フェンダーが1976年に発表したセミアコースティック・ギター『スターキャスター』が、このほどブラッシュアップして復活を遂げた。ユニークな非対象のボディと、オリジナリティ溢れるヘッド、２基のハムバッカーを搭載という基本的なスペックはそのままに、細かい点に改良が加えられている。

　まず、オリジナルは70年代フェンダーらしく３点止めデタッチャブル・ネックであったが、本器は４点止め。ブリッジについてもオリジナルのスターキャスター専用ブリッジからPinned Adjusto-Matic™ with Anchored Tailpieceという、一般的な構造のブリッジになっている。コントロールについても、オリジナルではマスター・ボリュームを含む５コントロールであったが、本器はより一般的な４コントロール（フロント／リアの各ボリューム、各トーン）で、ピックアップ・セレクターのセンター位置を多用しないプレイヤーには本器の方が使いやすいだろう。

　オリジナルの使用者として有名なのは、ミーターズのレオ・ノセンテリ。このことからわかるように、ファンク系には最高のサウンドだ。フロントのクリーンでは、メイプル・ネックということもあって他のセミアコでは得難いブライトなサウンド。しかしリアでも、ハムバッカーが功を奏しているのか、耳に痛くない。歪ませたトーンは、他のセミアコにはないキレがありつつ、適度な粘りもあって非常に心地よい。

　リーズナブルな価格帯のセミアコとしては、かなり使えるギターという印象を受けた。使用するギター自体にもオリジナリティを求める人に、お勧めの1本だ。

※使用アンプ：Fender '68 Custom Deluxe Reverb

個性的な形状のヘッド・ストックはStarcasterの特徴の1つ。

ブリッジにはAdjusto-Matic™を採用し、ピックアップには"ワイドレンジ”ハムバッキングを2基搭載。

オリジナルの３点止めデタッチャブル・ネックから４点止めに変更されている。

Fender / Modern Player Series STARCASTER GUITAR