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- 2024/11/16
Gibson Acoustic / J-200 “The 64”
「55th Anniversary 1956 J-45」「J-45 “The 59”」「J-50 “The 59”」ですでに実績と定評のあるクロサワ楽器店Gibsonアコースティック・チーム。彼らのオーダーによる新作「J-200“The 64”」については、かつて「お茶の水楽器祭りレポート」にて速報したが、今回は動画にてご紹介。ルックス、プレイアビリティ、そしてもちろんサウンドまで徹底的にリファインされたJ-200 “The 64”の魅力とは!?
King of Flat Top──1937年の発売以来、その名をほしいままにしてきたギブソン・アコースティックの最高峰に君臨するギター、それがJ-200です。ギブソンのフラットトップでは最大の17インチのボディ幅を誇り、発売当初はSJ(Super Jumboの略)の型番で呼ばれていました。生産開始から77年の歴史の中で幾度となく仕様変更されてきましたが、いつの時代もその豪華な仕様やトップクラスの価格からアコースティック・ギター・ファンの憧れとして存在し続けています。エルヴィス・プレスリー、ボブ・ディラン、ジョージ・ハリスン、キース・リチャーズ、ニール・ヤング等のレジェンド達に愛されたことでも知られています。
長い歴史を持つJ-200ですが、中でも60年代中期以降の仕様は独特です。今回、ギブソンのファイブ・スター・ディーラーであるクロサワ楽器がその仕様に注目し、スタッフ所有の1964年製ビンテージJ-200をモンタナ工場に持ち込んで改めて解析を依頼。それを基に50本限定で生産されたギターがこの“The 64”です。1964年製の特徴は、チューン“オー”マティック・ブリッジとナイロン駒、“CUSTOM”の文字が入ったトラスロッド・カバー等に表れています。“The 64”がこれらのポイントを押さえているのはもちろん、徹底的なプロファイリングにより、ネック・グリップやわずかに厚いボディ厚なども完全に再現しています。さらにボディ・バックのシーム柄やピックガードの絵柄の色味にまでこだわり抜いており、これぞまさしく“The 64”と呼ぶにふさわしい仕上がりとなっています。
それではサウンドを動画でチェックしていきましょう。
まずは、フラットピックを用いたストロークでチェック。ギブソンらしいジャキジャキ感が心地良いです。J-200は大きなボディを持ち、特にこの“The 64”はネック・ジョイント部のボディ厚が現行品より厚いということで、当初は「低域がぐわんぐわん響く」イメージを持っていたのですが、それは良い意味で裏切られました。高〜低域まで過不足なく鳴り、実にバランスが良いのです。それは、ピックでのアルペジオでもわかる通りです。はじける様に輝く高域、太さと同時にプリッとした弾力を感じる低〜中域、それらが調和して、簡単なコードを鳴らすだけでも魅力的に響きます。ケースから出していきなり弾いて、この鳴り、このバランスですから、数年弾き込めばどこまで良くなるのか、本当に楽しみなギターです。
プレイアビリティの面でも、ボディの大きさや厚さは全く苦になりませんでした。むしろサウンドと同様に“バランスが良い”と感じたほどです。また、1964年製の個体から採寸したネック・グリップも、60年代後半製に散見される極端に細いグリップではなく、手にした瞬間から馴染むものです。ビンテージ・ギブソンに対するクロサワ楽器のリスペクトとこだわり、そしてそれを形にしてみせたギブソン・モンタナの意地と技術。そのサウンドと弾き心地を、ぜひ確かめてみて下さい。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは10月24日(金)を予定。
価格:¥398,000 (税別)