商品の説明

Gibson社におけるレスポールモデルと人気を二分するES(Electric Spanish)シリーズ。その歴史は1936年のES-150モデルに始まり、現在に至るまで多くのギタリスト達に愛用され続けております。Gibson社のアーチトップのフルアコモデルと言えば先ず思い浮かぶのは175では無いでしょうか。1949年からの古い歴史を持ちながらも常に高い人気を支持し、多くの大物アーティスト達をも魅了してきました。

今回ご紹介させて頂くのは、近年凄まじい勢いで高騰を続けるMid 70’s 1977年製のES-175、刻印ナンバードPAFのダブルピックアップに希少かつ価値の高いブロンドカラーを採用したES-175DNモデル。更には前所有者様が約30年もの間、大切に保管されてきた非常にキレイなコンディションをキープしたリアルヴィンテージになります。

まずそのスペックとしては、アーチドトップ＆バック、フルデプス（深胴）、Fホール、16 1/4インチボディのポインテッド（フローレンタイン）カッタウェイを採用したメイプルボディ。採用されているメイプル材も基本はプレーンながらに角度によってギラつきを感じさせるフィギュアドライクな杢目や、フレックをはじめとした味のある杢目が各所に確認出来る素晴らしい材が採用されております。フィニッシュカラーには、当時より特別視されていたナチュラルカラーとなりますが、その美しいルックスからもBlonde（金髪の女性を意味）との相性で親しまれ、通常のサンバーストよりもハイグレードな材がされており、販売価格自体も高く設定されていた特別なフィニッシュとなります。続いてネックにはこの時期ならではの強度の高い3Pのメイプル材が採用されておりますが、こちらも薄っすらながらシッカリとフレイムラインが確認出来るフィギュアドの浮かんだ素晴らしい材となっております。ネックシェイプも人気の高いレギュラー（ナット幅約43mm）のやや薄手のプロフィールにて、非常に高いプレイアビリティを感じさせます。指板には色濃いダークなコントラストにハッキリとした黒の杢目がしっかりと確認出来る上質な材に、豪華なダブルパラレログラムインレイが施されております。その他としては5Pのブラックピックガード、ローズウッドブリッジ台座、指板インレイ同様のパラレログラムモチーフが入ったテイルピース、ヘッドストックのブランドロゴ＆クラウンインレイ、ゴールドノブ、ボディ内のスクエアラベル、ネックボリュート有り、ヘッド裏にはモデル名＆MADE IN USAと併せて1977年製を示す”06”からのシリアルが入れられております。

そして気になるサウンドですが、半世紀に迫る歳月は伊達じゃないと言わんべく、極上のヴィンテージサウンドを掻き鳴らします。まず生鳴りからいって近年のリイシューモデルでは絶対に出せない個体鳴りを誇り、熟成された極上材の良さを十二分に堪能出来る枯れたトーンが感じられます。ピックアップはオリジナルの刻印ナンバードPAFを搭載。まさに王道のヴィンテージギブソンサウンドと呼ぶに相応しい素晴らしいトーンを持ち、力強いローミッドに甘く広がる倍音感、フルアコながらもレスポンスの高くエッジ感のある音色。そして艶めいたきらびやかな枯れたトーンは時間を忘れさせてくれる最高の一本です。特にジャズ系にはこの上なくマッチしたサウンドキャラクターで、美しく煌びやかな高音域、倍音成分を多く含むコシのある中域、全体をまとめあげながら空気中に溶けていくような低域を持ち、ストロークで弾いた際のコード感、そして独特のフィードバック感はヴィンテージの良さを再認識させられます。

最後に状態としては、全体的に細かなスレやスクラッチ、打痕等が見受けられるものの、48年前の製作品とは思えない極上美品コンディションをキープ。塗装のツヤ感もシッカリと残っており特別なブロンドカラーだからこそ、キレイな状態をキープしている点は嬉しいポイントです。パーツ交換・リペア歴としては、フレット交換（オリジナルより若干太目、背の低いタイプ）、ペグ交換（1990年代頃のグローバー・ロトマティック）、ブリッジ交換（ナッシュビルタイプ）、ボリュームポット×1（CTS 1979年製）、リペア歴としては、ペグ交換の際の穴埋めリペア、ブリッジ台座の固定ピン跡が確認出来ますが、その他のパーツは全てオリジナルにて、ありがちなネック折れリペア等もなく、オリジナル性は高くなっております。演奏面としてはネックに若干のよじれ（1弦側ストレート、6弦側に僅かに反り）が見受けられ、フレット自体が低くなっていることもあり、強くピッキングした際には僅かにビビリが出る箇所がございますが、一般的な演奏には支障は感じられません。電装関係に関してはオリジナルＰＵからの出力減衰もなく目立ったガリ等の問題もございません。トラスロッドに関しては90度の可動域は確認させて頂いておりますが、締め方向にかなり固くなっております。付属のケースは年式にマッチしたオリジナルハードケースとなりますが、取っ手欠損をはじめとした一部破損が見受けられます。

ジャズギタリスト達を筆頭にブルース、ロックと幅広いジャンルで活躍するES-175モデル。1970年代のヴィンテージに関しては、1974年までのノーリンエラ期は3桁オーバー当然、1975年以降も特に近年凄まじい高騰を続けており、通常のサンバーストでも70万円オーバー、ブロンドに関しては国内・海外共に販売個体がございませんが、仮に今の市場で出てくれば、状態良い物で3桁を超える可能性もございます。今回の一本に関しては非常にキレイなコンディションをキープしておりますが、上述の通り若干のパーツ交換と、ネック＆トラスの状態に多少なりと懸念材料があります事から、適正価格としては65～70万円前後になるかと予想されます。ただこちら前所有者様から多大なるご厚意を頂き、この年代としてはあり得ない、ピックアップ交換やネック折れ修復歴がある個体の相場感とも変わらない破格特価にてご案内させて頂く事となりました。人気の高いES-175DNモデルということもあり、今後も更なる高騰が予想されますので、お探しだった方はもちろん、お気になりました方は、二度と無いこの大チャンスをお見逃しなく。