デジマート・マガジン > 特集 > 新発売!ZOOM G5・デモ演奏 by 菰口 雄矢
ギター・エフェクツ&アンプ・シミュレーターの最新機種

123種類のエフェクト、22種類の定番アンプ・モデルを搭載したZOOMのフラッグシップ・マルチ・エフェクター

ZOOM G5 Guitar Effects & Amp Simulator

 高い品質と優れたコスト・パフォーマンスを誇るZOOMから、ギター・エフェクツ&アンプ・シミュレーターの最新機種「G5」が発表された。既発の大人気モデル「G3」の優れた音質と機能、そして直感的な操作性を受け継ぎつつ、最新テクノロジーを投入してさらなる進化を遂げたG5。その全貌に迫ってみよう。

ZOOM G5 デモ演奏 by 菰口 雄矢

 まずはG5発表イベントでのデモ演奏で本機のサウンドを堪能してほしい。デモンストレーターは新鋭実力派ギタリスト・菰口 雄矢。G5の特徴である最大9種類のエフェクト/アンプ・モデルの組合せによるサウンドメイクにも注目だ。

デモ演奏・パート1

デモ演奏1曲目で菰口氏がチョイスしたエフェクト/アンプモデルは、Early Reflection(リバーブ)、 FLANG&DELAY(Z-ペダル専用エフェクト。ペダル左でフランジャー、右でディレイ)、Pedal Vx(ワウ。上下方向にアサイン※Z-ペダルon/offスイッチで切り替えて使用)、T Scream(オーバードライブ)、そしてアンプモデルのTW ROCK

デモ演奏・パート2

デモ演奏2曲目ではクリーン/クランチ/ディストーションのセッティングを曲中で使い分けている。

【クリーン】

STEREO DELAY(ディレイ)、Rack Comp(コンプレッサー)、Stereo Cho(コーラス)、そしてアンプ・モデルはFD COMBO

【クランチ】

HD Reverb(リバーブ)、STEREO DELAY(ディレイ)、TREM&PHASER(Z-ペダル専用エフェクト。ペダル左でトレモロ、右でフェイザー)、アンプモデルはMS 1959をチョイス。

【ディストーション】

こちらは3種類。FLANG&DELAY(Z-ペダル専用エフェクト。ペダル左でフランジャー、右でディレイ)、ROOM(リバーブ)、アンプモデルはBG DRIVE

最大9タイプのエフェクト/アンプモデルを同時使用可能&充実のモデリング

発表されたZOOMのギター・エフェクツ&アンプ・シミュレーターの最新機種「G5」

 内蔵されたエフェクトは123種類、アンプ・モデリングは22種類。それらの中から、最大で9種類を同時使用可能だ。LCDは4つだが、左右にスクロールさせることで表示を切り替えられる。スクロール操作はフットスイッチでも可能で、デジタルエフェクトの操作というよりも、ペダルボードに並んだストンプを踏む感覚に近い。

 モデリングされたエフェクトは定番ストンプからラックタイプまで網羅し、あらゆる音楽ジャンルをカバーできそうなほどのラインナップだ。ネーミングから元のモデルを想像できるので、求めるサウンドをすぐに見つけることができるだろう。ツマミによるアナログ感覚の操作はわかりやすく、きめの細かいサウンドメイクを直感的に行える。また、エフェクトをつなぐ順番も自在に設定できるので、かなり細かいところまで音色を作り込むことも可能だ。

LCDは4つだが、左右にスクロールさせることで最大9種類のエフェクト表示の切り替えが可能。

 最大9種の同時使用で音色の幅をグッと広げられるのはもちろんのこと、例えばディレイのみ5機種連結するなどの極端なセッティングで、誰も聴いたことのないような飛び道具的サウンドも狙える。組み合わせとセッティング次第で限りなく自由に音をデザインできるので、プレイヤーは創造性を多いに刺激されるだろう。セッティングがオートセーブされる機能もうれしい。

 それら充実のエフェクトに加えて、アンプ・モデリングも定番モデルからビンテージ、ブティック系まで、ラインナップの幅は広い。ヘッドとキャビネットの組み合わせも自由自在なので、こだわりのセッティングが楽しめる。

 モデリングサウンドの心臓部には「ZFX-IV」を搭載。これはG3にも搭載されて既に高い評価を得ているDSPチップで、真空管アンプ特有の倍音や滑らかなクリッピング、そしてピッキングへの追従性などを極めてリアルに再現してくれる。クランチの図太さも真空管ライクで心地よい。 さらに、国内外の有名アーティストによるプリセットパッチも見逃せないポイントだ。好みのアーティストのサウンドを元にカスタマイズを施せば、求める音色への近道となるだろう。

上下左右に可動、独創のZ-ペダル

上下左右の動きで多彩なエフェクト演出が可能なZ-ペダル。

 通常の上下方向の動きに留まらず左右方向にも機能を拡げた新感覚3Dアクション、それがZ-ペダルだ。足もとでの体感的なコントロールを獲得したことでエフェクト演出の幅が広がり、独創的なサウンドメイクを実現してくれる。また、Z-ペダル専用のエフェクトも内蔵されており、使い方次第でユニークなサウンドを創出できそうだ。

12AX7真空管を搭載したチューブ・ブースター

フットスイッチでON/OFF切り替えが可能なチューブ・ブースターを搭載。

 ギター・アンプに用いられる真空管としてポピュラーな12AX7を使用するチューブ・ブースターはエフェクトの最終段でかかり、最大16dbまでパワフルにゲインアップしてくれる。プラグインした外部アンプにチューブのニュアンスが加わるのはもちろんのこと、ライン使用時に本物のチューブの質感をプラスできるのは大きなポイントだ。フットスイッチでON/OFF切り替えが可能、ON時にはトーン・コントロールも機能する。本物の真空管なので、チューブ・プリアンプ的に使ってみるのも良いだろう。

シンプル&充実のオーディオインターフェイス

 USBケーブル1本でPCにダイレクト録音が可能。プラグインソフトを使わずとも内蔵エフェクトだけで環境を整えられる、この手軽さは大きな魅力だ。さらに、無償バンドルのsteinberg社「Cubase LE」を使用すれば、購入したその日から最大48トラックの高クオリティな音楽制作が楽しめる。また、無償でダウンロードできるソフト「Edit&Share」を使うと、PC側からG5のプリセット設定等のコントロールも可能になる。さらには最大60秒の録音が可能なルーパー機能も搭載。40種類のリズムパターンを収録したリズムマシンと同期させれば、ギター1本だけで分厚いアンサンブルを構成できそうだ。また、DIとして機能するXLRバランス出力など、アウトプット端子も充実している。

USBケーブル1本でPCにダイレクト録音が可能。

最大48トラックの高クオリティな音楽制作が可能なsteinberg社「Cubase LE」を無償バンドル。

スペック:ZOOM G5

●エフェクトタイプ:145●同時使用エフェクト:9●パッチユーザーエリア:3パッチ×99バンク●サンプリング周波数:44.1kHz●A/D変換:24ビット128倍オーバーサンプリング●D/A変換:24ビット128倍オーバーサンプリング●信号処理:32ビット浮動小数+32ビット固定小数●周波数特性:20Hz〜20kHz +1dB-3dB(10kΩ負荷時)●ディスプレイ:LCD×4●入力:標準フォーンジャック(定格入力レベル -20dBm、入力インピーダンス 1MΩ、ACTIVE/PASSIVE(スイッチ切り替え))●出力:L/R(標準フォーンジャック×2、最大出力レベル:[ライン]+5dBm(出力負荷インピーダンス10kΩ以上時))PHONES端子(標準ステレオフォーンジャック、最大出力レベル:20mW+20mW(32Ω負荷時))バランスアウト(XLRジャック、出力インピーダンス:100Ω(HOT-GND、COLD-GND)、200Ω(HOT-COLD)、PRE/POST(スイッチ切り替え)、GND LIFT(スイッチ切り替え))●コントロール入力:FP02/FS01入力●USB:オーディオインターフェース: 16bit/44.1kHz、対応OS:Windows XP/Vista/7、Mac OS X v10.5/10.6/10.7●電源:DC9V/センターマイナス/500mA(ズーム AD-16)●外形寸法:190(D)× 470(W)× 90(H)mm●重量:3.1kg●オプション:エクスプレッションペダルFP02/フットスイッチFS01
●メーカー希望小売価格:29,400円


プロフィール : 菰口 雄矢

菰口 雄矢

菰口 雄矢 (Yuya Komoguchi)
11歳よりギターを始め、ジャズギターを土野裕司氏に、作・編曲を野呂一生氏に師事しプロとしてのキャリアをスタート。『ULTRASEVEN X』のサウンド・トラック制作。"KENSO" "野獣王国″のドラマー小森啓資、"PRISM"のベーシスト岡田治郎と共に"TRI-Offensive"結成。2009年6月アルバム「TRI-Offensive」でデビュー。村上ポンタ秀一の新ユニット、今沢カゲロウグループ、矢吹卓ユニット、T-SQUARE坂東慧によるBandoh Band、 元カシオペアの櫻井哲夫グループ等、様々な活動を展開。2011年ハイパーテクニカルフュージョンバンドTRIXに加入、アルバム「IMPACT」を発表。