商品の説明

1952年からという深い歴史があり、エレキギターという大きなジャンルの代名詞でありGibson社のフラッグシップモデルである”Les Paul”モデル。しかし販売当時は高い定価と重いボディに今のような人気が無く、1961年の初期にSGシェイプへとモデルチェンジを致します。その後1968年にはメイプルトップのLes Paul Standardが復刻しますが、人気の高かったSGモデルはそこで生産終了とならず、現在に至るまでラインナップされ続けるロングセラーモデルとなります。

Les Paul Standardモデルの頂点が1959年製に対し、SG Standardの頂点と言えば、ジョージ・ハリスン、エリック・クラプトンの愛用でも知られる1964年製と言っても過言ではありません。その礎となったジョージ・ハリスン愛用の1964年製 SG Standardについては数あるジョージの使用ギターの中でも特に気に入って多用していた後期ビートルズのサウンドには欠かせない一本となりますが、1966年の来日の際にもEpiphone Casino、Rickenbacker 360-12と共にこのSG Standardを持ち込み、同年のRevolverでは、She Said She Said、Doctor Robertなど、同時期のシングルではPaperback WriterやRainのプロモーションビデオでの使用、ライブ活動の休止後もアルバムSgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band、Magical Mystery Tour、The Beatles（White Album）、Yellow Submarine等のレコーディングで活躍し、楽曲で言えば、Lady Madonna、Hey Bulldog、Hey Jude、Revolution、Everybody’s Got Something to Hide Except Me and My Monkey、Sexy Sadieなどで愛用され、The BeatlesではジョンがこのジョージのSGを使った事でも知られます。その後、事実上の解散となる1970年の前年1969年にアップル・レコードからデビューすることになったバッドフィンガーのギタリスト、ピート・ハムに譲り、ピートの没後となる2001年にオハイオ州クリーブランドのロックの殿堂に展示され、2004年にクリスティーズオークションにて、56万7000ドルで落札された伝説のギターになります。また親友のエリック・クラプトンも同様に1964年製のSG Standardを愛用しており、こちらはビートルズの開いたアップルブティックの外壁や、ジョンのロールスロイスをペイントしたアーティストグループであるザ・フールによってサイケデリックにペイントされ、クラプトンSGとして有名なザ・フール・ギターとなり、クリーム時代のクラプトンの代名詞的な存在の一本として多くのミュージックシーンを生み出しました。

今回ご紹介させて頂くのは、そのジョージ・ハリスンが愛用した伝説の一本と全く同じのドンズバスペックとなる1964年製 SG Standard。ジョージの一本が#227666に対し、#242●●●と比較的シリアルも近く、そして何より過去に販売された同じ1964年製の個体の殆どがブラウンのマホガニーカラーとなっている中、こちらは奇跡的にもCherry Redカラーの赤が殆ど退色していない鮮やかなカラーコントラストをキープ。更にはパーツ類は全て当時のオリジナルとなるフルオリジナル＆ハンダバージン、採用されたハカランダも非常に黒々としており、サウンドもPAFを引き継ぐ初期ステッカードナンバードPAFを搭載した驚愕サウンドを放つ極上個体。ヴィンテージファンの中でも有名なVintage Maniacsのサイトにも掲載された特別な一本になります。

まずそのスペックとしては、フラットトップ＆スラブボディのSGシェイプに、1959年から採用されたダブルカッタウェイのホンジュラス・マホガニーボディ。ネックには1Pのホンジュラス・マホガニーに、この時期のヴィンテージの中でも特別と感じさせる黒々としたハカランダを指板材に採用。その他としては、ナローネックへなる前の約42.8mmナット幅のミディアムCシェイプ、17度のヘッドアングル、ブラック＆ホワイトのマルチプライ・スモールブラックガード、マザーオブパールのヘッドロゴ＆クラウンインレイ、Les Paulの文字の入らない2Ｐワイドヴェベル・トラスロッドカバー、ナイロンサドル＆ワイアードのABR-1ブリッジ、メタルプレートトップのハットノブ、2コブ＆シングルラインのクルーソンチューナー、そしてマエストロビブラート搭載と全てが本人ドンズバ仕様となっております。

そして極めつけはサウンドですが、ジョージファン、ビートルズファン、クラプトンファンでなくとも、弾いた瞬間に思わず鳥肌が立ってしまう程の驚愕過ぎる極上のヴィンテージトーンを感じさせてくれます。搭載されたピックアップは伝説のピックアップであるPAFと内容は変わらない初期のスクエアウインドウ・ステッカードナンバードPAF×2が搭載されておりますが、レスポールモデル独特の太く粘りのあるローミッドをシッカリと受け継いでおり、弾き込まれたヴィンテージならではの”こなれた”倍音感は、クリーン～クランチでは味わい深い枯れたサウンドを、ドライブ時には迫力のパンチ力と煌びやかでレスポンスの良いアタック感をお愉しみ頂けます。クリーン～クランチにおけるブルージーなソロパートからドライブ時のジャキっと歯切れの良いロックリフまで幅広いジャンルで活躍してくれる使い勝手の良さは、コレクション性が強いヴィンテージながら、思わず弾く手が止まらなくなってしまう麻薬のようなトーンを持った魅惑的な一本となっております。

最後に状態としては、サウンドが良い個体が故に、全くのデッドストック品という訳ではございませんが、使用感としてはボディバックのスクラッチ、打痕やスレが見受けられるものの、年式の割に非常にキレイな状態をキープしております。パーツ類については、ペグの交換歴（現在オリジナル）、ブリッジサドル×2交換（オリジナル付属）、コントロールノブ交換（オリジナル付属）と、フレット＆ナットを含めフルオリジナル状態となっており、電装関係のハンダは交換歴無しのバージンです。また塗装自体が非常にキレイな状態となっており、何より赤がここまで抜けていない個体は世界市場で見てもまず見つかりません。現状、プロのリペアショップにてルックス面を重視しての塗装チップ部等へのタッチアップ、全体的に塗装カラーの退色とウェザーチェッキングの進行を抑える為に薄くクリアコートが吹かれており、長く大切にしていくコレクションとして最大限に配慮された一本となっております。演奏面としてもネックコンディションは良好でトラスロッドの余裕もシッカリと残っており、フレットもオリジナルながら十分な高さが残っております。付属品としては交換前のオリジナルパーツ、オリジナルのハードケースが付属致します。