PRS GUITARS & AMERICAN VINTAGE GUITAR SHOW 2024
- 2024/09/04
Gibson Acoustic / LG-2 American Eagle
今週はギブソン・アコースティックの人気小型モデル、LG-2 American Eagleを紹介します。2016年、細部を含めてリファインされたこの万人に愛される本器はさらに扱いやすく、かつ広がりのあるグッド・サウンドが特長です。ぜひ動画と記事を合わせてご確認ください。
オリジナルのLG-2は、1940年代初頭にLシリーズの流れを汲むLGシリーズの中の1本として登場しました。LG-1はサンバースト・フィニッシュにラダー・ブレイシング、LG-2はサンバースト・フィニッシュにXブレイシング、LG-3はLG-2のナチュラル・フィニッシュ版というのが当時の仕様です。LG-2は1962年にB-25という型番に変わるまで製作されました。このLG-2やB-25は小型で扱いやすい割に、大型機種譲りのXブレイシングとあって鳴りが良く、今なお各方面のギタリストに人気の高いモデルです。
このLG-2 American Eagleも、シトカ・スプルース・トップにマホガニー・サイド&バック、マホガニー・ネック、ローズウッド指板、そしてXブレイシングを採用した伝統的スタイルです。往年の人気モデルと同様に小型で鳴りも良く、ピックアップを搭載していてすぐにステージで使用できる点も実用的で嬉しいところ。さらにギブソン・アコースティックのラインアップの中では比較的リーズナブルな価格設定となっていることから、気軽に手にとれて本格的に使えるギブソン・ギターとしても人気が高いモデルです。
2016年にはいくつかの仕様変更があり、さらに魅力的なモデルとなりました。チューナーにはミニ・グローバーが採用され、ピックアップもL.R.BaggsのElement VTCにアップグレード。指板のエッジはすぐに手に馴染むように丸く処理され、また新たなオイル処理を施して優れたコンディションとサウンドを維持。ティアドロップのトータス・ピックガード、マルチプライのダブル・リング・ロゼッタがより精悍なルックスを演出し、トラスロッド・カバーには2016の数字が刻まれました。
2016年モデルのLG-2 American Eagleの音質は、スモール・ボディらしいブルージィなものです。澄み切った音が真っ直ぐ前に飛んでいくというよりも、粘りのある音が抱えた腕の中から大きく広がっていくような鳴り方で、弾いていてとても楽しいギターです。もちろんXブレイシングの効用で音量はしっかりとありますし、レンジがうまくまとまっているため、ピックを使ったコード・ストロークでも気持ち良く演奏できます。
プレイアビリティ面でも、実に快適なギターです。やはりこのサイズは日本人の体格に馴染むようで、抱えるとすっぽりと腕の中に収まる感じがたまりません。またネック周りの処理がリファインされ、最初に手にした瞬間から「握りやすく、押弦しやすい!」と感じました。こんなギターが自宅に1本あれば、ついつい手が伸びてしまうこと間違いなし。弾けば弾くほどブルージィな持ち味に磨きがかかりますので、時間をかけて一緒に成長していく相棒として手元に置いておきたいモデルです。
※次回はいよいよ連載100回目! 週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは4月29日(金)の更新をお楽しみに!
価格:¥261,000 (税別)