商品の説明

1996年製のHD-28VSです。モデル初年度、戦前1931-1936年頃まで製作されていた12フレットジョイントのSタイプボディーのD-28をモチーフに製作されています。
ネックブロックには【HD-28 S VINTAGE SERIES】と刻印されてます。
マーチン社の公式リファレンスブックを参照しますと同モデルの1996年は56本のみ生産されており、現在、市場に出る機会もめったにありません。
ボディー容積が大きいぶん、音に深みがあって艶やかなサウンドで鳴ります。
ボディートップはビンテージトナーにて着色されたスプルース、サイドバックはローズウッド、エボニー指板、エボニーのロングサドルブリッジです。
この年代のネック材はヘッド両端に継ぎ木の無い、ジニュインマホガニー、クラシカルなルックスのスロッテッドヘッドに精度の高いWAVERLYのオープンバック・バタービーンスタイルペグがマウントされています。
ボディーにへリングボーンのパーフリング、アイボロイドセルバインディング、ブレイシングはスキャロップブレイシングです。ナット幅：44.5㎜、Vシェイプのビンテージスタイルネックグリップです。
ポジションマークはダイアモンド＆スクエアー、ヘッドロゴも「OLD MARTIN STYLE」です。
すでに30年近く経っており、実用で使われてきた楽器ですので、サウンドホール周りにストロークキズ、ブリッジ後方にゴマ粒～米粒くらいのアテキズが点在しています。目立つキズや板の割れはありませんが、年式相応の使用感はみられます。ボディーのサイドバックにもゴマ粒ほどのポツキズが点在しています。ボディー底面にバインディング剥がれの修理痕があり、エンドピン下方のセルを足して修理されています。アイボロイドのセルバインディングは経年により、縮む事がよくありますので、やむをえないと思います。
ヘッド横面の首部分にギターフックによる米粒ほどのクリアー剥がれがあります。全体的に使用感はありますが、年式からみてすこぶる良好と思います。
調整も行き届いており、弦高は12フレット上で6弦：2.5㎜、1弦：1.8㎜、サドルの高さやトラスロッドも余裕もあります。
スキャロップブレイシングの箱でしっかりと鳴る構造、14フレットジョイントのHD-28よりも、より豊かな低音の倍音の厚みと深さを感じる質の高い音色です。低音が伸びやかで太く、高音は繊細で粒立ちが綺麗なバランスの良い楽器です。
スロッテッドヘッドながら、ナット幅：44.5㎜と実用的で握りやすいグリップも人気の理由です。
残念ながら、2016年【STANDARAD】シリーズへのフルモデルチェンジの際にラインナップから外れ、生産完了となりました。
市場でもめったに出ないモデルです。オリジナルではありませんが、後年のマーチン・ビンテージタイプの高級ハードケース付きです。お探しの方にオススメです。