商品の説明

Fender社において最も歴史が長く、ソリッド・エレキギターの原点であり、今も昔も多くのミュージシャンに愛用される王道”Telecaster” レギュラースペックだけなく、サンバースト＆バインディングのTelecaster Customや、ハムバッカー×1搭載のCustom Telecaster、ハムバッカー×2搭載のTelecaster Deluxe、 Fホール＆シンボディセミアコ構造のThinlineなど多くのバリュエーションにてラインナップされました。

1970年に発表された、オリジナルハムバッカー搭載のCustom Telecaster。当時の商品名としてはCustom Telecasterが正しいモデル名ですが、モデル名ロゴの文字通りTelecaster Customと呼ばれる方が馴染深いかと思います。今回ご紹介させて頂くのはFender Vintageとして最終年とも言われれる1974年製のTelecaster Custom。人気のローズウッド指板＆サンバースト仕様。同時期のアッシュボディ個体としては4kgオーバーの個体も珍しくない中、こちらは約3.45kgとこの時期の個体としてはずば抜けて軽量な個体かつ、半世紀の間しっかりと弾き込まれてきた事が伺える、激渋のリアルエイジドルックスに強烈過ぎるサウンドを持った、これぞヴィンテージと感じさせる一本になります。

まずそのスペックとしては、ボディ材にはTelecasterモデルの王道となるアッシュ材を採用し3トーンサンバーストにてフィニッシュ。ネックにはヴィンテージならではの良質なメイプルにコントラストの強いダークなローズウッドを採用。メイプル指板仕様と比べても人気の高いローズ指板仕様ですが、こちらはハカランダさながらに”うねる”杢目が特徴的な非常に良質な材となっております。その他スペックとしては、ボディ半分を埋め尽くす特徴的なスタイルの3Pブラックガード、FenderモダンロゴにTELECASTER CUSTOMのモデルロゴ、2パテントに2ストリングガイド、ビュレットトラスロッド、Fキーチューナーに3点留め＆マイクロティルトのFジョイントプレート、3Pの溝無しサドルブリッジ、ナロウドットマーカー、トップが窪んだ形状となるハットノブ等が挙げられます。

そして気になるサウンドとしては、一番の特徴でもあるオリジナルのハムバッカーをフロントに搭載したという点が大きく、本モデルならではのヴィンテージサウンドは他には無い魅力のトーンを味わえます。こちらのピックアップは1960年代後期のハードロックフリークに伴い、当時はGibsonレスポールの重厚なハムサウンドへのニーズが多く、Fender社もそれに対抗すべく、伝説のピックアップ”PAF”の発明者でもあるセス・ラヴァー氏を迎え入れ、Fender製のギターにマッチするオリジナルのハムバッカーとして正式名称『Wide-Range Humbucker』を開発。こちらにはCunife（クニフェ）と呼ばれる特殊な合金をポールピースが採用されており、ポールピース自体が磁力を持っており、現行の復刻物では出せない特有なサウンドを放ちます（現行のモデルでは通常のアルニコやセラミックのマグネットが採用され、構造も異なります）。まさに70年代のロックフリークを象徴するかのような強烈なヴィンテージサウンドが魅力で、フロントピックアップはローノイズかつ図太いファットなトーンながら、サウンドの芯には味わい深いツヤ感を持ちます。繊細なピッキングニュアンスも拾いこむ高いクオリティは、ハムバッカーながらもシングルコイルのニュアンスも残しております。また一転リアに変換すれば、非常に歯切れ良いアタック感溢れる王道のテレキャストーンにて、オリジナルのグレイボビンらしい切れ味はこの年代でしか味わえない唯一無二のサウンドと言って良いでしょう。特に今回の一本に関してはフロント出力時の音像がボヤけることもなく、本当にサウンドの素晴らしい個体となっており同時期の個体の中でも完全に群を抜いております。軽量個体という点も含めて、『サウンドが良いからこそ弾き込まれてきた』というのを肌で感じさせてくれます。コントロールは2Vo、2Tone、3wayセレクターと、幅広いサウンドメイキングはもちろん、スイッチング奏法などのプレイにも対応しており、ヴィンテージテレキャスターの中でも特徴のあるフレキシブルな部分も本モデルの魅力のひとつかと思います。

最後に状態としては、見た瞬間に分かる半世紀の間シッカリと弾き込まれてきたリアルエイジドコンディションにて、これをダメージと捉えるよりも、ヴィンテージらしい激渋のルックスとだと感じさせてくれます。またプレイヤーズコンディションながらオリジナル度は高く、消耗品となるフレット、ナット、ポット（デイトが見えるものは1978年）、コンデンサの交換がございますが、その他ピックガードやノブ等のプラスティックパーツ、ブリッジやペグ等のハードウェアは全て当時のままのオリジナルにて、もちろんピックアップもフロント・リア共にオリジナルとなっております。ネック裏は自然な感じで塗装が剥がされておりサテン仕上げの様な演奏性の高いスムーズな手触りです。またその際にネック裏のみ薄くクリアが吹かれております。演奏面としてのネックコンディションは良好でトラスロッドの余裕もシッカリと残っております。またケースもオリジナルのテールロゴのブラックトーレックスケースが付属し、こちらは取手もオリジナルにてラッチや留め金具の破損もございません。

昨今の楽器業界全体の高騰もあり、1950年代、1960年代に続き、Fender Vintageとしての一つの境目となる1974年までの個体も年々高騰を続けております。同年代の相場感としては、状態良くオリジナル度も高いローズ指板スペックで100万円前後、メイプル指板スペックにて80万円前後となります。今回の一本につきましては、ガッツリと弾き込まれてきたプレイヤーズコンディションながら、ピックアップ等の主要パーツはオリジナルをキープしており、ありがちなペグ交換等の木部加工を含むリペア歴もありません。また何よりこの時期のモデルでアッシュボディであるにも関わらず約3.45kgと非常に軽量な個体という点に大きなプラスポイントとなります。それらを加味した上での適正金額は60～70万円前後になるかと予想されますが、今回こちら前所有者様からのご厚意もあり、是非サウンドに拘るプレイヤーの方に手にして頂きたく、相場を大きく下回るどころか1970年代中期～1980年代初頭の相場と変わらない破格特価にてご案内させて頂く事となりました。まず今後この価格帯で入手する事は難しいと思われます為、かなり早期の売約が予想されます。お探しだった方はもちろん、お気になりました方は絶対にこの大チャンスをお見逃しなく。