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  • 定評のあるアイバニーズのSRを母体にしたファンド・フレット・モデル!

Ibanez / SRFF806

Ibanez / SRFF806

  • 試奏/文:坂本 信 写真/動画撮影:伊藤 大輔
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 通常のモデルとは異なるコンセプトを取り入れた、ユニークな製品が揃っているアイバニーズのBass Workshopシリーズの新製品は、僚誌ベース・マガジン2014年12月号でも特集した、ファンド・フレット・システムを採用したベースだ。

 弦をより自然に振動させるには、太い弦は長め、細い弦は短めのほうが有利であるという理論に基づき、高音弦から低音弦にかけてスケールが次第に長くなるように設定した結果、フレットが平行ではなく、ファン(扇)のように広がった形になったのがその名の由来。16世紀にはすでに実用化されていたという、歴史のあるコンセプトだ。このタイプのベースは、すでにアメリカの複数のメーカ―から発表されているが、アイバニーズのこのモデルは、アメリカ製のものに比べて低音弦と高音弦の長さの差を小さめに抑えてあるのが特徴で、フレットが平行に打たれた通常のベースから持ち替えた時の違和感が少なくなっている。また、とりわけ多弦ベースでポピュラーなハイ・ポジションを利用するコード奏法も、フレットが極端に傾いていないために、ある特定のコードやインターバルが押さえにくくなるという問題も緩和されている。さらには、もともとバランスの良い設計で定評のあるSRが母体になっているので、構えた時のフィット感が自然なのも嬉しい。

 アッシュ材を使用したボディは、コンパクトなデザインの効果もあって、多弦ベースとしては軽量に仕上がっている。ピックアップを含む電気系もクセがなく、1弦から6弦まで自然な弦振動が得られるせいか、音程感が明瞭で自然なサウンドとなる。単独で弾くと特に強烈な個性は感じないが、アンサンブルに入った時には堅実で頼れるサウンドで鳴ってくれるはずだ。

ボディと同じアッシュの化粧板を貼ったマッチング・ヘッド。

ボリュームとバランサー、3バンドEQを備えたプリアンプ。ミッドの周波数は700、450、250Hzから選択可能。

Bartolini製BH1ピックアップ。ブレート型ポールピースのハムバッキング・タイプだ。

弦同士の干渉を抑えるだけでなく、各弦のスケールの違いにも柔軟に対応できるMono-Railブリッジ。

ネック・ジョイントはメリハリのあるアタックが得られるボルト・オン方式を採用。

しっとりとして重みのあるサウンドが持ち味のローズウッド指板。ファンド・フレットの開き具合は穏やかだ。

Ibanez / SRFF806


 ※本器の5弦モデルもラインナップされている。詳しくは製品ニュースへ→https://www.digimart.net/magazine/article/2015041601405.html

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製品情報

Ibanez / SRFF806

価格:¥155,000 (税別)

【スペック】
■ボディ:アッシュ■ネック:ジャトバ&ブビンガ/5ピース■指板:ローズウッド■スケール:35.5(6弦)~33.6(1弦)インチ■ジョイント:ボルト・オン■フレット数:24■ピックアップ:Bartolini BH1セット■ブリッジ:Mono-Rail V■コントロール:ボリュームおよびバランサー、トレブル(プリアンプ・バイパス時にはパッシブ・トーンとして機能)、ミッド、ベース・コントロール、プリアンプ・バイパスおよびミッド・フリケンシー・スイッチ(Ibanez Custom Electronicsプリアンプ)
【問い合わせ】
星野楽器販売 TEL:0561-89-6900 http://www.ibanez.co.jp
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