AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
MXR / IL Torino Overdrive CSP033
オペアンプに真空管の動作に似たMOSFETを採用し、クラシック・チューブ・アンプの特性を再現したMXRのオーバードライブを紹介したい。イタリアのブティック・ペダル/アンプ・デザイナーのCarlo Sorasioを迎えてデザインされたためか、アメリカン・アンプのニュアンスには無いミッド・レンジが特徴的だ。
シンプルなコントロールでありながら、サチュレーション感を感覚的にコントロールでき、ギターのナチュラルなトーンを活かしたサウンド・メイクに有効&友好的なペダルだと言える。BOOSTとODのモードがあり、BOOSTモードではナチュラルなコンプレッションとサステインが得られ、ODモードではチューブ・アンプの様な飽和感を持ったドライブ・サウンドが得られる。3バンドのEQは派手に効くわけではないが、実に的を射た調整ができる実用性の高いものだ。おもにミッド・レンジにフォーカスされており、ギター・アンプを補正するイメージで使うと良いだろう。
バイパスはバッファードを採用し、ロー・インピーダンス出力される。トゥルー・バイパスだと、どうしてもハイ落ちしたりレスポンス感が抜けてしまうことがあるが、このバッファーは自然で、若干ファットな低域を感じるが、シングルコイル・ピックアップのギター等を接続する場合には、むしろ効果的かもしれない。ライブ派/自宅録音派を問わず、サウンドメイクがしやすいオススメのペダルだ。
価格:¥22,000 (税別)
村田善行(むらた・よしゆき)
株式会社クルーズにてエフェクト・ペダル全般のデザイン担当、同経営の楽器店フーチーズ(東京都渋谷区)のマネージャーを兼任。ファズ関連・エフェクター全般へのこだわりから専門誌にてコラムを担当する他、覆面ネームにて機材の試奏レポ/製品レビュー多数。