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- 2024/11/16
Gretsch / G6120SH Brian Setzer Hot Rod
ブライアン・セッツァーの新しいシグネチャー・モデルを紹介しよう。美しいフレイム・メイプルの木目を生かしたトランス・カラーのこのギターは、1959年の6120をベースに、ホットロッド・モディファイが施されている。これまでのシグネチャー・モデルとは異なり59年スタイルの2.75インチ(約70mm)のボディ厚を採用。最も印象深いストレイ・キャッツ時代のアイコンとも言えるタンジェリン・カラーのセッツァー・モデルと同様の厚さだ。指板ラディアスは240Rで、一般的なグレッチ・モデルと異なる。これは弾き心地だけでなく、キレのある音色を作るファクターでもあり、トーンにも影響を与えている。また、初搭載となるTVジョーンズのシグネチャー・ピックアップはトレブルのヌケ感が気持ち良く、フロントではメロウなジャズ・トーンを生み出してくれる。
ペグは今までのシュパーゼル製からシャーラーM6ロッキング・チューナーに変更されている。これにより、スムースなチューニングが行なえるだけでなく、ルックス面でもタンジェリン・フィニッシュのモデルと近くなるので、往年のセッツァー・ファンにはグッとくるポイントだろう。大きめのfシェイプのサウンドホールもおなじみの仕様だ。マスター・ボリュームとピックアップ・セレクターのみというシンプルなコントロールは、ライブでの取り扱いも容易で、とにかくストレートなトーンが身上。凄腕ギタリスト、ブライアン・セッツァーの意見が取り入れられたプロフェッショナルなギターに仕上がっている。
サウンドは「これぞグレッチ」というもので、深くグリップしたピッキングでプレイすると、正しくあのトーンが飛び出してくる。これがエレキ・ギターの「格好良い音」のひとつであることは間違いない。弦高も低くセッティングされており、プレイアビリティも抜群。ちなみにラインナップされたボディ・カラーは、すべて59年のキャデラックのカラー名称から引用されているということで、このあたりにも「TEDDY BOY」ブライアン・セッツァーのセンスが感じられる。
ファンはもちろん、グレッチ・ギターに興味のある方には、ぜひ一度手にしてもらいたい日本製のハイエンド・ギター。歌ものの伴奏から、ギンギンのロックン・ロールまで、幅広い音楽に対応する1本だ。
価格:¥490,000 (税別)
村田善行(むらた・よしゆき)
株式会社クルーズにてエフェクト・ペダル全般のデザイン担当、同経営の楽器店フーチーズ(東京都渋谷区)のマネージャーを兼任。ファズ関連・エフェクター全般へのこだわりから専門誌にてコラムを担当する他、覆面ネームにて機材の試奏レポ/製品レビュー多数。