAC SOUND/SVD-001 Bass Driver
7位 IBANEZ TS9B
7位 AKIMA & NEOS King Rocker Bass II
7位 IBANEZ PD7
〜ディストーション/ファズ
本機のキモとなるのはブースト・コントロールで、控えめに設定すればプリアンプ的に使うこともできる。逆に思い切り上げれば強力なディストーションが得られるが、美点は激しく歪みながらも音の芯を損なわないことで、これがアンサンブルの中で効果的に作用する。音質の傾向はモダンで、メタルなどにもフィットするだろう。
卓越したデジタル・モデリングでシーンをけん引するLINE 6の歪み系ストンプ・ボックス。ビッグマフやチューブスクリーマー、RATなど、ギター系の王道ディストーションを1台に凝縮した利便性はベーシストからも支持を得ている。膨大な音色のセレクト/設定を直感的なツマミ操作で行なえるプレイアビリティも魅力だ。
MXRのベース専用歪みユニットの中でも特にきめ細かい音作りを可能にした優れモノで、3バンドのアクティブEQを軸に、ネーミングの由来でもあるトーチ・スイッチ(ブースト)や原音のブレンドも備える。250/750/2kHzから可変周波数の中心を選択できるミッド・シフトも、多様な場面で威力を発揮するだろう。
1968年の登場以降、ギター用ファズの代名詞として君臨するビッグマフは、長らくベーシストにも愛されてきた。そんな名機をアレンジした機種で、ボリューム/トーン/サステインに加え、ベース・ブースト/ノーマル/ドライを選べるスイッチを装備。原音をミックスすることで、ボトムを維持しつつ強靱な歪みを出力する。
2位 COMMUNE/Senturion Crazy Booster
2位 FENDER/Sub-Lime Bass Fuzz Pedal
コーラスは空間的な広がりを得るだけでなく、設定次第で音抜けやボトム感の演出にも効果を発揮するため、プロの足下では見かけることが多い。 その最有力はアンプ・ブランドとしても名高いEBSのUniChorusで、何よりこれ1台で多彩な機能を持つことが勝因だろう。 フェイザーとフランジャーはピンポイントで用いる飛び道具的な用途が主で、全体的に使用頻度は低い。ベース用が少ないこともあり、BOSSのギター兼用モデルが手堅くランクインする結果となった。
〜コーラス
コーラスと銘打たれているが、フランジャー、ピッチ・モジュレーションのモード切り替えも備えた複合的な揺れものエフェクターである。コントロールはデプス(エフェクトの深さ)とレート(揺れの速度)のみとシンプルだが、出力できる音色はかなり広範に及ぶ。アナログ回路によるウォームなサウンド・フィーリングも絶品。
〜フランジャー
1位 BOSS/BF-3 Flanger
低域の喪失を回避するベース用インプットも装えた王道モデル。基本的なエフェクトを得られるスタンダード、過激に効くウルトラ、ステレオ時にパンニングを生むゲート/パン、ペダルを踏んでいる間だけ効果を得られるモーメンタリーを選択できるモード・セレクターが秀逸だ。これを駆使することで多彩な活用法が考えられる。
〜フェイザー
1位 BOSS/PH-3 Phase Shifter
ベース界におけるフェイザーと言えばラリー・グラハム御用達のローランド製ジェットフェイザーも有名だが、BOSSコンパクトの名機である本機もギター/ベースを問わず愛用者が多い。ビンテージ風からモダンなものまで7タイプを切り替えられるステージ・ツマミによって、多種多様なフェイズ・サウンドを操ることができる。
飛び道具でありながら、多くのプレイヤーがボードに組み込んでいるのがシンセ/ハーモニー系エフェクターだ。ピッチシフト系では2014年に満を持して復活を果たしたベース・ワーミーが最上位にランクされ、オクターバーについてはベース用入力や新機能が加わったBOSSのOC-3が人気を得ている。ここぞでキメるトリッキーな効果やファンキー系の演出に力を発揮するベース・シンセは、この手のデバイスにおいて代名詞的な存在であるベース・マイクロシンセが善戦するも、機能性とコストパフォーマンスを兼ね備えたBOSS SYB-5に軍配が上がった。ここには掲載していないが、新鋭マークベースの次点に伝説の絶版機、アカイ製ディープインパクトが食い込んだ点も興味深い。
〜ワーミー・ペダル
1位 DiGiTECH/Bass Whammy
ペダル操作によってピッチの可変幅を操る飛び道具として1989年に登場し、一世を風靡したワーミー。そのベース版で、長らく絶版となっていたベース・ワーミーが2014年についに復活した。21種のピッチシフト設定を持ち、往年の機種を踏襲した味わい深い効果に加えて、新技術による正確な和音追従性能も獲得している。
〜オクターバー
1位 BOSS/OC-3 Super Octave
先代機OC-2もいまだ高い人気を誇る、オクターバーの代名詞的モデル。新たに追加されたベース専用インプットや、和音にも正確なオクターブ効果を与えることのできるポリフォニック・モードは何とも斬新だ。エフェクトのかかる帯域も調整できるうえ、ドライブ・モードでは豪快な歪みを交えたオクターブ・プレイも行なえる。
〜ベース・シンセサイザー
1位 BOSS/SYB-5 Bass Synthesizer
BOSSのSYBシリーズは、ベース・シンセの音色をぐっと身近な存在にした立役者的な機種だ。現行モデルの本機は3タイプの波形を軸にした9つのインターナル・サウンドと、フィルターのかかり方が異なる2タイプのウェーブ・シェイプという計11種のモードを搭載。外部ペダルと組み合わせれば変幻自在の効果を生み出せる。
2位 ELECTRO-HARMONIX/Bass Micro Synth
〜ピッチ・シフター
1位 BOSS/PS-2 Digital Pitch Shifter/Delay
現在はハーモニスト(PS-6)の名で販売されている王道ピッチシフターの2代目モデルで、デジタル・ディレイも兼ねた複合機だ。全6種のモードのうち1~3はディレイで、ピッチシフトは±1オクターブ連続可変、1オクターブ・アップ、同ダウンの3プリセットを搭載する。ドライ音とのブレンド量もコントロールできる。
このジャンルのデバイスは本書掲載のプレイヤーにおいては、それほど使用数は多くなかったが、ラリー・グラハムやフリーを始めとするファンキー系のスタイルには欠かせない飛び道具でもある。 オート・ワウ/ペダル・ワウともに定番のMXRとジム・ダンロップが首位を占め、前者の上位にはベース専用フィルターの元祖的存在ベースボールも食い込んだ。そうした良くも悪くもアクの強い名機が居並ぶ中、ソースオーディオとサブディケイの台頭にも注目したい。両者ともさまざまなフィルター効果を網羅し、緻密に音作りを追い込める多機能さが持ち味で、特殊音であっても高品位に運用できるモデルがステージ上でも求められていることを示唆している。
1位 MXR/M-82 Bass Envelope Filter
ベース用オート・ワウの新たな定番となりつつあるMXRの意欲作だ。効果の強さをつかさどるQ、ワウの減衰タイムを決定するディケイ、入力信号に対するワウのかかり具合を調整するセンスと、基本に忠実な操作系統は好感が持てる。そのうえで、ドライ音とエフェクト音のレベルを個別に設定できる点が大きな強みと言える。
ベース用ペダルの揺籃期である1970年代後半に登場した飛び系ユニットの元祖。ダイナミックかつボトム感豊かな効果を得るためにふたつのフィルター回路を積んだ独自設計と、それをより強烈に演出するディストーション回路は今もって斬新さを失わない。初期の1台をポール・マッカートニーが購入したという逸話も有名だ。
ソースオーディオが贈るエンベロープ・フィルターの決定版で、中央のノブには23タイプのプリセット・トーンが配されている。しかもMOD SOURCEという機能によってそれらを3タイプの効き具合で弾き分けられ、強調する周波数帯や幅も緻密に設定できる。視認性の高いグライコまで装備する多機能さは突出している。
2位 SUBDECAY/Prometheus DLX(エンベロープ・フィルター)
〜ワウ・ペダル
1位 JIM DUNLOP/105Q Crybaby Bass Wah
ジミ・ヘンドリックスでお馴染みのギター用ペダル・ワウを、ベースの周波数帯に合わせてアレンジ。ボトム感を損なうことなく重厚なワウ効果を得られるうえに、周波数幅の設定や20dBまでのブースト調整も備えている。レッチリのフリーやロバート・トゥルジロなど、ファンキーなベーシストがこぞって愛用している名品だ。
マルチ・エフェクターのさらなる小型化が進む中、プロの現場でもペダル・ボードにマルチを組むスタイルは以前より増えた印象。最近の機種は内蔵エフェクトも膨大だが、あらゆる音を1台でこなすというよりは、空間系など特定の効果のためにマルチを使う例も多く、その機種の得意分野を積極的に生かす活用法が主流と言えそうだ。 ボードに収めやすいベース専用機という強みもあり、ズームが2機種を上位に送り込む大健闘となった。
1位 ZOOM/MS-60B Multistomp
1990年代から革新的なユニットを数々開発してきたズームが、2013年に発売して話題をさらったコンパクト・ペダル型マルチ。小さな筐体に52種のエフェクトと6種のアンプ・モデリングを内蔵し、最大4つの同時使用も可能な実戦仕様だ。各音色のセッティングはツマミを模した明快な絵柄でディスプレイに表示される。
LINE 6のモデリング技術を集約した逸品で、ビンテージから最新鋭まで膨大なエフェクト音を網羅している。17種の歪み、23種のモジュレーション、19種のディレイ、12種のリバーブ、26種のフィルター、12種のコンプ&EQを搭載し、同時使用3タイプ/最大24個のペダル・ボード・シミュレートも作成できる。
コンパクト化とハイ・コストパフォーマンスを極めたベース専用マルチで、プロにも愛用者が多い名品。エフェクト99種、アンプ12種のトーンを満載しつつ、ストンプ・ボックスを3台並べたようなインターフェースがもたらす直感的操作感も新鮮だ。そして何より、最新のデジタル信号処理による濃密なサウンドに定評がある。
〜ディレイ
1位 BOSS/DD-7 Digital Delay
小さな筐体に便利な機能を満載した定番中の定番、DDシリーズの最新版。1msのショート・ディレイから6400msのロング・ディレイまで網羅し、最長40秒のフレーズを録音できるホールド・モードも備える。逆再生サウンドや独特のモジュレーションの他、2イン/2アウト仕様を生かしたパン効果なども創出できる。
〜リバーブ
1位 ELECTRO-HARMONIX/Nano Holy Grail
エレクトロ・ハーモニックスの歴代ラインナップ中でも名品の誉れ高いリバーブの代表格、ホーリーグレイルをダウンサイズした復刻版だ。お馴染みのスプリングとホールに加え、さらなる浮遊感をもたらすフラーブという3つの残響を切り替えられる。同機種の“Max”や“Neo”など、本機以外の復刻バージョンも存在する。
エフェクター関連でプリアンプ、歪み系に次いで多数を占めたのが、音作りのベーシックにも関わるダイナミクス系ユニットである。スラップ時に音のツブを揃えたり、音を前に出したりするのに有効なコンプレッサーは、現在では大手ブランドから工房系まで多くのメーカーがベース専用機を発売している。 その中で最も人気を集めたのはEBS Multicompで、もはやベーシストのマスト・アイテムのひとつと言えるだろう。MXRの10バンドEQがダントツ首位に立ったイコライザーもまたプロの足下には欠かせないペダルで、緻密にサウンドを作り込むための音色補正デバイスとしての用途を中心に、ブースター的な役割で使用するプレイヤーも多い。
〜コンプレッサー
1位 EBS/MultiComp
ベース用コンプと言えばコレというほどのスタンダード機種。ツマミふたつという簡潔さも売りで、モード・スイッチがそれを補う。スラップにもフィットするノーマル、チューブ・コンプを再現するチューブ・シミュレーション、高域/低域の個々にコンプをかけるマルチバンドという3タイプが必要十分な効果を作り出してくれる。
〜イコライザー
1位 MXR/M-108 10 Band Graphic EQ
ベース専用ではないが、可変帯域の豊富さもあってベーシストにはお馴染みのグライコである。調整できる周波数帯は31.25Hz/62.5Hz/125Hz/250Hz/500Hz/1KHz/2KHz/4KHz/8KHz/16KHzで、それぞれ±12dBのレンジでブースト/カットできる。入出力別のレベル・コントロールも備えていて使いやすい。
2位 BOSS/GEB-7 Bass Equalizer(イコライザー)
スイッチャーはここ10年で目覚ましく進化し、手頃なモデルの登場もあってプロ/アマチュアを問わず身近な存在となった。これこそがコンパクト・ペダル主流派の増加を後押ししたファクターのひとつとも言え、事実トップ2機種のプロビデンスとフリーザトーンだけで計20台を数えた。盲点だったのが使用数10に達したXブレンダーで、ボトム感の喪失を回避するという点で、このモデルが有効であることを実証する結果となった。
〜プログラマブル・スイッチャー
1位 PROVIDENCE/PEC-2 Routing System
2005年に登場し、プログラマブル・スイッチャーのシーンを盛り上げた重要機。最大8個のエフェクターを接続でき、それらのオン/オフ動作を84パターンもメモリーすることができる。シリーズ接続のループ1〜5に対し、ループ6〜8は完全独立のため、アンプのCh切り替えやミュート用など多様な使い方にあてられる。
1位 FREE THE TONE/Audio Routing Controller ARC-3
フリーザトーンの旗艦モデルで、シリーズ×7、独立×1の8ループから成る。基本性能は言わずもがな、操作感を追求した傾斜12度のパネル設計や計算し尽くされたスイッチの間隔、汗対策もなされた内部処理など、実戦仕様が随所に光る。アンプ/DI出力を同時にミュートできる回路構造など、ベーシストへの配慮も嬉しい。
〜ライン・セレクター
1位 BOSS/LS-2 Line Selector
BOSSコンパクトの筐体ながら、6種のモード切り替えによって2系統のループと原音のセレクトを手軽に設定できる充実のスペックが持ち味。各ループに設けられたゲインを用いれば、原音に対する音量バランスを個別に調整することもできる。ノイズに強い電子スイッチの採用、外部機器へのパワー・サプライ機能も注目点だ。
〜ブレンダー
1位 XOTiC/X-Blender
エフェクターをかける際の理想はドライ音に影響を与えずにウェット音を追加することだが、本機はそれを実現する燻し銀のデバイス。楽器からの信号をふたつに分け、ひとつは原音のまま、もうひとつはエフェクトに送り、出口でブレンドする。エフェクト音のみに有効なイコライザーやブーストも備えており、高品位に効果を設定できる。
ライン出力重視のベーシストにとってDIに求める最大の要素は元来、色づけのない原音に忠実なトーンだ。この傾向をガラリと変えたのがアヴァロン・デザインU5の躍進で、これにより自分専用のDIを持ち歩き、DIで積極的に音作りも行なうという手法が一般的になった。U5の対抗馬と目されるパルマーPDI-CTCも上位にランクされたが、一方でナチュラルな信号出力を重んじるラディアルJ48を支持する声もやはり根強い。
1位 AVALON DESIGN/U5
空前のヒット作で、今やベースDIと言えばコレというほどの定番機。DIに求められる素直なキャラクターを軸に、6段階のパッシブ・トーン・セレクトや+30dB幅のブースターを備え、個性的な音作りを行なえる。
プロ仕様のDIメーカーとして人気のラディアルが放つアクティブDI。あくまでも原音に忠実なトーンというDIの大命題を追求し、ナチュラルさとバランスの良さに定評がある。パッシブのJDIも名機として名高い。
スピーカー・シミュレーターも有名なパルマーによるチューブDI/プリアンプ。12AX7×1と12AU7×1をプリ管に使用し、それぞれフラット/+4dB/+8dBをセレクトできる4バンドEQを備えている。
ひと世代前のステージ用チューナーと言えばコルグDTR-1が圧倒的人気を誇ったが、以前にも増すペダル・ボード化の風潮はチューナーの流行にも変化をもたらした。DTR-1の強みは視認性の高さに負うところも大きかったが、それをコンパクト・タイプでも実現したコルグの2機種が躍進を遂げている。同時にボードに組みやすい形状もポイントで、BOSSコンパクトの筐体を生かしたTU-2(及びTU-3)も支持を集めている。
1位 KORG/DT-10 Digital Tuner
大きな音名表示、大型LEDメーター、頑強なアルミ・ボディ……ステージでチューナーに求められる視認性と堅牢性を実直に突き詰めることで、ペダル・ボード派の定番となった名品だ。最大7半音下げを実現している。
ボード内での使用感にこだわったモデルで、小型ながらアルミ・ダイキャストを採用したボディのトップには巨大なLEDディスプレイを配して徹底的に視認性を高めている。外部エフェクターへの電源供給も行なえる。
1998年の本機の登場で、ステージにおけるチューナーは一挙にペダル型が主流となった。お馴染みの筐体はボードに収めやすく、ペダル操作で迅速にミュート/調音できる機能性は特筆に値する。5弦ベースにも対応。
ペダル・ボード主流派にとって、各エフェクターにクリーンかつ安定した電源供給を行なうパワー・サプライは重要なファクターであり、集計結果も50以上を数えた。とりわけ近年はコンパクトでハイクオリティの製品がリーズナブルな価格で販売されている点もユーザーには嬉しいところだろう。ランキングではスイッチャーと同様にフリーザトーンとプロビデンスが接戦を繰り広げ、CAJのヒット・シリーズがそれに次ぐ順位となった。
1位 FREE THE TONE/AC Power Distributor PT-1D
AC100V×4、DC9V×8を持つパワー・サプライで、筐体は航空機部品に使われる合金で製作。ACアダプター接続時の高さを抑えるべくボディ厚を35ミリに留めるなど、ボード内の使用を想定した設計も光る。
1位 PROVIDENCE/Provolt 9 Power Supply
接続すれば各エフェクターに自動で最適な電圧が送られるオート・ボルテージ・コントローラー機能やハムノイズを防ぐ配線、ショート・プロテクションなど、現場仕様が詰まった逸品だ。DC9V出力×6系統を備える。
現在は横長シェイプのVer.4に進化しているが、取り回しやすい形状のVer.2もいまだ人気を得ている。7系統のDC9V出力が4対3に分かれて配置されているため、エフェクト群の中心に置くと使いやすい。
価格:¥1,944 (税込)