ギルビー・クラークやデレク・セント・ホルムス、ブルース・キューリック等、アメリカン・ロックの屋台骨を支えてきたギタリスト達が使用し、注目度が高まってきている新進ブランド／Rock N' Roll Relics 。日本ではまだまだ情報が少ない同ブランドのSGモデルを弾く機会に恵まれた。

　今回、予備知識がほとんどないまま本器を手に取ったのだが、非常にサスティンが長いギターで、とても弾きやすいことに驚いた。SGタイプは大好物なので悪く言う気は全くないが、例えばサスティンの長さではレス・ポールに及ばなかったり、デッドポイントがあったりするモデルも少なからずあり、それも含めてSGらしいところだと勝手に思い込んでいた。本器はクリーン・トーンでも鈴のような音が長く伸び、後味が非常によい。歪ませた時の音も実に素直。リアが固過ぎることもフロントが柔らか過ぎることもなく（こういう楽器は意外と少ない）、音の伸びも良好で、それも高出力のピックアップでサスティンを稼ぐのではなく、楽器自体が自然と鳴って結果サスティンも長くなっているような伸び方。見た目は派手だが、実に素姓のよい楽器だと感じた。

　サウンドに驚いたので順番が逆になったが、本器の魅力はやはりこの見た目によるところも大きい。ライブで映えそうなド派手なシルバー・フィニッシュだが、同時に渋さも感じる不思議な質感。下側（１弦側）のツノが長い点も、本器の独特な雰囲気に一役買っている。

　ライブで目立つギターが欲しい人、音の良いSGタイプが欲しい人にお薦めできる良質な1本だ。

※使用アンプ：Fender 68 Custom Deluxe Reverb

とても派手だが、なぜか渋さも感じる独特な質感。

米カリフォルニア州サン・ブルーノにてハンドメイドされるDavid Allen PickupsのPOWERAGE。AC/DCトーンを狙ったモデルながら実に素直なサウンドという印象。

トラスロッド・カバーにブランド名が、ヘッド表面にモデル名が記載されている。

ヘッドの裏側はブラック仕上げで、首部分の面取り処理も工夫がなされている。