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- 2024/11/16
ZOOM / Q4
ズームから、ハンディ・ビデオ・レコーダー“Q4”が登場。 映像も撮れるレコーダーの定番機として知られる“Q3”から進化したもので、ルックス、クオリティなど、さまざまな点で変貌を遂げている。また、バンドマンのためにあつらえた諸機能も好印象だ。では、ただいま躍進中の3ピース・バンド“忘れらんねえよ”と一緒に本機をチェックしていこう!
手のひらに納まるコンパクトかつ軽量なサイズながら、XY方式のステレオ・マイクによる高音質(最高24bit/96kHz)とフルHD画質(最大 1080p 30fps)を実現させたハンディ・ビデオ・レコーダー。回転&取りはずしのできるLCD液晶モニターをつけることで、操作性や視認性も飛躍的に向上し た。そのほか、ライブ・コンサート録画用モードがあること、ネット・ストリーミング放送機能、宅録用USBマイクとしても使えるなど、ミュージシャンの ニーズに常に答えてきたズームならではのこだわりも随所に見られる。
ギター・マガジン編集部からバンドに3台のQ4を貸し出し、事前にライブ(4月2日@TSUTAYA O-WEST)を撮影してもらった。当座談会は、その動画を所属レコード会社の視聴室で一緒に観ながら行なったものである。
──撮影したライブ映像を観てもらっているわけですが、第一印象はいかがでしょう?
柴田:音いいですね! 手拍子がちゃんと録れてて会場の空気感も伝わるし、しかも楽器の音がちゃんと分離しているんですよ。俺のミスもしっかり記録されてます(笑)。
酒田:お、バスドラの低音も聴こえてる。
梅津:ベースもだいぶ聴こえますね。ベースのラインをつぶさずにしっかり拾ってくれてます。
柴田:しかもさ、エアーのふくよかさも記録されてるんだよね。でも輪郭もしっかりしてるっていう。
梅津:映像はなんか……ちょっと映画っぽいですよね? なんかフィルムっぽいというか、ライブ・ドキュメンタリー映画っぽいというか。
柴田:そうなんだよ! なんか映画っぽいんだよ。粒子がいい感じというか。なんか陰影もカッコいい感じなんですよ。ちょっと照明が当たるとお客さんが見えるし。……っていうか、ほんとに音いいな。ハットの細かい刻みまで聴こえるじゃん!
梅津:それぞれの楽器が聴こえるアンビの音って、こんな簡単に録れるんだ(笑)。特にローの感じがいいですね。キックの音が割れずに録れてます。
柴田:これはライン録りの音よりも、反省材料になるかもしれないですね。
梅津:しかもライン録りは観賞用にはならないしね。こっちですね。
柴田:フロアで聴いてる人の感触にかなり近いんじゃないかな。これマジでいいっすね。こんだけ映像がカッコよ かったり音がいいと、自分のライブを観たくなるし聴きたくなるから。ライブの反省って大事だけど、観るとけっこう落ち込んだりするじゃないですか(笑)。 でもこのクオリティなら観ていてテンション上がると思う。なんか楽しく反省できるというか。
梅津:うん。演奏から良さも見つけられそうだし。
柴田:“ ここはホントは良かったんだね” っていうのも発見できるよね。ライブをラインで録ってチェックすることってみんなやったことあると思うけど、ほんとに演奏をミスってるかを確認するだけな んですよね。それって全然楽しくないんですよ。でも、これで撮ったら楽しい上にミスのチェックができるぐらいの音質なわけだし、なおかつリアルなライブの 空気感も記録してくれるわけですよね。
酒田:ライブもいいけど、個人練習にも使えそう。
柴田:たしかに。ただ、もはや酒田映ってないけどね。
梅津:あ、映った。
柴田:今申し訳程度に映ったね。ああ、もう見切れたよ。
酒田:取り込む時ってどんな型式なんですか?
──最高音質は96kHz/24bitのWAV、画質はHD1920×1080まで対応しています。
酒田:こんないいものがもらえるなんて。
柴田:もらえないでしょ(実際にはモニターを提供)。
──実際に持った感触はどうですか?
柴田:思ったより軽いんですよね。あと見た目的に頑丈そうなんで、遠慮せずに使い倒していい感じがするんですよ。なんか相棒感があるというか。
梅津:うん。ケースにポンと入れて持ち歩けそう。
柴田:そうそう! そういうほうがいいじゃん? なんかさ、高級なビンテージのエフェクターって壊れるのが怖くて遠慮しちゃうけど、現行のコンパクト・エフェクターはガンガン使い倒すみたいなのと同じで さ。これ、バンドで本当に使おうよ。こういうページだからおべっか言うとかじゃなくて、マジで欲しいです(笑)。
梅津:うん。ロー・カット機能とか、ゲイン・コントロールもついてるし。
柴田:ゲインがオートでできるのは楽だよね。レベル調整なんてメンドくさくていちいちやってられないんですよ。
梅津:見てみるとマニュアル操作をハイ/ミッド/ローの3 段階に限定してるから、楽ですよね。
柴田:そこはあえて限定させてるんじゃない? そういうの好きなんですよね。変に自由度が高すぎても、プロじゃないからわかんないもん。
──ちなみに、付属品にマイクの風よけカバーが付いてくるので、野外にも対応できているのも特徴です。
柴田:お~。ストリート・ライブの人も使えそうですね。よくバンドのオーディションとかでさ、映像送んないといけないやつあるじゃん。あれって音質が悪いとどうしてもしょぼく見えちゃうけど、これ使えばすっげぇいい感じに撮れると思うんだよね。野外でやっても、室内でも。
梅津:プロの人に撮ってもらわないでもいいしね。人に撮ってもらうと、変にアレンジされたりするし(笑)。
柴田:そうそうそう(笑)! 変に揺らされたりとか(笑)。そんな演出はいらねぇんだ!みたいな。
梅津:バンドのやりたいように使える感じがいいっすよね。
柴田:だから、バンドで金出し合って1台持っておくのもいいかもしれないですね。
──音質/画質以外の諸機能についてはいかがですか? USBケーブルをつなげば、Ustreamなどの配信もできるし、宅録のUSBマイクとしても使えます。
柴田:今どきですね! つまりMacにつないじゃえば、ライブを生放送できるわけでしょ。
梅津:これなら音いいから、アコースティック・ライブをやったとしても、特にミキサーとかを介さずにできそうだね。
柴田:それ超楽じゃん。一時、僕らユースト配信でライブをやっていたんですけど、どうしてもミキサーさんが必要だったんですよ。カメラに付いてるマイクだと音良くないんで、しょうがなかったんですけどね。
──酒田さんはドラマー観点で見て、どんな風に使ってみたいですか?
酒田:ドラマー的には、フォームのチェックができそうなのがいいなって。叩きながら鏡見てやったりするんですけど、正面からしか見えなくて非効率的なんですよ。だから、いろんないい角度からこれで撮ってみたいですね。
柴田:絶対いいよね。音のニュアンスもチェックできるしね。
酒田:あとは、対バンのドラマーさんの叩き方を撮らせてもらって、あとで研究するとかも良さそうですね。
柴田:しかもサイズが小さいから、“ 定点で置かせて下さい” ってお願いしても嫌な顔されなさそうだよね。
酒田:これ、僕もほんといいと思います。値段もちょうどいいし。バンド・シーンだけじゃなくて、ダンサーとかお笑い芸人とか、音と映像が両方欲しい人が使ってもいいと思います。可能性はどんどん広がっていきますね。
リットーミュージック刊『ギター・マガジン』2014年6月号においても、「ZOOM Q4 meets 忘れらんねえよ」のタイトルで3人のスペシャル・インタビューを掲載しているぞ。
定価:1,008円(本体933円+税)
仕様:A4変型判/244ページ/CD付き
発売日:2014.5.13
忘れらんねえよ
08年11月、柴田隆浩(vo, g)、梅津拓也(b)、酒田耕慈(d)によって結成。11年にメジャー・デビュー。これまでに2枚のアルバムと4枚のシングルをリリースしている。自らを“2軍だった”と自虐し、決して日の当たらなかった青春時代をストレートなパンク・サウンドと切ないメロディで歌い上げ、ティーンズを中心に絶大な支持を得ている。下ネタを平気で連発するパフォーマンスでも知られ、トレードマークの“SEXジャンプ”もファンの間で大人気。なお今年6月11日、ミニ・アルバム『あの娘のメルアド予想する』が発売決定!