　9月13日、ヤマハミュージックジャパン新製品内覧会にて、エレキベースの最新シリーズTRBXと合わせて発表されたのが、ステージ・ピアノの定番モデルであるヤマハのCP。“バンドで使うピアノ＝CP”のアイデンティティを受け継ぎ、ステージ・ピアノとして求められるリアリティを徹底的に追求した最新モデルが、今回発表されたCP4 STAGE、CP40 STAGEの2機種である。

　音源方式にはSCM＋AWM2を採用し、音色数はCP4で433、CP40で297となる。特徴としてまず挙げたいのは高品位なピアノ音色を内蔵している点で、CP4は同社のコンサート・グランド・ピアノのフラッグシップでもあるCFXをサンプリングするほか、グランド・ピアノのCFIIISやS6などを内蔵（CP40はCFIIISのみ）。特にCFXは低音から高音までつながりの良い印象で、フルコンならではのワイドレンジなサウンドだ。低域に特徴のあるCFIIIS、中域が印象的なS6もそれらのニュアンスを見事に表現している。その一方、エレピ系音源も充実しており、CP75やCP80、DX7、Rd I、Rd II、Wrなどは年代別の音源を搭載し、当時組み合わせて使用されていたエフェクターを回路素子レベルでシミュレートした「VCMエフェクト」により、名機のサウンドを完全に再現している。

▲ピアノとしてのリアリティーを追求したCP4 STAGEは木製象牙調のNW-GH鍵盤を採用。鍵盤の押し込み感や跳ね返りなどを可能な限りグランド・ピアノに近づけている。

▲CP40 STAGE。コントロール・パネルは写真手前側が音色のバンクを選択するボタンで、レイヤー・スプリットやEQ操作を司る操作子となる。必要最低限の操作でまかなえるシンプルなユーザーインターフェースが特徴だ。

　演奏面での追求に関しては、CP4はNW-GH鍵盤を採用し、白鍵盤に無垢材を使用。低音鍵は重くて高音鍵は軽いというグランド・ピアノのタッチを忠実に表現している（CP40 はGH鍵盤を採用）。また、ユーザーインターフェース部分もシンプルに操作できるように工夫され、音色を選びやすいカテゴリー・ボタンやスプリット・レイヤーなどのサウンドを調整するスライダー状の操作子を搭載。演奏に集中しやすいレイアウトもプレイヤーにとっては嬉しいポイント。また、プリセットの音色を調節するために5バンド仕様のマスター・イコライザーを装備している（CP40は3バンド）。加えて軽量化されたボディ設計も見逃せない。木製鍵盤を使用しながらも軽量化を実現させ、その重量はCP4で17.5㎏、CP40で16.3kgと可搬性にも優れている。

　内覧会では一通りの製品説明が終わると、キーボーディストの久米大作が登場し、CFX、CFIIIS、S6のピアノの音色についてのインプレッションへと移る。CFXについては「グランドピアノのような全体の箱鳴りがあり非常に弾きやすい」と、また独自の鍵盤タッチについても「演奏にちゃんと付いてきてくれる印象があった」と語っていた。一連のサウンド解説が終了すると、トリオ編成でのバンド・パフォーマンスを披露。メロウなフュージョンとビートの効いたジャズ・ファンクの２曲を演奏し、エレピからパッドをレイヤーした壮大な音色までを展開。ライブにおけるCP40 STAGEのパフォーマンス能力の高さを遺憾なく発揮していた。

YAMAHA
CP STAGEシリーズ

[SPECIFICATIONS]
【CP4 STAGE、CP40 STAGE共通部分】
■音源方式：SCM＋AWM2 ■鍵盤：88鍵（CP4／NW-GH、CP40／GH）音色数：433（CP4）／297（CP40）■最大同時発音数：128音 ■パフォーマンス：ユーザー＝128 ■リバーブ：11タイプ、コーラス：9タイプ（46プリセット）、インサーション・エフェクト：62タイプ（226プリセット）×2パート ■マスターコンプ：1タイプ（7プリセット）■マスターEQ：5バンド（CP40／3バンド）■接続端子：アウトプット＝L/MONO、R端子（XLR）、ヘッドフォン（TRSフォーン）、L、R各XLRアウト（CP4のみ）、フット・スイッチ＝サステイン、アサイナブル、フット・コントローラー＝2（CP40＝1）、MIDI（IN、OUT）、USB（TO HOST、TO DEVICE）

【CP4 STAGE】
■外形寸法：1,332（W）×161（H）×352（D）mm ■重量：17.5kg

【CP40 STAGE】
■外形寸法：1,332（W）×163（H）×352（D）mm ■重量：16.3kg