AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
“ギター・ソロを弾く時に音をブーストさせたい”。多くのギタリストが抱えるこの悩みをズバッと解決してくれるのが、ツイン・ペダル式歪みエフェクター。単体のエフェクターをふたつ使用するよりも音質劣化が少なく、省スペース化も期待できる代物だが、その種類はさまざまで、歪みブーストができるもの、音量ブーストができるもの、設定次第でどちらも選択可能なもの、予想を越えた飛び道具的なものなどがある。ここではギター・マガジン2015年6月号の特集と連動し、オーバードライブ機能を主としたツイン・ペダル24機種を厳選/紹介していこう。なお、紹介順はデジマート検索在庫量の多いものが上位にくるよう並べ替えてあります(2015年5月末現在)。
反応がリニアで分離も良い、現代の名作ペダル
Jan Rayが大ヒットし、話題となっている国産ハンドメイド・ブランドVemuram。このRage eは、同社唯一のツイン・ペダルだ。そのサウンドは、同社のペダルの中では深い歪みのディストーションの領域まで設定が可能。また、同社の製品に共通する部分でもあるが、とにかく反応と音の分離が良い。ビンテージのような温かみや心地よさがある一方で、非常に音が速いというか、現代的なニュアンスを感じる。Jan Rayではもう1段階歪ませたいと思わせる部分に、本機はブースターがうまくはまり、かゆいところに手が届くような仕様だ。全機種共通のブラス・ボディは存在感を高めるだけでなく、ローノイズなドライブを実現。現代の名作ペダルと言ってよいだろう。
Specifications
●コントロール:【つまみ】ボリューム、ゲイン、トーン、ブースト、ゲイン・レベル・コントロール【スイッチ】オン/オフ、ブースト ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:142(W)×95(D)×50(H)mm ●重量:680g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:トライサウンド
本家のTSサウンドにブースターが加わった無敵の1台
Specifications
●コントロール:【つまみ】オーバードライブ、トーン、レベル、ブースト【スイッチ】エフェクト、ブースト、ブースト・ポスト/プリ、9V/18V ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:137(W)×120(D)×52(H)mm●重量:約840g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:星野楽器販売
ずばりケンタウルス系ドライブを2個がけできる1台
Tone BakeryのCreme Bruleeは、ケンタウルス系のサウンドを持つと話題になった製品。そしてこのCreme Doubleは、Creme Brulee2台を1台にまとめ、オン/オフのスイッチも個別に使えるようにした上位機種。ということは、本機は中古市場で価格が高騰し手が届かなくなったケンタウルスを、贅沢にも2個がけするようなトーンを得られるペダルということになる。実際に本機のサウンドは非常に上質で、ミドルのリッチな厚みと音楽的な歪みを持っており、2つをオンにした場合でもそのイメージが損なわれることはない。シングル/ハムどちらとも相性は良い。このサウンド、しかもふたつ分をこの価格で入手できるのは、コストパフォーマンスが高い。要注目のペダルだ。
Specifications
●コントロール:【つまみ】レベル×2、ゲイン×2、トレブル×2【スイッチ】A、B ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:120(W)×95(D)×35(H)mm ●重量:約390g ●電源:ACアダプター(DC9V/センター・マイナス)
オフィシャルHP:ゼンブジャパン
ロー/ハイ2種類のゲイン+5バンドEQ搭載のペダル
Specifications
●コントロール:【つまみ】レベル、ベース、トレブル、ゲイン、ハイ・トリム【5バンドEQ】80、240、750、2200、6600Hz【スイッチ】バイパス、ハイ/ロー、ハイEQ、ローEQ ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:146.8(W)×121(D)×58.4(H)mm ●重量:726g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:キョーリツコーポレーション
名機ECSTASYのクラシック・サウンドを継承したハンドビルド・ペダル
Specifications
●コントロール:【つまみ】ボリューム、トレブル、ミドル、ベース、ゲイン、ブースト・ボリューム、ブースト・ゲイン【スイッチ】オン/オフ、ブースト、ヴァリアック、モード、プリeq、ストラクチャー ●入出力端子:インプット、アウトプット、リモート ●外形寸法:123(W)×102(D)×55(H)mm ●重量:約560g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:ミュゼット・ジャパン
大人気ブースターSuper Hard Onの2 in 1モデル
クリーン・ブースター人気の火付け役となった、Z.VexのSuper Hard On。ビンテージ・レコーディング・コンソールの回路を基に設計されたというそれを2個搭載したモデルがこのSuper Duper(写真はVexter Series)。右側チャンネルはSuper Hard Onと同じ回路で、ギターのタッチニュアンスやトーンバランスを損ねずにフルレンジでアンプをゲインアップすることが可能。左側チャンネルにはマスター・ボリュームが追加されており、最終的な音量だけを調整することが可能だ。非常にシンプルな設計でありながら、オンすることでほかでは得られないような艶やかな音色になることから、未だに人気が衰えない。チューブ・アンプや、ほかのドライブ・ペダルと組み合わせて使えば、最高のドライブ・サウンドが得られるだろう。
Specifications
●コントロール:【つまみ】マスター・ボリューム、ゲイン×2【スイッチ】チャンネル1、チャンネル2 ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:110(W)×59(D)×34(H)mm ●重量:約260g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:PCI
ナチュラルなドライブ・サウンドが人気の逸品
XOTICのBB Plusは、人気のBB Preampをもとにした2チャンネルのドライブ・ペダル。チャンネルAはオリジナルのBB Preampと同様にチューブ・アンプのような質感のドライブ。チャンネルBはもう少しブライトな歪みのチャンネル。切り替えスイッチが付いていて、A/Bの接続順を変えることができる。また、両チャンネルでコンプ感を調整できるのもおもしろい。使用するギターや、曲調などによって細かい作り込みができ、特にレコーディングなどでは威力を発揮しそうだ。使い勝手が良く、機能面で細かい配慮がなされているが、本モデルの人気の秘密は素の音の良さにある。ピッキングによく反応してくれる自然なドライブ・サウンドは、一度弾いたら病みつきになるだろう。
Specifications
●コントロール:【つまみ】ボリューム×2、ゲイン×2、トーン、ベース、ミッド、トレブル【スイッチ】CHA、CHB、コンプ×2、A>B、B>A ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:117(W)×93(D)×50(H)mm ●重量:約420g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:PCI
有名アンプ・メーカーが作るリアル・チューブ・ドライブ!
Specifications
●コントロール:【つまみ】ドライブ、アウトプット、ヴォイシング【スイッチ】オン/オフ、ファクター1/2 ●入出力端子:インプット、アウトプット ●真空管:ECC83 or 12AX7A ●外形寸法:160(W)×215(D)×80(H)mm ●重量:約1240g ●電源:ACアダプター
オフィシャルHP:パール楽器製造
チューブ・ライクなサウンドを持つエレハモのフラッグシップ・モデル
アナログJFETテクノロジーを採用し、チューブ・ライクなサウンドとレスポンスを実現したエレクトロ・ハーモニックス社のフラッグシップ・ディストーション。プリ・ゲインを4種類から選んで設定可能で、タイトな歪みからレンジの広いフルサウンドまで選ぶことができる。歪みを少なくした時のオーバードライブ・サウンドは、非常に張りがある、明るいキャラクターのサウンド。歪みを深くしてEQを調整すると、いかにもエレハモらしいちょっとファズ的な、ストーナー系にぴったりのサウンドも出せる。低音弦を中心としたリフを引き摺るように弾く時には、これ以上のサウンドはないだろう。直感的に操作できるシンプルなコントロールもエレハモらしい。
※「製品レビュー」もご参照下さい。
Specifications
●コントロール:【つまみ】ボリューム、トレブル、ミッド、ベース、ゲイン、4ウェイ・プリ・ゲイン、ブースト・ボリューム、ブースト・ゲイン【スイッチ】バイパス、ブースト ●入出力端子:インプット、アウトプット、DIアウト、フット・スイッチ ●外形寸法:144(W)×119(D)×60(H)mm ●重量:580g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:キョーリツコーポレーション
F.C.G.R.と秋間経夫がタッグを組んだ国産良音ペダル!
Specifications
●コントロール:【つまみ】ゲイン、ベース、ミドル、トレブル、マスター、ヒート・マスター【スイッチ】バイパス、ヒート ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:135(W)×95(D)×55(H)mm ●重量:約422g ●電源:ACアダプター
オフィシャルHP:フリーダムカスタムギターリサーチ
素晴らしいブースター部分を持つシンプルなドライブ・ペダル
スイッチング・システムでお馴染みのボブ・ブラッドショー率いるカスタム・オーディオ・エレクトロニクスとMXRがコラボした製品。コラボ・シリーズの人気商品MC401のブースター部分(+20dBまでブースト可能)に、オーバードライブを搭載したモデルだ。オーバードライブ部のコントロールはゲイン、トーン、アウトプットと非常にシンプルで、ゲインのみならずアウトプットの設定でも歪みの量は変わるので、試してみてほしい。サウンドは、比較的ソフトな印象。ブースター部のコントロールはブースト・ノブのみと、いたってシンプル。単体でも使えるブースターは、オンにするとアンプのランクが1段上がったかのような素晴らしいサウンドを出力する。
Specifications
●コントロール:【つまみ】ブースト、アウトプット、トーン、ゲイン【スイッチ】オーバードライブ、ブースト ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:123(W)×93(D)×42(H)mm ●重量:約670g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:モリダイラ楽器
テキサス・ブルース・トーンに的を絞ったペダル
本機はビンテージTS9に的を絞り、さらに発展させたドライブ・ペダル。リズム/リードの2ch仕様だ。サウンドのターゲットは、ずばりテキサス・ブルース・トーン。ストラト・タイプのギターでプレイすれば、あのレイ・ヴォーンのサウンドを彷彿させる。ハムバッカー搭載器でもコシと粘りがあるドライブ・サウンドを得ることができる。高域のキャラクターを選択する3ポジション・バイト・スイッチを両チャンネルに搭載し、多彩なキャラクター作りが可能。また、バッファー入力ながらトゥルーバイパスのようなナチュラルなバイパス・サウンドを実現している。ターゲットをしっかり絞った商品なので、テキサス系のトーンが好きな人は要チェックだ。
Specifications
●コントロール:【つまみ】レベル×2、トーン×2、ドライブ【スイッチ】バイパス、トグル、バイト×2 ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:89 (W)×109(D)×50(H)mm ●重量:600g ●電源:ACアダプター
オフィシャルHP:日本エレクトロ・ハーモニックス
大人気機種FULL DRIVEの最新ナンバリング・モデル
ブティック・ペダル・ブランドの先駆け、Fulltone。プロ・ギタリストのペダル・ボードでFULL DRIVE 2を見たという人も少なくないだろう。なめらかなサウンドと、ギタリスト好みのコンプレッションを持つ大ヒット・ペダルだ。本機は初代のFULL DRIVE開発から20年を経て発売されたアニバーサリー・モデル。本機の特徴はオーバードライブの心臓部ともいえるオペアンプにNew Old StockのJRC4558Dを使用している点。また、ブースト回路を歪みの前段/後段に入れ替えられるミニ・スイッチを搭載したのも便利だ。さらにFULL DRIVE 2に比べて筐体が約20%小型化している点も、昨今のペダル事情から見逃せないポイントだ。サウンド、使い勝手とも抜かりがないのはさすが。
Specifications
●コントロール:【つまみ】ボリューム、トーン、オーバードライブ、ブースト、ダイナミクス【スイッチ】オン/オフ、ブースト、クリッピング、オーダー ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:123(W)×102(D)×55(H)mm ●重量:約670g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:ミュゼット・ジャパン
完全独立2chで楽しめるビンテージ系ドライブ
デンマークのエフェクト・メーカー、T-Rex。高品質のペダルで知られる同社のデュアル・オーバードライブがこのALBERTA IIだ。かつて同社が発売していたALBERTAはTS系の良質なペダルだったが、このALBERTA IIはややコンプ感は少なめで反応がリニアな印象。2chとも良質なドライブ・サウンドを得られレベルの調整ができるので、ソロとバッキング、イントロとサビなどで使い分けたい。また、両chにノーマル/ファットの切り替えスイッチがあるので、チャンネルごとにキャラクターを少し変え、曲調によって使い分けてもおもしろいだろう。これ1台で枯れたブルージィなサウンドから深い歪みまで持っていける。ただし、やはりビンテージ系のサウンドと相性が良さそうだ。
Specifications
●コントロール:【つまみ】レベル×2、ゲイン×2、トーン×2【スイッチ】オン/オフ×2、ノーマル/ファット ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:100(W)×120(D)×55(H)mm ●重量:約340g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:キクタニミュージック
自然なチューブ・サウンドを持つアニバーサリー・モデル
1993年に発表し、大好評を博したHot Drive’n Boost。CARL MARTINはその後もチューブ・アンプのサウンドの解析を進め、初代の開発から10年後のアニバーサリー・モデルとして、このMk3をリリースした。本機の特徴は、ギターのおいしい部分を損なわない豊かなミドルを持っている点。ハイもローもしっかりと出ているためレンジが狭い感じはなく、まさにチューブ・アンプのドライブ・サウンドのようだ。ノイズが少ない点も好印象。ブースター単体、ドライブ単体、もちろん複合でもいける使い勝手の良さは初代譲り。ゲイン/ウェーブ(EQ)/レベルで歪みを作り、プラスしてブースト・レベルの設定でサウンドが決まるシンプルな設計も、ギタリストに好まれる理由だ。
Specifications
●コントロール:【つまみ】レベル、ウェーブ、ゲイン、ブースト・レベル【スイッチ】ドライブ、ブースト ●入出力端子:インプット、アウトプット、クリーンアウト ●外形寸法:120(W)×95(D)×56(H)mm(つまみを含む) ●重量:約480g(本体のみ) ●電源:ACアダプター
オフィシャルHP:フックアップ
横関敦監修! 2種の異なるオーバードライブを搭載した1台
日本を代表するHRギタリスト横関敦が監修した、デュアル・オーバードライブ・ペダル。本機のユニークな点は、ひとつのオーバードライブの歪み量を変化させるという発想ではなく、キャラクターの異なる歪みを2種搭載している点。右側のモードはミドルに重点を置いたマイルドなサウンドで、どちらかといえばソロ向き、左側のモードはレンジの広いドライブで、どちらかといえばバッキング向きだ。どちらも基本的には歪ませたアンプにつなぐことを想定してチューニングされている。ただし、右のマイルドなモードはクリーン・アンプにつないでも良いトーンが得られるので、キャラクターを頭に入れた上で、自由な発想で使ってみてほしい。
Specifications
●コントロール:【つまみ】ボリューム×2、トーン×2、ゲイン×2【スイッチ】オン/オフ、モード ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:150(W)×100(D)×40(H)mm ●重量:約500g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:iMi
ブルージィなトーンが持ち味の新感覚ブースター
ブースターとしての概念を見直し、軽いブーストからディストーションのような深い歪みまでをカバーする新感覚のブースター。音のバリエーションが広くさまざまなジャンルに対応できるが、中でも本機の特徴はブルージィなサウンドにある。プリ/マスターの2種のゲインで歪みの量とブースト量を決め、ヴォイシング・コントロールでウォームからブライトまで音の抜けを調整(ゲインに連動するトーンのイメージ)。さらに、ブルース/フラットのスイッチで、素のサウンドとブルージィなサウンドを選択可能だ。マスターA、マスターBで最終的な音量を2種類設定してフット・スイッチで切り替えられるので、バッキングとソロで音量を変える場合に最適だろう。
Specifications
●コントロール:【つまみ】プリ・ゲイン、マス・ゲイン、マスター A、マスターB、ヴォイシング【スイッチ】バイパス、マス・セレクト、ブルース/フラット切替 ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:120(W)×90(D)×55(H)mm ●重量:375g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:アルビットコーポレーション
歪みの前後のブースト量をつまみで調整可能なアルゼンチン発の1台
耳が早いペダル・マニアの間では噂になっているアルゼンチン発のブティック・ペダル・ブランド、dedalo。歪み系のペダルをいくつか出しているが、このREVOLVERは比較的クラシックな野太いサウンドを得意とするペダルだ。MOSFETアナログ回路を採用し、歪みの前の入力/歪み後の出力のブースト量を各々のつまみで設定して、ブースト・スイッチで呼び出せるユニークなペダル。つまり、オフの素のサウンド、ゲイン/レベル/トレブルのつまみで作る歪みサウンドに加え、例えば歪み前をグッとブーストしてこってりと歪ませつつ歪み後のブーストは控えめで音量差はほんの少し、といった音を容易に作り出せる。粒が粗めでAC/DCのバッキングに合いそうなサウンドが得意。
Specifications
●コントロール:【つまみ】レベル、トレブル、ゲイン、ブースト・アウト、ブースト・イン【スイッチ】バイパス、ブースト ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:120(W)×94(D)× 54(H)mm ●重量:約360g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:イシバシ楽器
ジューシィなうま味を加えるTS系高品質ペダル
ギリシャ発のハンドメイド・ペダル・ブランド、JAM Pedals。本機はいわゆるTS系の軽めのドライブが好みの人には、かなりオススメできるペダルだ。もとのギターの持ち味を生かしながら、ジューシィなうま味を追加してくれる。特にシングルコイル搭載器との相性は抜群。そしてこのモデルにはもうひとつ、キャラクターが異なるハイゲイン系のドライブが搭載されている。スイッチングでもとのドライブをブーストするのではなく、回路自体が切り替わる設計だ。しかしハイゲインといってもモダン・ハイゲイン系の極悪サウンドではなく、あくまでキメが細かく軽やかなドライブ・サウンド。歪みが増しサステインも伸びるので、弾きやすいと感じる人も多いはずだ。
Specifications
●コントロール:【つまみ】レベル、トーン、ゲイン【スイッチ】オン/オフ、ハイゲイン ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:120(W)×94(D)×30(H)mm ●重量:約330g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:黒澤楽器店
100%アナログのデュアル・オーバードライブを低価格で実現
100%アナログ回路、トゥルーバイパス仕様でオーバードライブとブースターが2 in 1になっており、実売5,000円以下という驚異の低価格を実現しているJet City AmplificationのAfterburner。サウンドは、クセがなく自然だが、歪みの粒が若干粗め。ただし粗いから良い/悪いということではなく、単純に好みに関わる部分なので、ぜひ試奏するなり、動画を検索するなりしてサウンドをチェックしてみてほしい。個人的にはその値段の音ではないという印象だ。ブースターのかかりはわりとおとなしめなので、しっかりとかけたい人は思い切ってブーストのノブを上げて試してほしい。デザイン的にも低価格であることを感じさせない。操作もシンプルなので、初めての1台にオススメ。
Specifications
●コントロール:【つまみ】ボリューム、トーン、オーバードライブ、ブースト【スイッチ】オン/オフ、ブースト ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:140(W)×103(D)×50(H)mm ●重量:約540g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:サウンドハウス
VOX AC30、AC15のサウンドをシミュレート
本機はVOXアンプのサウンドをシミュレートしたペダル。それも非常に珍しい、AC30とAC15を区別してどちらのトーンも選べるという凝ったペダルだ。基本的にはドライブ・セクションのEQとゲインでVOXらしいチャイムのようなトレブルの音を作り、VOXと同様のTop Cutコントロールを搭載してミドルの張りを保ったまま、ハイを調整。さらに“HEADROOM”スイッチは、ダイナミクスが豊かで細やかな表現に適した“30”モードと、ディストーション・コントロールに優れ、やや粗い粒立ちの“15”モードを選択可能。ここでAC30らしさ、AC15らしさを作る。ブースト・スイッチで歪みを深くすれば、ブライアン・メイ的なサウンドも可能だ。徹底してVOXサウンドにこだわった、ユニークなペダル。
Specifications
●コントロール:【つまみ】ボリューム、ベース、トレブル、トップ・カット、ゲイン、ブースト・レベル【スイッチ】バイパス、ブースト、ヘッドルーム30/15 ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:94(W)×119(D)×40(H)mm ●重量:約460g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:モントルー
ブースト機能付きのダンブル・タイプ・ペダル
本機は幻の名アンプ、ダンブル・オーバードライブ・スペシャルをシミュレートしたペダル。初段のチャンネル1では“DRIVE”が歪みをコントロールし、原音を甘く太く際立たせたクリーン・ブースト〜ナチュラル・オーバードライブ・サウンドを作り出すことができる。“SELECT”オンで、チャンネル2が作動して“MORE”、“DRIVE”がどちらも機能し、さらに深い歪みが得られる。ただし、深い歪みといってもモダン・ハイゲイン系のそれではなく、ダンブル系の特徴でもある、どこかクリーンのニュアンスを保ったトーン。“MIDDLE”コントロールで調節する周波数域を切り替える“MID FREQ”が、音作りの幅を広げる。ラリー・カールトンやロベン・フォードのファンは、ぜひハムバッカー搭載器で試してみてほしい。
Specifications
●コントロール:【つまみ】レベル、ベース、ミドル、トレブル、モア、ドライブ【スイッチ】オン/オフ、セレクト、ダイナミック、ミッド・フリーケンシー ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:119(W)×93(D)×35(H)mm ●重量:約360g ●電源:ACアダプター
オフィシャルHP:モントルー
超多機能かつ自然なトーンが魅力のオーバードライブ
Amptweakerの看板モデル、TightDriveの機能とサウンドを極限まで高めたモデル。基本的なサウンドは、ボリューム、ゲイン、3種のEQなどスラント面に設置された6つのノブで作り、トップ面にあるプリ/ポストのふたつのブーストをコントロールして、歪みの量や音量をコントロール。さらにミッド・ブースト、エッジ、ノイズ・ゲートなど5つのスイッチでサウンドを追い込むことが可能で、内部には9V/18Vの切り替え、ノイズ・ゲートの効きの調整、ノーマル/ブーストそれぞれの音をさらに太くするスイッチなどが搭載され、徹底的に音を作り込んでいくことができる。3種のエフェクト・ループも備えており、超が付くほど多機能だがサウンドは自然でストレート。
Specifications
●コントロール:【つまみ】ボリューム、ロー、ミッド、ハイ、ゲイン、タイトブースト・ボリューム、ブースト・ゲイン【スイッチ】オン/オフ、ブースト、電源、ミッド・ブースト、ミッド、エッジ、ノイズ・ゲート、ゲイン ●入出力端子:インプット、アウトプット、ユニバーサル・ループ、ブースト・ループ、サイドトラック・ループ ●外形寸法:143(W)×127(D)×54(H)mm ●重量:約1160g ●電源:9V電池、ACアダプター(9V /18V)
オフィシャルHP:LEP INTERNATIONAL
ブルージィなサウンドを得意とするニュージーランド製ペダル
ニュージーランドで1台1台、丁寧にハンドメイドで作られているG2d Limited。本機は、ブルージィなサウンドを得意とするオーバードライブと、さらにそれをホットにするブースターが合体したペダルだ。基本となるオーバードライブ部のサウンドは、ギターのキャラクターを生かす素直な音で、若干強めなコンプレッション感が気持ち良くギターを弾かせてくれる。シングルコイル搭載器でテキサス・ブルース・トーンを作るとハマりそうだ。ブースト部は、歪みは変えずに音量を持ち上げるタイプ。ここぞという時にオンにしたい。筐体内部にはディップ・スイッチを備え、ゲインを少し抑える /上げるなど、きめ細かいコントロールが可能。
Specifications
●コントロール:【つまみ】ボリューム、トーン、ソロ、ドライブ【スイッチ】オン/オフ、ソロ、ディップ・スイッチ ●入出力端子:インプット、アウトプット ●外形寸法:120(W)×98(D)×77(H)mm ●重量:約530g ●電源:9V電池、ACアダプター
オフィシャルHP:iMi
本記事はリットーミュージック刊『ギター・マガジン2015年6月号』の特集「一石二鳥の優れもの! ツイン・ペダル式歪みエフェクター大集合」の中でより詳しく紹介されています! 本項で紹介した24機種をベースに、”三度の飯よりエフェクターが好き”という菅波栄純(THE BACK HORN)の試奏コメントの他、ツイン・ペダルの歴史や具体的な使用方法も指南する充実の内容になっています。ぜひチェックしてみて下さい。