商品の説明

アーチトップ、オーバルホールのフラットマンドリンで、単板削り出しボディー、凝った作り込みの稀少モデルです。
もともとフラットマンドリンはオービルギブソンによって、バイオリンからインスピレーションを受けて制作されました。ヨーロッパから持ち込まれたボールバックマンドリンとは違った、芯のしっかりとしたレスポンスの良いパワフルな鳴りが特徴で、アメリカではこちらがスタンダードになるくらいの人気となりました。
ボールマンドリンを制作していたマーチン社も独自のフラットマンドリンを制作、他にもラーソンブラザーズやワッシュバーン等でもフラットマンドリンを制作していました。
今回のLYON HEALYもシカゴにあった総合楽器メーカーで、最も著名なアメリカのギターメーカーの一つであり、シカゴの巨大な楽器製造シーンの中心的存在でした。
設立者のジョージ W. ライアンは、ボストンのディットソン カンパニーに長年勤めていました。同社は音楽出版社で、楽器も扱っていました。ディットソンは、ライアンを若いパトリック ヒーリーと組ませ、1864 年にシカゴに派遣して、当初はディットソンの別の店舗となる店を設立させました。
ライアン & ヒーリーは、事業を成長させ、規模と市場範囲において当時のアメリカ屈指のメーかーとなりました。
今回のSTYLE-Aモデルは1910年頃から、WASHBURN工場で制作されていたモデルで、手の込んだ作り込みから、当時の上級モデルだったと思われます。
ギブソンとはまた違った伸びやかで太い音色でいてしっかりと箱鳴りのあるサウンドの楽器です。
トップはスプルース、サイド、バックはメイプルでトップ、サイドともに単板削り出しで制作されています。
ヘッド形状はオリジナルスクロールでペグの取り付けも雰囲気にあった独特なデザインでセットしています。
ピックガードも単なる板状では無く立体的に成形されたもので当時のオリジナルのままです。
テイルピースには凝ったデザインの彫金が施されています。
ブリッジはエボニー製でこれもオリジナルのままです。
サウンドホール周りにピッキングによるキズはあるものの、かなり綺麗な状態で残っています。
ボディー全体も表面的なコスリ跡はあるものの、1世紀前の楽器とは思えないくらい良い状態です。
ナット部幅29.4ミリ程度の気持ち三角っぽい太目のグリップです。
12フレット上で1弦1.7ミリ程度、4弦1.9ミリ程度でセットしています。
しっかりとレスポンスして弾き易い状態です。
甘く太い箱鳴りでいて粒立ちが良く、鳴りの豊かな楽器です。
トレモロ奏法によるメロディー演奏はもちろん、コードでの響き、カッティングでの伴奏と、雰囲気タップリのサウンドで楽しめます。
古いAタイプ専用ハードケース付きです。