LESSON2:アコースティックピアノの選び方
最近のデジタルピアノはかなり本物に近づいていますが、ハンマーで弦を叩く構造ならではの鍵盤のタッチ感、音の広がりや響きは、アコースティックピアノでしか味わえないものです。ピアノ教室などでも、上達するにつれデジタルからアコースティックへの買い替えをおすすめされることも。スペースや環境といった条件が整っていれば、アコースティックピアノを検討してはいかがでしょう。
さて、アコースティックピアノは、2つのタイプがあります。両方ともハンマーで弦を叩く構造は同じですが、内部の弦の張り方に違いがあります。簡単に見ていきましょう。
グランドピアノを家庭や練習用にとコンパクトにしたタイプ。弦が縦に張ってあるため、ハンマーも横から叩く構造です。グランドピアノに比べ、ハンマーが元の位置に戻るスピードが若干遅いため、細かい指の動きなどに限界がありますが、家庭でピアノを楽しむ分には差し支えないでしょう。
ピアノ本来の形で、弦は水平に張っています。アップライトに比べ、弦を叩いたハンマーが元の位置に戻りやすい構造のため、トリル(鍵盤の連打)など細かい表現ができます。また、内部の弦の長さも違うため、音の響き、表現力もぐっと広がります。音大やプロを目指す、本格派さん向け。
アコースティックピアノは、サイズが大きいイメージかもしれませんが、最近では高さや奥行きがぐっと小さくなったコンパクトタイプもよく見かけます。また、アコースティックピアノでありながら、デジタルピアノのように消音機能があるものも。価格帯は新品で30万円台~。決して安くはない買い物ですが、上手にお手入れすれば、何世代にわたって楽しむこともできます。もっとお手頃にアコースティックピアノを手に入れたいなら、中古を選んでもよいかもしれません。
アコースティックピアノは、いわば生き物。木材を中心につくられているため、温度や湿度によってコンディションが変わってきます。また、内部に張られている弦は、ピアノを弾かなくても自然に伸びるもの。できれば年に1度、調律することがおすすめです。
・鍵盤や塗装面のほこりは、やわらかい布で軽く払いましょう。
・汚れが目立つときは、中性洗剤を薄めて固く絞った布でやさしくふき取りましょう(アルコールが含まれるものは、ひび割れの原因となるため避けましょう)。
・ピアノ用ワックスにも相性があるため、塗装面にワックスを使うときは、事前に販売店などに相談を。