商品の説明

その前身は1800年代から続き、Fender社・Gibson社を遥かに凌ぐ長い歴史を誇るEpiphone社。ワウペダルや電子チューナー等の開発など、楽器業界に革新的な功績を残してきました。今も尚高い人気を誇るEpiphone社ですが、その人気の立役者となるのはやはり世界的モンスターバンド”Beatles”のメンバーたちがこぞって愛用した事が一番の理由になるかと思われます。それもあって長い歴史を持つEpiphoneブランドとして多くのモデルがラインナップされてきた中、今も昔も変わらぬ最も高い人気を誇るモデルと言えば誰しもが口をそろえて”Casino”モデルを挙げるでしょう。

Epiphoneブランドは1957年にはGibson社に経営権が移り、既存のGibsonのモデルのローエンド・バージョンとして位置付けられ、当時Gibson社から販売されていたES-330モデルが330ドルであったのに対し、E-230（Casino）モデルは230ドルで販売されていました。その後1958年7月のNAMMショーにて、仕切り直しのかたちで大きく披露され、そこにはセカンドブランドという意味ではなく、経営権は同じ会社ながら別のアイデンディティを持った2つのブランドとして確立していきます。そして1964年にイギリスのブルース・ロック・ブームを牽引してきたジョン・メイオールに勧められ、ポール・マッカートニーがビートルズとして初めてのCasinoを入手する事となります。続いてその素晴らしいサウンドに魅せられたジョージハリスンが1965年にCasinoを入手、続いて1966年にジョンレノンが入手し、ビートルズの代名詞となるギターとしてその名を世界に知らしめます。

今回ご紹介させて頂くのは、ジョンレノンが愛用し、数あるCasinoの中でも最も人気が高く、多くのリイシューモデルでも有名なジョンのトレードマークとなる1965年製 E-230TD Casino。同じ1965年製でも様々なスペックが存在する中、今回の一本に関しては、採用されたパーツ＆仕様も全て本人同様、加えてボディシェイプ、ネックシェイプ、トラピーズテイルピースの形状まで全てが本人ドンズバとなる、コアなファンには堪らないコレクタブルアイテム。更にはパーツ類の全てが当時から変更無しのハンダバージン＆フルオリジナルに加え、まるでタイムマシンで当時から持ってきたかのような59年の歳月を完全に無視しているミントコンディションをキープした奇跡のコレクタブルアイテム。ヴィンテージファンの中でも有名なVintage Maniacsのサイトにも掲載された特別な一本になります。

まずそのスペックとしては、アーチド＆シンスタイル＆ダブルカッタウェイのボディにはオリジナルヴィンテージらではの良質なメイプルが採用され、角度によって様々な貌を魅せるフィギュアドライクなギラつきを持った素晴らしい材となっております。そしてフィニッシュカラーは同年代でありがちなフラットカラーのロイヤルタンではなく、ジョンの個体同様となるサンバースト。経年によるフェイドはヴィンテージならではの激渋の雰囲気を持っております。ボディシェイプ自体も本人所有機とほぼ同じと言えるくびれ＆シェイピングとファン泣かせのルックスとなっております。総重量が約2.81kgと軽量個体という点も良質材の恩恵を受けております。続いてネックにもこの時期ならではの非常に良質なマホガニーを採用し、指板には赤茶の色合いと黒の色合いが混在する素晴らしいローズウッドが採用されております。その他の特徴としては、ロングヘッド、17度ヘッド角、ナイロンサドル＆ワイヤードのABR-1ブリッジ、シングル・パラレログラムインレイ、ダブルラインのクルーソンデラックスにメタルボタン、メタルリフレクショントップノブ、ニッケルカバーのドッグイヤーP-90、Eロゴの入ったトラスロッドカバー等が挙げられます。またオリジナルのクロムメッキ・トラピーズテイルピースですが、こちらも本人同様となる僅かにカーブがかかった形状となっており、リイシューでは再現が難しいこちらの部分もドンズバ仕様を求める方にはマストなポイントと言えるでしょう。ネックシェイプもやや細身でナット幅は実測にて約41.2mm（リイシューで再現されているのも1.62”≒41.148）と本人の実機に限りなく近い仕様となっております。

そして気になるサウンドですが、細かなスペックでここまで差が出るのかと驚かされるサウンドまでも本人ドンズバの素晴らしいトーンを奏でてくれます。リイシューモデルと別格なのはもちろんですが、同じ1965年製の個体でもここまで本人サウンドに近いものはまず無いと断言出来る素晴らしい一本です。とてもシンボディとは思えない大きな箱鳴りを持ち、また335やRiviera等のセンターブロックがあるモデルと比べても、明らかに甘さと太さが優れており、これぞビートルズ、これぞジョンレノンのサウンドだと感じさせてくれます。搭載されたピックアップはニッケルカバード・ドッグイヤータイプのP-90にて、コレクションとして大切に保管されてきたせいか、出力の減衰は全く感じられず、踊り弾むような力強い出力感をもちながらも、高音域の耳に痛い音域を抑えたシングルとは思えない素晴らしいトーンです。また約60年の歳月によって鳴り自体に枯れ切ったニュアンスを含み、ビートルズファン/ジョンレノンファンでなくとも感動して頂ける素晴らしいサウンドを持った一本となっております。

極めつけはやはりこのコンディションですが、言葉の通りタイムマシンで当時から持ってきたかのような、とても60年近く前のヴィンテージとは思えない奇跡的な状態をキープ。もちろん近年物の新品同様品とは意味合いが異なりますが、ダメージとしても非常に軽微な薄い線スレ、小さく浅い打痕がいくつか見受けられる程度で、金属パーツの状態も良く、年式を考慮すればミントコンディションと呼ぶに相応しい一本です。もちろんパーツ類に関しても全て当時から変更歴の無いハンダバージン＆フルオリジナル。また現状のルックス面を考慮して、プロのリペアショップにてヘッドエッジの塗装チップ部のタッチアップ、また全体的に塗装カラーの退色とウェザーチェッキングの進行を抑えるためのクリアコートが薄く吹かれており、長く大切にしていくコレクションとして最大限に配慮された一本となっております。演奏面としてはネックコンディションも良好で、トラスロッドの余裕もシッカリと残っており、フレットもオリジナルにて充分な高さが残っており、もちろん電装関係の不具合もございません。ケースもオリジナルハードケースが付属致します。