エレクトリック・ギターと同等の操作性で、アコギ／エレキ両方のサウンド（それも、レベルの高い）を得られると評判、かつMiyaviの愛器としてもよく知られるテイラーT5が、ボディ・サイズをコンパクトにしてレギュラー・モデル、T5zとして新登場した。取り回しがさらによくなり、フレットも高めのものを採用することで、よりエレクトリックに近い操作性を獲得している。

　早速試奏してみると、これは弾きやすい！　生粋のエレキ弾きの中にはどうもアコギは苦手という人もいると思うが、本器ではそんな心配は一切いらないだろう。実際、きちんと調整されていないエレキより、ずっと弾きやすい。ネックの形状、フレットの高さ、指板のフラットさなど、これで弾きにくいという人はいないはずだ。

　ボディ・サイドには5Wayスイッチが搭載されている。ぱっと見ると表面上にはリア位置にリップスティックのようなピックアップが一基見えるだけだが、ネック・エンドにマグネティック・ピックアップが、ボディ・トップ裏にはダイナミック・ボディ・センサーが貼り付けられており、それらの組み合わせを選択できる仕組みだ。ボディ表面のコントロールは、トレブル（ブースト／カット）、ベース（ブースト／カット）、ボリュームの3種で、実に簡単、わかりやすい。いかにもアコギ的な使い方から、フルアコのような使い方まで、曲調次第でなんでも出来る感じ。アコギ的に使う際は、それ用のアンプを使うとさらに良くなりそうだ。動画にはないが、歪ませたり、各種エフェクトで処理したり、弾き手の創造力次第で可能性はいくらでも広がるだろう。

　アコギを極めたメーカーだからこそできる、新しいエレクトリック・ギター。これは面白い。

※使用アンプ：Fender 68 Custom Deluxe Reverb

表面上は1ピックアップだが、実は2ピックアップ＋ボディ・センサーという仕様。

シンプルで使いやすい3コントロール。フレットの処理も丁寧で、本当に弾きやすい。

ボディ・サイドに設置された5Wayスイッチ。ピックアップの選択次第で、アコギ／エレキ両方のサウンドを楽しめる。

Taylor / T5z PRO