フェンダーのストラトが好き、という皆さんであれば間違いなく納得できるタイムマシン・シリーズ。その基本モデルをベースに、日本市場向けのスペックを備えたストラト・モデルがこれ。

　60年代初頭の仕様を持ちながらも、現代的な要求を満たす事を意識しているギターだが、指板ディアスは7.25"なので、低めの弦高セッティングを求める場合には、ハイ・ポジションのチョーキング時の音詰り等注意が必要。ただ、ある程度の弦高を持たせた方が、60年代初期仕様であるスラブ張り指板の音の良さが伝わるはず。ガッツを持って弾いてほしい。

　日本以外ではグロス・フィニッシュのネックが仕様となっているが、この日本別注モデルはティンテッド・カラーのサテン・フィニッシュを持っている。さらりとしたネックの質感はビンテージライクであり、弾き心地も良い。トーンもグロス・フィニッシュに比べてオープンな印象で今っぽいカラリとしたフレーズにも合うだろう。

　ピックアップは’60s Strat Single Coilを3基マウント。いわゆる“太いストラト・サウンド”でブルースはもちろんのこと、ジョン・フルシアンテ等のようなロックなストラトとしても優秀。ハウリングにも強い印象なので、マーシャル直結でリフを弾いても良いだろう。ロー（低域）がスッキリしたオーバードライブ等が相性的にオススメ。

　ミント・グリーン・ピックガードのルックスも本モデルならではで、フェンダー・ビンテージ・スペックを正当に踏襲した、フラッグシップ・モデルであると言える。この渋いシャーウッドグリーン・メタリックのカラーも注目すべきだろう。フェンダー・ストラトキャスターの伝統を継承しながらも、今時の音楽シーンを意識した“鉄板の1本”と言って良いだろう。

※使用アンプ：Fender 68 Custom Deluxe Reverb

ポールピースの角が面取りされたスタガード・スタイルのピックアップ。

“グリーン・ガード”を再現した3プライのミント・グリーンのピックガード。ビンテージの風合いをよく表現している。

60年のストラトを象徴するスペックである、スラブ貼りのフィンガーボード。サウンドへ与える影響も大きい。

Fender Custom Shop　1960 Stratocaster N.O.S.