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伝説のロックバンド”DEAD END”のギタリストとして、プロアマ問わず多くのギタリスト達に多大な影響を与えてきた足立”YOU” 祐二氏。1980年16歳にして音楽活動を始め、その類い稀なるテクニックとトーン、流麗なメロディック・センスで数多の人を魅了し、1986年からは伝説のバンドとなるDEAD ENDにギタリストとして参加、またメジャーデビュー後のアルバム以降の発表曲の殆どを作曲したメイン・コンポーザーとして活躍します。その活動はサポートミュージシャンとしてギター以外にもヴォーカルやドラムを担当するなど多岐に渡り、2005年にはソロアルバムをリリース、2009年にはDEAD ENDを再結成します。究極の一音を追求し、厳選した音を紡ぎ出す演奏スタイルは音楽業界、特にHR/HM界に大きな影響を与えてきました。そんな日本のロック業界を牽引するトップアーティストである足立氏ですが、2020年6月19日、多くのファンやアーティスト達に惜しまれつつ敗血症のため亡くなってしまいました。

その足立氏の愛用ギターと言えば、FCGSの“YOU”モデル、FERNANDESのNTG-YOUモデルが挙げられますが、今回ご紹介させて頂くのはFCGSの”YOU”モデルの中でもソロ活動時より愛用されてきた歴史の深いType-ⅠのDakota Redカラーのストラトモデル。当時数える程の極めて少数しか製作されなかった稀少なモデルとなりますが、こちらはファーストオーナー様が当時新品で購入後、現在に至るまで大切に弾かれてきた希少なコレクタブルアイテム。新品時より変更・リペア歴の無いハンダバージンのフルオリジナルに加えて、18年前の一本ながら非常にキレイな状態をキープした極上美品コンディションの一本になります。

まずそのスペックとしては、ボディ材には軽量なライトアッシュを採用。激薄のニトロセルロースラッカー仕上げにより下の杢目も確認出来ますが、均整にビッシリと入った導管と美しい柾目の木取り、重量も約3.18kgと非常に軽量な仕上がりとなっております。フィニッシュカラーは鮮やかながらも奥行きのある色合いを持つダコタレッドにてフィニッシュ。続いてネックにはギラっと覗かせるフィギュアドや硬質材の証でもあるフレックラインの入った極上のメイプル材を1Pにて採用。ウッドマテリアルだけで言えば1950年代の最初期ストラトを意識した内容となりますが、ここに実戦的なモダンスペックが盛り込まれます。まず一番特徴的な部分としてはフレットはステンレススティール・ミディアムジャンボサイズの”23F”仕様となっておりますが、こちらは24F仕様にしてしまうと構造上、ピックアップのマウント位置が変わってしまうのを懸念した足立氏による拘りの内容です。ピックガードは8点留めのミントグリーンガード、スモールヘッドスタイルに円盤型ストリングガイド、ヴィンテージスタイルチューナー、ウィルキンソン・シンクロトレモロ、4点留めプレートジョイントのボルトオン、トラスロッドアジャストはヘッド側と、トラディッショナルとモダンが融合したスペックが見受けられます。その他としてはブラックドットマーカー、ヘッドにはブランドロゴ、舟形ジャック、ゴールドハードウェア、アイボリーパーツ、ヘッド裏にはシリアルと併せて足立氏直筆のサイン、付属のWarranty Cardにも直筆サインが入れられております。

そしてその気になるサウンドですが、前ファーストオーナー様がコレクション目的にて購入したものの、つい時間を忘れて弾き込んでしまったというのが顕著に分かる、ファンでなくとも魅了されてしまう極上のストラトサウンドを掻き鳴らします。まず生鳴りだけでも驚かされる激鳴りの個体にて、ヴィンテージストラトにも共通する一体感と抜けの良さが感じられます。弦はデフォルトで09-46と低音弦側が太目のセッティングとなっている点も、軽量なアッシュボディの性質に非常に良くマッチしております。ピックアップにはフロントにDimarzio DP402、センターにVoodoo 50’s、リアにDimarzio403を搭載。一言で言えば1950年代と1960年代のストラトサウンドの良い所を集約し、更に実戦的なサウンドクオリティを持っております。クリーン時にはヴィンテージライクな倍音感のある煌びやかで芯の太いトーンを、ゲイン時には歪に負けない切れ味の良い輪郭を持ち最高のドライブサウンドをアウトプットします。またコントロールは1Vol、1Tone、5wayセレクターと王道のレイアウトながら、どのポジションでもハイエンドさを感じさせる高いクオリティを持ちます。もちろんエフェクター類との相性も抜群で、まさに究極の一音を追求する足立氏の拘りを感じさせるワンランク上の一本となっております。

最後に状態としては、上述の通りファーストオーナー様が現在に至るまで弾き込まれてはきたものの、大切にされてきた事が伺える状態にて、ピックガード上には広範囲にピッキングスクラッチが見受けられるものの、ありがちなバックルスクラッチ等のダメージはなく、それ以外にも目立ったダメージと言えばボディサイドに米粒大の塗装チップがあるだけで、金属パーツは経年による僅かなくすみがございますが、他は年式を全く感じさせない非常にキレイな状態をキープしております。塗装チップが無ければニアミントと呼べる極上美品コンディションです（塗装チップについては、FCGSにて2～3万円で補修リペア可能との事です）。演奏面としてもネックコンディションは良好でトラスロッドの余裕もシッカリと残っており、フレットはステンレスという事もあり殆ど減りは見受けられません。パーツ類に関しては新品時より変更・リペア歴の無いハンダバージンのフルオリジナルにて、電装関係の不具合もございません。付属品も本人直筆サインの入ったWarranty Cardや専用工具、バックパネル（本体側に取り付け穴は無し）等の新品時の付属品が揃っております（画像参照）。もちろんケースもオリジナルのSKB製ハードケースが付属致します。

FCGSブランドの足立氏のシグネイチャーモデルに関しては、その後Type-ⅡやType-Ⅲがラインナップされましたが、どのモデルに関しても市場流通数は極めて少なく、ファンが血眼になって探すレアアイテムとなっております。特にType-Ⅰモデルに関しては過去の販売歴が無いどころか、所有している方のブログすらも殆ど見つからず、生産数はおそらく数本のみかと推察されます。相場こそ無いものの、そのプレミア価値を考慮すれば50万円オーバーは当然となる本機ですが、今回こちら前ファーストオーナー様より、是非ファンの方に手にして頂きたいという主旨もあり、非常にお値打ちな特別価格にてご案内させて頂く事となりました。足立氏が亡くなってしまったこともあり今後製作されることも無く、この機会を逃せば二度と手に入らないと言っても過言では無いコレクタブルアイテムとなっておりますので、お探しだった方は絶対にこの大チャンスをお見逃しなく。