商品の説明

言わずとしれたFender社のフラッグシップモデル、”ストラトキャスター” 1954年の発表から現在に至る60余年の間、非常に多くのミュージシャン、ギタリストに愛用され続け、もはやエレキギターの代名詞とも言えるモデルと言っても過言ではありません。

Fender社の上位ラインであるカスタムショップから特に優秀なクラフトマンのみで製作されるTBC（チームビルドカスタム）シリーズ。今回ご紹介させて頂く一本はFender Custom Shopの30周年を2017年のNAMMショーにて祝う為に製作された言葉の通り特別なストラトキャスター。Custom Shop 2017 NAMM Limited Editionシリーズについては、もちろん限定製作のリミテッドエディションとなりますが、僅かな限定期間中にオーダーを受けた本数のみ製作されるシリーズとなり、計9本がラインナップされました。その中でもモデル名に唯一”SPECIAL”の名を冠したのが、こちらの2017 LTD "64 SPECIAL" STRATOCASTER – RELICモデル。『Color Over Color』と名付けられた所謂マルチレイヤー仕様、歴史を紡ぐヴィンテージスペックを踏襲しながらも、ヴィンテージではウルトラレアとなる特別なスペック、ハンドワウンドPU＆Greasebucket 回路、ヘヴィーレリック等々、まさにモデル名の通りスペシャルな他には無い唯一無二の一本。更にこちらは当時の正規代理店となる山野楽器のオーダー品かつ、ファーストオーナー様が大切にされてきた、極上ニアミントコンディションをキープした、歴史的にも非常に価値のあるコレクタブルアイテムとなります。

まずそのスペックですが、ベースとなるのはCBS買収前となる1963-1964年頃のストラトキャスターを基準とし、まず採用材は全て厳選されたCustom Shopの中でも一流となる材を使用。ボディにはハンドセレクトされた2Pのアルダーボディ、薄っすらとフィギュアドが浮かぶAAグレードのクォーターソーン（柾目取り）メイプル、そして通常1963-1964モデルと言えばラウンド貼りのローズ指板となる中、こちらはウルトラレアな貼りメイプル仕様。更にはこちらの指板材自体が元々ネックと同じ材から切り出されてラミネイトされている為、間近で見てもその継ぎ目が分からないほど精巧に仕上げられております。そして唯一無二となる特別なフィニッシュワークとしては、ベースには美しいグリッターラメの入ったゴールドスパークルカラーを、そしてその上にはクラプトンのゴールドリーフモデルの発色にも似たアズテックゴールドカラーをマルチレイヤーペイント。こちらはニトロセルロースラッカーの薄い仕上げにてサウンドへの恩恵もシッカリと考えられております。またこちらはレリック仕様となっておりますが、実際に何十年も弾き込まれてきた個体を意識したリアルなエイジドワークにて、全身にビッシリと入ったウェザーチェックに始まり、エルボーコンター部やタミーコンター部を主に下地のゴールドスパークルを覗かせるヘヴィーレリック仕上げ。ボディだけでなくネックに関しても激渋のライトスキャロップド加工やネック裏の使用頻度が高い部分の塗装が剥がれたヴィンテージを意識したレリックワークは非常に秀逸で、併せて塗装の無い部分はサテン仕上げのようなスムースな手触りで見た目だけでなく演奏面も考慮されております。その他としては、ネックシェイプは適度な厚み（.810“-.965“）にて素晴らしい音抜けと高い演奏性を併せ持つ1963”C”プロフィール、指板ラディアスは9.5”R、11点留め白黒白のパーチメントピックガード、SANKO 6105サイズの21F、ミカルタ・ブラックドットマーカー、ボーンナット41.9mm幅、スモールヘッドにスパゲティロゴ、シングルライン＆FENDER刻印のクルーソンチューナー、アメリカンヴィンテージスタイルFENDER PAT.PEND刻印サドルのシンクロトレモロ、ヘッド裏にはFender Custom Shopデカールと併せて1987 2017 30th Anniversaryの文字が、ジョイントプレートにはシリアル＆Fender Custom Shopのエングラブドと併せてLIMITED EDITIONと刻印されております。

この豪華かつ特別な見た目に圧倒されてしまいますが、サウンド面が本モデルの一番の特筆ポイントだったのかと思わせる素晴らしいサウンドを放ちます。まず厳選材かつ高い技術で組み込まれた個体を伺わせる激鳴りの生鳴りはヴィンテージを彷彿させる響き、音抜けが感じられます。ピックアップにはCustom Shop 製のハンドワウンドピックアップ ‘64 Single Coil Strato×3（ミドルはRWRP）が搭載され、ヴィンテージトーンを忠実に再現しながらも、更にそれを底上げしたと感じさせる素晴らしいサウンドをアウトプットします。貼りメイプル仕様とする事で、通常のローズ指板モデルと比較しても明らかに音の煌びやかさレベルが段違いで、クリーン時にはクリスタルの様な軽快で澄み渡ったクリアさを、ドライブ時にはジャリっと固くエッジ感の聞いたトーンで、サウンドキャラクターとしてはジミヘンサウンドに味わいを持たせたジャズやブルースにも対応する素晴らしいサウンドです。また繊細なタッチもシッカリと拾い上げるサウンドレスポンスと早い立ち上がりを魅せ、カントリーやブルースのようなルーツミュージックから、ハードロックやメタルまで幅広いジャンルで活躍してくれる一本です。また搭載されたGreasebucket Tone Circuitは、トーンを絞っていく際に、中低音域を強調しすぎて音がぼやけて不明瞭になるのを防ぎながら高音域をロールオフする事で、トーンが濁ることなく、煌びやかなクリーントーンと極上のオーバードライブサウンドを両立します。

最後に状態としては、ヘヴィーレリック仕様という事もあり正確な判断こそ難しいものの、明らかに後付けと思われるダメージはなく、前ファーストオーナー様がコレクションとして大切にされてきた為、店頭販売時の試奏以外には演奏時間はトータルで数時間程度と、非常に良好なコンディションをキープ。神経質に見渡せばピックガードにピッキングのスレ、フレットに僅かな減りがありますがそれでも9部山程、ネックコンディションは良好でトラスロッドの余裕もシッカリと残っており、7年前の製作品という事を加味すればニアミントと呼ぶに相応しい極上美品コンディションとなっております。付属品類についても認定書や山野楽器スタンプの入ったワランティを始めとする新品時の一式が揃っており、オリジナルのハードケースは取手に出荷時の緩衝材が巻かれたままとなっております。