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大山純(ストレイテナー)が試すLine 6 Firehawk FX

Line 6 / Firehawk FX

  • 出演:大山純[ストレイテナー] 文:井戸沼尚也 録音・撮影:森田良紀 動画編集:熊谷和樹 写真撮影:星野俊

ギタリストの強い味方であるPODシリーズを始め、マルチ・エフェクト・プロセッサーの名機を生み出してきたLine 6。そんな同社がこのたび発表した最新マルチ・エフェクト・ペダルがFirehawk FXだ。200種以上の著名なアンプとエフェクトのサウンドを搭載しており、iOS、Androidに対応したFirehawk Remoteアプリにより手軽に操作できる逸品となっている。デジマート・マガジンではギター・マガジン2015年8月号の特集と連動しつつ、ストレイテナーの大山純による本機を使用したパフォーマンス動画と内蔵アンプ・サウンドの試奏レポート動画の計2本の動画で、その魅力を紹介する!

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大山純 meets Line 6 Firehawk FX

 大山純がFirehawk FXを使ったら? 様々なアンプ&エフェクトを駆使した珠玉のギター・パフォーマンスをご覧いただき、本機の可能性を肌で感じてほしい。動画内の各セクションで使用したセッティングは後述するので要チェックだ。

使用アンプ:フェンダーSUPER SONIC
使用シールド:FREE THE TONE

Firehawk FXとは?

 Firehawk FXは、PODシリーズで培った強力なサウンドを、iOSやAndroidデバイスで簡単にエディットできる次世代のマルチ・エフェクト・プロセッサー。著名なアンプやエフェクトを選択でき、128種の内蔵プリセット・トーンを持つ。さらにオンラインのトーンライブラリーへアクセスすれば、膨大な数のサウンド・サンプルから、求める音を検索可能だ。POD HD500Xが比較的パラメーターやルーティング・オプションを駆使してトーンを作り込むタイプの人に向いているのに対し、本機は既存の音色をベースに直感的な操作で、手軽な音作りをしたい人に向くのが特徴。

Line 6 / Firehawk FX

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●200種以上のアンプ&エフェクトを内蔵
 本機はパワフルなDSPを搭載しており、200種以上のプレミアムなアンプ・モデリングとエフェクト・サウンドを実現。ビンテージ系ブルース・アンプから強烈なハイゲイン・アンプまでのコレクションをこれ1台でそろえられる。ディストーション、ディレイ、モジュレーションなど充実したエフェクトはリモート・コントロール可能だ。

●iOS、Android対応のアプリが示す可能性
 iOS、Androidに対応したFirehawk Remoteアプリにより、指先だけでサウンドを作り込むことができるのが、本機の大きな特徴だ。クラウド上の膨大なトーンライブラリーにアクセスすれば、世界中から無制限にサウンドを手に入れられる。フロアに屈み込んだりPCを起動したりせずとも、その瞬間に得たい音を逃さずつかみ取れる点も、大きなメリットだ。

●スタジオからステージまで最高の動作を約束
 Firehawk FXは、iOSデバイスへ超ロー・レイテンシーでレコーディング可能。MacなどのPCにも対応するので、場所を選ばず曲作りを行なえる。一方、Firehawk FXはステージでも威力を発揮。通常エフェクトとしての使用はもちろん、ダイレクトにPAやモニターに信号を送ってアンプレスでのステージや、内蔵ルーパーを使ったパフォーマンスも可能だ。

How to use Firehawk FX

 では、Firehawk FXの使い方について説明していく。誰でも簡単に音を出せるので、さっそくトライ!

1. ギターとアンプを接続

 ギターからのケーブルを、リア・パネルのギター・イン・ジャックに接続(Line 6 Variaxギターの場合は専用のVariax端子へ)。アンプにつなぐ場合は1/4アウト、PAやレコーディング・デバイスへはXLRアウト、ヘッドホンはフォン・アウトへつなぎ、電源をオン。トップ・パネルの1番大きいノブがマスター・ボリュームだ。

2. アプリで好みのセッティングに

 まず、モバイル・デバイスにFirehawk Remoteアプリをダウンロード。本体トップ・パネルのBluetoothペアリング・ボタンを押し、デバイスとのワイヤレスでコミュニケーションが可能になる。調整したいアンプやエフェクトのアイコンを選択し、細かなEQなどを設定するだけ。アイコン右上にはフット・スイッチの番号が表示される。

3. いろいろな音を出してみる

 本体トップ・パネル左側、2段のフット・スイッチがバンクセレクト・スイッチ。各バンクには4つのプリセット・ロケーションが用意されているので下段のフット・スイッチで呼び出し、上段のFXフット・スイッチでFXをオン/オフ。アプリを使えばドラッグ&ドロップで接属順の入れ替えなども楽チン!


パフォーマンスで使用したセッティング

 では、本記事冒頭のFirehawk FXを使用したパフォーマンス動画にて大山が使用したセッティングを紹介しよう。各セッティングはFirehawk Remote上で作成したもので、バンクにアサインしてフット・スイッチで切り替えながら演奏している。動画とあわせて確認してみよう。


動画0:00〜

①アンプはブリティッシュ系のClass A-30 TBを使用。エフェクトは②Compressor、③Reverb:Large Plateをチョイス。④Looperも活用している。

動画0:20〜

0:00と同様に、①アンプはClass A-30 TBだが各設定は変更。エフェクトに③Delay:Digital Delayが追加された。ここでも⑤Looperを活用。

動画2:16〜

①アンプはハイゲイン系のBomber Uber。②&③2種のDelayを採用。④Reverb:Large Plate。動画内2:43で②&③のDelayをOFFにし、無骨な歪みサウンドに切り替えた。

動画3:20〜

①ブリティッシュ系のアンプPlexi Lead 100 Brightに変更し、②Mod:Sweeperにて独特なサウンドをメイク。スラップ・プレイとの相性もバッチリだ。

動画3:55〜

①アメリカン系のアンプBlackface Double Vibrato。②&③2種のDelay、④Reverb:Particle Verbをチョイス。余韻を強調した荘厳なサウンドとなっている。

動画4:27〜

動画最後は①アンプにSuper O、②Compressor、③Mod:Random S & H、④Reverb:Large Plateという組み合わせ。タッピングにマッチした浮遊感のあるエフェクトが印象に残る。


Firehawk FX内蔵のアンプ・サウンドをチェック!

 ギター・パフォーマンスでは大山本人が愛用しているアンプにFirehawk FXを繋いでエフェクターとして使用したが、本機はライン出力も可能となっている。ここでは、内蔵されているアンプの中からハイゲイン系のLine 6 ElektriK、アメリカン系のBlackface 'Lux Normal、ブリティッシュ系のClass A-30 TBといった3つのアンプをピックアップし、iPhoneにインストールしたFirehawk Remoteアプリを直接触りながらサウンドをチェック。アプリの動きとリニアに音が変化していく様子を是非楽しんでほしい。まさに”次世代”を感じるはずだ。

How to use Firehawk FX〜応用編

 アンプのサウンド変化も理解していただいたところで、使い方の応用編を紹介。あなたのアイディア次第で、まだまだ可能性は広がる。

応用編1. センド/リターンを使ってみる

 本体リア・パネルにはFXセンド/リターンのモノまたはステレオのジャックが2つずつある。ここにお気に入りのエフェクターを繋いでみよう。ペダル・タイプやラック・タイプなど、つなぐエフェクターに最適な信号レベルをライン/ストンプ・ボタンで調整し、プリセット内のループの接続位置もアプリで編集できる。

応用編2. エクスプレッション・ペダルを使ってみる

 エクスプレッション・ペダルは、ボリューム・ワウ・モード(ボリュームまたはワウとして機能する)と、Tweekモード(FXノブに設定されたアンプまたはFXのパラメーターを操作する)の、2種類に設定できる。任意で別のペダルをPedal 2端子に接続し、内蔵ペダルをワウ、Pedal 2をボリュームにするなども可能。

応用編3. USBでPCとつなげてみる

 MacやiPadは、USBで接続すればすぐに使用できる。WindowsはLine 6から専用オーディオ・ドライバーをダウンロードすれば使用可能。接続後は高性能なステレオ・イン/アウト、24bitデジタル・オーディオ・インターフェイスとして機能。好みのDAWソフトでダイレクト・レコーディングができる。


総評:ギター史に残る音すべてをこれ1台とiPhoneで再現できる!この”時代”が恐ろしいです(笑)。

 Firehawk FXに触れてみた感想は、“ものすげぇおもちゃだな”って感じです。いったい、どんだけ遊べるんだっていう……。あれこれとやってみたんですけど、まだまだ試しきれていないアンプやエフェクターも多かったです。正直、知らないエフェクターもいっぱいありました。だから、“これ、なんだろう?”からスタートする感じで、もう時間がいくらあっても足りない感じですね。ただ、操作性はシンプルだから普段PCを使い慣れている人なら簡単に扱えるんじゃないですか? 僕は“最後のアナログ世代”なもんで(笑)、慣れるまではiPhone上で指をスライドさせるだけというところに、軽い違和感はありました。タブレットだと、画面が大きくて僕にはもう少し楽かもしれません。でも、これはすごいですよ。つまみがないということは、ライブ中につまみが壊れるとか、対バンのギタリストに意地悪されてセッティングを変えられるとか(笑)、そういうことが起こらないわけですから。いやぁ、ものすごい時代がきましたね。
 音もいいですよ。また、内蔵しているアンプがすごいんですよ。ありえない組み合わせができる。あるパートをJCで弾いて、次のパートはマーシャルに変えて──って現実にやるには、かなり大変じゃないですか。それが簡単にできる。ハイゲイン系の音も過激ですね。ただ歪んでもハウリングは起こらないし、真空管のノイズも乗らない。出力はアンプとラインの両方を試しましたが、ラインの音もよかったです。アンプがなくてもいけるというのは、なんか、悔しいくらいです(笑)。こだわっていろいろなペダルやアンプを集めたりしたのに、“これでいいじゃん”ってなっちゃう。
 これをお勧めしたい人は、例えばオールジャンルで弾きたい人、家での作曲に使うんでいちいちアンプ買っていられないって人、ギターを始めたのはいいけど何を目指せばいいかわからないって人。買って絶対に損はしないはずです。本物のアンプやエフェクターを買うよりものすごくお得ですもんね。自分で使うとすれば、レコーディング・セッションとかですね。“ちょっとギター弾いてくれない?”って時に、これ一台を持っていく。アンプもいらないし、ギターも借り物でいいくらいです。それでも、これ一台あれば何でも対応できますよ。
 これまでいろいろな人が作ってきたエレキ・ギターの、歴史的な音のすべてがこのFirehawk FXの中に入っていて、それをiPhoneで再現できる。この“時代”が恐ろしいですね(笑)。


Line 6 Firehawk FX

Line 6 / Firehawk FX

ヘッドホンやUSBなど、多数の用途に対応できる端子を装備。Line 6の最新技術を駆使したギター、Variaxと接続すればさらに多彩な音作りが可能となる。

ディレイ用のタップ・テンポ・スイッチを長押しすれば、チューナー・モードに即切り替え!

内蔵エクスプレッション・ペダルの可変幅は、かかと部分が最大約2cm。繊細なニュアンス付けが可能だ。

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[Specifications]
●コントロール:Bluetoothペアリング・ボタン、DRIVE、BASS、MID、TREBLE、FX、REVERB、マスター・ボリューム・ノブ、FXフット・スイッチ×5、プリセット&バンク・セレクト・フット・スイッチ×6、タップ・テンポ・スイッチ、エクスプレッション・ペダル●接続端子:Pedal 2、ギター・イン、エフェクト・ループ、XLRアウト、1/4インチ・アウト、ヘッドホン、Variax、USB●電源:9VDCアダプター●外形寸法:510(W)×260(D)×82(H)mm●質量:4.5kg


ギター・マガジン2015年8月号

ギター・マガジン2015年8月号の特集も必読!

 リットーミュージック刊ギター・マガジン』2015年8月号においても、「アプリでらくらく音作り! 大山純が試すLine 6 Firehawk FX」のタイトルで本機を特集している。是非あわせてチェックしてみてほしい!

定価:823円(本体762円+税)
仕様:A4変形版/274ページ
発売日:2015.7.13

ギター・マガジン 2015年8月号の内容・購入はこちら!

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製品情報

Line 6 / Firehawk FX

価格:オープン

【問い合わせ】
ヤマハミュージックジャパン LINE 6 インフォメーションセンター TEL:0570-062-808  公式サイト: http://www.line6.jp
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プロフィール

大山純
おおやまじゅん:78年生まれ、群馬県出身。ART-SCHOOLのギタリストとしてデビュー。03年にバンドを脱退したあと、しばらく音楽から離れていたが08年にストレイテナーに加入。現在は並行してanother sunnydayの一員としても活動中。

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