商品の説明

Gibson社アコースティックの代表的かつ高い人気を誇るJ-45/J-50。その人気は今もなお衰えることなく現行では復刻モデルも多く発表されております。オリジナルは1942年に発表され、サンバーストのJ-45、ナチュラルのJ-50としてラインナップされ、Gibson社の古き良き時代より受け継がれる王道のアコースティックトーンは多くのギタリスト達を魅了してきました。モデル名の由来は当時の定価を示しJ-45モデルが45ドルに対し、J-50モデルが50ドルと、塗装によって誤魔化しがきかないナチュラルカラーの為、J-50モデルの方が良質な材が採用されております。またナチュラルカラーについては、その美しいルックスよりブロンドヘアの女性を意味する”Blonde”の愛称で親しまれております。

今回ご紹介させて頂くのは1962年のLGシリーズのリネームとなるB-25モデルの発表と併せて1961年にJ-45/50モデルの12弦仕様として発表されたB-45-12モデル、こちらはJ-50モデル同様にブロンドカラーの別名でも親しまれる上位ナチュラルカラー。更に過度期ならではのハカランダ指板＆ブリッジ。57年と半世紀以上に渡ってガッツリと弾き込まれ続けてきた迫力のサウンドと、本物だからこそのヘヴィーエイジドルックながら、ストラップピンの追加以外パーツ類は全て当時のままとなるフルオリジナル品になります。

まずスペックとして、ボディサイズはJ-45/50モデルより引き継ぐジャンボサイズのドレッドノートスタイルにて、ボディトップにはヴィンテージならではの非常に良質なスプルースが採用されており、美しい本柾目の端正な杢目に加えて横方向にさざなみ状のギラつくクォーターフラワー、それ以外にもベアクロウも確認出来る極上材です。ボディサイド＆バック、ネックにはアコースティックギターのお手本のような美しいマホガニーが採用されており、こちらも角度によってギラつきを感じさせてくれます。指板、ブリッジには時期としてはインディアンローズウッドに移り変わる中、過度期ならではのハカランダ（ブラジリアンローズウッド）が採用されており、全体的に非常にコントラストが強く、特徴的な赤茶の色合い、そして強い黒の杢目が走ります。その他としてスクリュー留めに代わる前の鼈甲ガード、レクタンギュラースタイルのアジャスタブル・ブリッジ、Ｘブレイシング、ダブルライン＆6連×2のクルーソンデラックスチューナー、12弦仕様のトラピーズ（ブランコ）テイルピース14Fジョイントの20F仕様、ホワイトパールドット・ポジションマーク、マルチレイヤーのサウンドホール・ロゼッタ、ボディトップ＆バックにはシングルバウンド、ゴールドスクリプト・ブランドロゴ、などが挙げられます。またヘッドにはベースとなるJ-45/50モデルや同じBシリーズとなるB-25モデルには無い、高級感のあるバーチカル・ダブル・トライアングルインレイが施されております。

そして何と言っても特筆すべくはこの驚愕のサウンドでしょう。12弦仕様のドレッドノートをお探しの方でしたらワンストロークで即決出来るほど、鳴らせばすぐに分かる極上のサウンドを誇ります。アコースティックギターの良さ全てを凝縮したと感じさせる鳴りは、ジャンボサイズならではの迫力のあるボリュームと音圧、弦振動をフルに感じるビブラート感、枯れた味わいながら深い奥行を感じる空気感、そしてまるで大気と一体化していくような心地よいロングサスティーンは、弾いている本人が陶酔する麻薬のようなサウンドを放ちます。サウンドの傾向としては、高音域は音の粒立ち・分離が非常に良く、色気溢れる煌びやかな鳴りを誇ります。また中域は弾き込まれてきた個体独特の芯がシッカリとした枯れた味わいを感じさせ、そして低域は倍音成分だらけのフィードバック感で全体を楽器としてまとめ上げてくれます。良いギターはそれ一本でオーケストラの様な感動を覚えさせると言いますが、まさにその通りだと感じる鳥肌物の驚愕ヴィンテージサウンドです。J-45/50サウンドをベースとしながらも12弦仕様にしか出せない印象的なストローク・サウンド、独特のアタック感など、このモデル、このスペックでなければ出せない唯一無二のサウンドと言っても過言ではないでしょう。

状態としてはサウンドの良いヴィンテージの宿命とも言うべく、57年と半世紀以上の歳月をガッツリ弾き込まれてきた事が伺えるリアルエイジドルックス。ボディトップはウェザーチェックと多少の小傷のみで年式の割に比較的良好な状態となっておりますが、ボディサイド＆バックはウェザーチェックから塗装剥がれに至った部分が広範囲に見られます。またボディ＆ネックともにクリアのオーバーコートが施されております。（ボディバック＆サイドはリフィニッシュをした際に塗装が薄すぎた為に塗装剥がれが発生した可能性もございます。）パーツ類に関してはネックヒールにストラップピンの追加がございますが、その他フレット＆ナット＆サドルといった消耗品を含め全て当時からの変更なしのオリジナル、付属のケースもGibsonロゴの入ったオリジナルハードケースが付属致します。演奏面においてはネックコンディションは良好でトラスロッドの余裕もシッカリと残っており、オリジナルフレットは元々背の低いタイプながら目立った部分凹みもなく、まだまだ現役でご使用頂ける状態となっております。

元々のベースが人気のJ-45/50モデルという事もあり、併せてこちらの12弦モデルも高騰を続けております。その中でもネジ留めマウントされる前の薄手の鼈甲ガード期においては年々市場に出回る事も少なくなってきました。現在の相場感としてはJ-45ベースとなるサンバーストカラーで30～40万円前後、J-50ベースとなるナチュラル（ブロンド）カラーで40～50万円前後となっております。今回の一本については人気のネジ留め前の最終期となる1967年製、ハカランダ仕様個体、そしてナチュラルカラーと魅力的な部分が多くございますが、上記の通り塗装面に強い使用感がございます為、適正価格としては30～35万円前後になるかと思います。ただこちら前所有者様より多大なるご厚意もあり、相場を完全に無視した市場価値が低くなるサンバーストの個体相場すらも大きく下回る破格特価にてご案内させて頂く事となりました。特にプレイヤーの方にはまたとない大チャンスですので、お探しだった方はもちろんお気になりました方は是非この機会をお見逃しなく。