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- 2024/11/16
ORANGE / ROCKERVERB 100H MKⅢ、DUAL DARK 100
1968年に英国にて産声を上げて以来、図太くもきめ細やかなサウンドと鮮烈なデザインから、多くのギタリストに愛され続けるブランド、オレンジ。同社のアンプは、ジミー・ペイジやビリー・ギボンズ(ZZトップ)らのロック・レジェンドを始め、ジム・ルート(スリップノット)やマストドンなどのモダン&ヘヴィ・ギタリストまで虜にし、その勢力は今なお拡大の一途を辿っている。今回は、そんな時代を超えて愛されるオレンジ・アンプの魅力に今一度迫るべく、原田喧太とJUONの2名にフラッグシップ機を試奏してもらった。相性抜群のふたりによる貴重なセッションとともに、そのインプレッションを聞いてみよう。
オレンジを代表する100Wモデル、ロッカバーブ100 MKⅢ。2CH仕様で、1CHはクリスピーで透明感のあるトーンをアウトプットするクリーン・チャンネル、2CHは典型的ブリティッシュ・クランチから現代的なハイゲイン・トーンまでを叩き出すダーティ・チャンネルとなっている。アッテネーター、出力切り替えを装備し、会場を選ばずドライブ・サウンドを出力できる点も人気の秘密だ。真空管とカスタム・トランスでドライブするリバーブは、美しく音楽的な響きを持つ。分厚く剛性が高いキャビネットにはビンテージ30を4発搭載し、オレンジらしいブリティッシュ・サウンドの構築に一役買っている。[この商品をデジマートで探す]
SPECIFICATIONS
【ROCKERVERB MKⅢ 100】●出力:100、70、50、30W ●チャンネル:2 ●プリ・チューブ:ECC83/12AX7×4、ECC81/12AT7×2 ●パワー・チューブ:EL34×4 ●コントロール:出力バルブ切り替えスイッチ、フル/ハーフ切り替えスイッチ、チャンネル切り替えスイッチ、アッテネーター、リバーブ[CLEAN CHANNEL]ボリューム、ベース、トレブル、[DIRTY CHANNEL]ゲイン、ベース、ミッド、トレブル、ボリューム ●入出力:インプット、スピーカー・アウト×3、センド/リターン[フットスイッチ]アッテネーター、リバーブ、チャンネル ●サイズ:55(W)×27(H)×28(D)cm ●重量:24.75kg
【PPC412】●許容入力:240W(モノラル) ●スピーカー:セレッション Vintage 30×4 ●インピーダンス:16Ω ●サイズ:78(W)x74(H)x37(D)cm ●重量:46.5kg
強烈な歪みがウリの2CHアンプ。CH.Aはクリーンからハイゲインまでをカバー、そしてCH.Bは完全にディストーション・サウンドに特化している。現代的なハイゲインまでカバーするROCKERVERB MKⅢと同等の歪みに加えて、さらに一段深く、より一層きめ細かくなったモダン・ハイゲイン・サウンドを併用できるのはこのアンプの強烈な個性だ。本機もアッテネーター、出力切り替えを装備し、会場の大きさを問わずに強烈な歪みを聴かせることができる。12インチ2発のキャビネットは音のまとまりが良く、中規模程度の会場やレコーディングなどで威力を発揮しそうだ。[この商品をデジマートで探す]
SPECIFICATIONS
【DUAL DARK 100】●出力:100、70、50、30W ●チャンネル:2 ●プリ・チューブ:12AX7×5、12AT7×1 ●パワー・チューブ:EL34×4 ●コントロール:出力バルブ切り替えスイッチ、フル/ハーフ切り替えスイッチ、チャンネル切り替えスイッチ、アッテネーター[CHANNEL A]ボリューム、トレブル、ミドル、ベース、ゲイン[CHANNEL B]ボリューム、シェイプ、ゲイン ●入出力:インプット、スピーカー・アウト×3、センド/リターン[フットスイッチ]アッテネーター、リバーブ、チャンネル ●サイズ:55(W)×27(H)×24(D)cm ●重量:24.0kg
【PPC212】●許容入力:120W(モノラル) ●スピーカー:セレッション Vintage 30×2 ●インピーダンス:16Ω ●サイズ:53(W)x78(H)x38(D)cm ●重量:31.65㎏
ROCKERVERBは
好きとしか言いようがない。──原田喧太
──おふたりのオレンジ・アンプに対する第一印象は?
原田 昔一緒にやったベーシストがオレンジを使っていて、ものすごく良い音を出してたのね。それで、良いアンプだなって思って。でもベース・アンプだけなのかと思っていた(笑)。それが最初の出会い。
JUON 僕は5年前にたまたま出会ったんだけど、とにかくオレンジはマイク乗りがいい! 出音がそのまま録れるアンプって実は少ないから、すごいなと思って。それが第一印象です。
──本日弾いていただいたROCKERVERB MKⅢ 100 & PPC412はいかがでしたか?
原田 これはね……もう、好き(笑)! 好きとしか言いようがない。
JUON 最高だよね! 僕らの血というか、ロックのDNAと合致する! ソロとかを弾いているときに、サステインもアタックも“こう来てほしい”ってとこでちゃんと鳴ってくれるんだよ!
原田 ダーティ・チャンネルは歪みの粒も細くて、弾きやすいし、すごく気持ちがいい音。で、クリーン・チャンネルもまた良くて、クリーンもクランチも良いから、いろんなジャンルで使えると思うよ。
JUON オールジャンルいけるでしょう! EQの効きもめちゃくちゃ良いし、音作りの幅が広いから。それと、オレンジのアンプやキャビって重いんですよ。でも重いのには意味があって、それによってローが安定する。ローが暴れないからレコーディングもスムーズだし。
原田 EQ、効くよね。コントロール・パネルの記号の意味がよくわからないけど(笑)。でも、触ればわかる。このアンプ、本当に好きだな。
DUAL DARKを弾いていると、
楽しくて楽しくてしょうがない!──JUON
──では、DUAL DARK 100&PPC212はいかがでしたか?
原田 これはスゴイね……特にチャンネルBの歪みはヤバイ。
JUON 僕もROCKERVERB推しだったんだけど、弾いてみたらこれも本当に良くて、気持ちが揺れています(笑)。
原田 メタルっぽい音がすごく良いんだけど、JUONが弾いたクランチっぽいカッティングの音も良かった!
JUON あれはゲインを下げてボリュームを上げたんだけど、予想以上に良かったです。
原田 で、歪みの粒がROCKERVERBも細かいんだけど、これはもっと細かい感じ。だからギタリストにとってはものすごく弾きやすいんだよね。
JUON そう! 本当に弾きやすかった! だからもう弾いていて楽しくて楽しくて……十分に歪むんだけど粒立ちが良くて、1番好きな歪み方をするんで弾いていて本当に楽しいアンプです。あとはSHAPEってツマミがヤバい! これを上げるとメタル仕様のドンシャリになっておもしろいから、試してみてほしいなぁ。
──では、2台を弾いてみて感じた“オレンジらしさ”についてはいかがですか?
原田 どちらのアンプも歪みの粒が細かいこと、それとゲインを抑えた時の、いろいろなジャンルで使える幅広さはオレンジならではじゃないかな。ジャジィなプレイからメタルまでいけるってすごいよ。
JUON あとは2台ともアッテネーターが付いているのが良かった! 小さい会場で使うときや、大会場でもステージ上の音は下げておきたい場合でも、しっかり真空管の音を生かしたまま音量を下げられるのはいいよね。
原田 両方ともすごく歪むんだけど、右手のタッチに対する反応がすごく良かったのも共通しているかな。
JUON 2台とも個性はあるんだけど、原田さんと僕、それぞれのプレイにもきちんと反応してくれる素直なところもある。プレイヤーに寄り添ってくれるよね。
──本日は2台弾いていただきましたが、ズバリ、お気に入りは?
原田 うーん、両方とも本当に良いけどROCKERVERB MKⅢかな。とにかくあの歪みの良さと、守備範囲の広さは仕事で使うのに最高ですよ。
JUON 確かに両方いいけど、僕はDUAL DARKかな。ていうか、ふたりで1台ずつ手に入れて、交換して使えばいいんじゃない(笑)。
本記事はリットーミュージック刊『ギター・マガジン 2017年6月号』の特集記事「原田喧太 × JUON meets ORANGE Amps」を先行公開したものです。そちらもご期待ください!
価格:¥340,000 (税別)
価格:¥180,000 (税別)
価格:¥350,000 (税別)
価格:¥135,000 (税別)
原田喧太(はらだ けんた)
1970年3月3日生まれ、東京都出身。1985年、15歳のときに桑名正博のバンドに参加、プロとしての活動を開始する。1989年にParadise Jamを結成し、1994年にソロ・アーティストとしてデビュー。吉川晃司や及川光博、デーモン小暮閣下やASKA、大黒摩季など、数多くの一流アーティストのサポートとして活動を続けている。
JUON(じゅおん)
1985年3月8日生まれ、沖縄県出身。2003年にロック・バンドFUZZY CONTROLを結成し、6枚のフル・アルバムを発表。現在はDREAMS COME TRUEや稲葉浩志のサポート・ワークのほか、今年5月にはダンス・ミュージックの要素を取り入れたソロ・アルバム『CHANGE THE GAME』をリリースするなど、ロックの枠にとらわれない自由なギター・スタイルで活躍中。