Positive Grid Spark LIVE meets Toshiki Soejima & Naho Kimama
- 2024/12/13
Ibanez / SRFF806
通常のモデルとは異なるコンセプトを取り入れた、ユニークな製品が揃っているアイバニーズのBass Workshopシリーズの新製品は、僚誌ベース・マガジン2014年12月号でも特集した、ファンド・フレット・システムを採用したベースだ。
弦をより自然に振動させるには、太い弦は長め、細い弦は短めのほうが有利であるという理論に基づき、高音弦から低音弦にかけてスケールが次第に長くなるように設定した結果、フレットが平行ではなく、ファン(扇)のように広がった形になったのがその名の由来。16世紀にはすでに実用化されていたという、歴史のあるコンセプトだ。このタイプのベースは、すでにアメリカの複数のメーカ―から発表されているが、アイバニーズのこのモデルは、アメリカ製のものに比べて低音弦と高音弦の長さの差を小さめに抑えてあるのが特徴で、フレットが平行に打たれた通常のベースから持ち替えた時の違和感が少なくなっている。また、とりわけ多弦ベースでポピュラーなハイ・ポジションを利用するコード奏法も、フレットが極端に傾いていないために、ある特定のコードやインターバルが押さえにくくなるという問題も緩和されている。さらには、もともとバランスの良い設計で定評のあるSRが母体になっているので、構えた時のフィット感が自然なのも嬉しい。
アッシュ材を使用したボディは、コンパクトなデザインの効果もあって、多弦ベースとしては軽量に仕上がっている。ピックアップを含む電気系もクセがなく、1弦から6弦まで自然な弦振動が得られるせいか、音程感が明瞭で自然なサウンドとなる。単独で弾くと特に強烈な個性は感じないが、アンサンブルに入った時には堅実で頼れるサウンドで鳴ってくれるはずだ。
価格:¥155,000 (税別)