スペックに表れない凝った設計のプリアンプやエフェクターを送り出している、日本のユニークなブランド、アルビットのシンプルで高音質なコンプレッサー。心臓部とも言えるゲイン・コントロール素子には、プロのレコーディング・スタジオで古くから重宝がられている名機と同様、フォトセルを採用している。フォトセルは、もうひとつのポピュラーな素子であるFETよりも反応は穏やかだが、耐入力が高く、滑らかなコンプレッション効果が得られるのが特徴で、ベースのようにダイナミック・レンジの広い楽器にはうってつけだ。しかも、このフォトセルは同社の最上位機種GC-1や先行機種のGC-2にも使用するために、専用のものを自製するという凝りようだ。

　本機には、様々な入力ソースに対応するために、フラット、ギター、ベースの3つのポジションが選択できるコンプEQスイッチがあり、楽器に応じた設定により、とりわけギターやベースで問題となる音のこもりが回避できるようになっている。効果の深さを調節するのはコンプ・ノブ1個だけで、圧縮比やリリース・タイムなどは、最適なバランスに自動調節される。

　エフェクト・オフ時との音量バランスは、マスター・ノブで調節する。その滑らかで自然な特性を活かすために、あまり深くかけないのが本機の基本的な使い方だが、極端に深くかけても音抜けが悪くならないので、アタック音を強調したサスティナーとして使ってもおもしろい。

ALBIT / GC-3 "GREAT COMPRESSOR"