いち早く新しいアブソルート・シリーズを愛用しているT-SQUAREの坂東慧と、来日時のドラム・クリニックで
新しいアブソルート・シリーズを試したデイヴ・ウェックルの2人にご登場いただき、その魅力について語ってもらった。
取材協力:池部楽器店ドラムステーションリボレ秋葉原 / 写真:佐藤哲郎
---新しいアブソルート・シリーズを試すのは、今回が初めてだそうですが、実際に叩いてみた感触はいかがですか?
今、自分はPHXを使用しているけど、このシリーズはそのPHXの技術をたくさん応用することでさらに良いドラム・セットとして生まれ変わったね。実際叩くのは、今回のクリニックが初めてだったけど、すぐに良い音が出たよ!!
---アブソルート・シリーズに搭載された、新しい機能についてお聞きしたいと思います。まずYESS II-mの感想から教えてください。
実は僕は従来のYESSに満足していなかった。もっと良いマウント方法があるのではと思ってね。特に小口径の鳴りを揃えるのが難しかったんだ。PHXを試したときに、(YESS IIでは)それが改善されていることに驚いたんだけど、今回のYESS II-mも縦揺れも少なく、完璧に近いと思うね。
---続いて、ニュー・フック・ラグについてはいかがでしょうか?
実はこのニュー・フック・ラグの開発には結構前から協力していたんだ。もともと以前のヌーヴォー・ラグは脱着の便利さは良いんだけれど、固定タイプのラグと比べると何かロスしている気がしていてね。最終的にPHXに搭載されたものは、随分改善されたどころか、音色まで改善することがわかって非常に満足しているよ。そのPHXと同じラグなんだから、悪いわけはないよね?
写真:菊地英二
ヤマハの方からアブソルート・シリーズが新しくなるという話を聞いて、PHXと同じタイミングで試奏させていただいたんですけど、PHXに負けないインパクトを感じました。ダイナミクス・レンジはもちろん、叩いたときの反応の良さにもビックリしました。特に気に入ったのが深さ20"のキックですね。最初に踏んだときに“これに決めた!”って思いました(笑)。
このセットは、箱から空けてすぐの状態ですでに鳴っていましたね。全体のバランスがすごく良くて、今、リハーサルで使っているんですけど、他メンバーからレコーディングした音みたいだって言われます。以前、同じバーチカスタム・アブソルートのヌーヴォー・ラグ・モデルを使っていたんですけど、それに比べると音量の幅が広いですね。大きな音も出しやすくて、輪郭も以前よりハッキリ出ているように感じます。あと、YESSタ-mの効果で縦揺れがなくなったのも大きいです。打面が捉えやすくなって、安定して鳴らせるようになりました。速いフレーズを叩くときに、特にその効果を感じますね。チューニングに関しては、まだ試している段階なんですけど、かなりレンジは広いです。どの音域でもそれぞれおいしく鳴ってくれるので、アマチュアの方でも使いやすいと思いますね。僕自身は、今までより高めのピッチで使うようにしています。
僕は最初に叩いたドラムがYD-9000だったこともあって、ヤマハのバーチが大好きで、ずっとバーチをメインで使ってきたんですけど、新しいセットは、その中でも別格という印象を受けました。