Strandburg Guitarはここ2〜3年、コアなギター・マニアやプレイヤーの間で噂になってきた新進気鋭のギター・ブランドだ。日本でもハイセンスなテクニカル系ギタリストの使用で話題となっていた。今回ご紹介するOSラインは、OEM生産されたコリア・メイドのコストパフォーマンス・モデル。コストパフォーマンス・モデルとはいっても、そのクオリティは高く評判も良い。動画でも確認できるその個性的なトーンはこのギター・ブランドならではのものであるし、十分にそのクオリティを実感できる。

　6弦〜8弦までラインナップされているが、今回試奏したモデルは7弦のBoden OS 7。特徴的なネック・シェイプに最初は戸惑うかも知れないが、ギター・プレイヤーであれば弾いてすぐに“何故このシェイプを採用したのか”が理解できると思う。７弦をプレイする左手のフォームにスッと馴染むこのデザインは、1950年代から続くギターの造形に一石を投じている。７弦や8弦であればなおさら違和感なく馴染めるだろう。低音弦に向かって弦長が長くなるファン・フレットも同様で、左手のフォームがシェイク・ハンドスタイルだと違和感があるかもしれないが、親指をネック裏に置き、指を立てるクラシック系のフォームであれば、むしろ普通のフレッティング・パターンよりも楽に弾けるかもしれない。

　肝心のトーンはチェンバード・ボディのおかげで、エア感を含んだ非常にメロウなクリーン・トーンが素晴らしい。このボディ・スタイルからは想像もできないかもしれないが、本当にジャジィなテイスト。アルミ・トーン・ピックアップもやはりロー・パワーでワイド・レンジなトーンを生み出すことに一役買っている。ドライブさせる際にはプリアンプ的な歪みペダル（生音を活かすと言うよりは少しクセのあるペダル）との相性が良いと思う。

　個人的にはこのモデルはクリーン・サウンドのエアリーなトーンが非常に魅力的に感じる。ハード・ドライブを好むプレイヤーであれば、他のピックアップ（例えば高域にキレのあるピックアップ）に載せ変えたりと、少し自分らしくカスタマイズしてやる事で、さらに好みの音に近づける事ができるだろう。７弦という音階・音域とこのコンパクトなヘッドレス・ギターならではのタイトな鳴りを活かして、ジャズ・ギタリストやソロ・プレイヤーにも是非試して頂きたい。

　クラインやスタインバーガー等の先進的ギターの新しい流れを感じる。オールドスクールなギター選びとは違った観点で見てみると、本当に魅力的なギターだと言えるのではないだろうか。

※使用アンプ：Fender '68 Custom Deluxe Reverb

スラント・マウントされたレース製のアルミトーン・ハムバッカー。他にもセイモア・ダンカンやEMGを搭載したモデルも選択できる。

アルミトーン・ハムバッカーの内部は空洞で、銅線を巻いたコイルがない独特のデザイン。ワイド・レンジなトーンを生み出すことに一役買っている。

コントロールは1ボリューム、1トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクターというシンプルな構成。

ヘッドレス／ストリング・ロック仕様のヘッド部分。ウッドのストリング・ガイドと0フレットも確認できる。

弦の干渉を避ける各弦独立タイプのブリッジ／サドル。チューニングはエンド部分に装着されるノブをまわすことで調整する。

特徴的なデザインのボディ底面。ブリッジの穴から弦を通す構造であることが確認できる。また右側のアウトプット・ジャックは、ケーブルの抜け落ちや突然の動作による破損などを防ぐためこの位置に配されている。

Strandberg / Boden OS 7　写真提供：イケベ楽器店 リボレ秋葉原店