アコースティックエンジニアリングが手がけた“理想の音楽制作を実現する”環境
- 2024/11/25
Gibson Memphis / ES-355
東京・神保町に店舗を構える国内最大級のギブソン・ギター専門店G'CLUB TOKYOが、3月19日に“Mr.355”こと生形真一氏を迎えスペシャル・ギター・クリニックを開催。お馴染みのギブソンES-355を始めとする生形自身が愛用するギブソン・ギター(ES-355/ES-Les Paul他)やG'CLUB TOKYOのイチ押しギターを手に、Nothing's Carved In Stoneの曲の実演デモンストレーションを交えながら約1時間半にわたりその魅力を語った貴重なイベントとなった。ここではギター・マガジン2016年5月号の記事と連動し、その模様をレポート。イベントのダイジェスト動画も用意しているのでぜひお楽しみいただきたい。
ES-300シリーズの最高峰であるES-355。ヘッドのスプリット・ダイヤモンド・インレイからマルティプル・バインディングといった豪華な装飾が際立つモデルで、現在はギブソン・メンフィスで限定生産されている。初出の1958年以降、ジャズやブルースなど幅広く音楽を彩ってきた名器だが、近年国内で認知され始めている“ロック/パンクにも使えるセミアコ”というイメージは、ほかならぬ生形に負うところが大きいだろう。この日の冒頭で生形が聴かせたNothing’s Carved In Stone「Spirit Inspiration」のエッジの効いたサウンドが証左としていたように、彼はES-355(ビグスビー付き)が持つソリッドなトーンに着目し、積極的にアプローチしてきたからだ。
さて、イベントはおもにG'CLUB TOKYOが在庫するES-355(とES-Les Paul)の試奏で構成された。テーマは店舗在庫、いわゆる吊るしのギターでどこまで“生形サウンド”が作れるのかといったもので、俎上に上がったのはストップ・テイルピース仕様のES-355、生形のメイン器と同じ仕様を持つビグスビー付きES-355、そして最近大きな話題を呼んでいるES-Les Paul Custom(ビグスビー付き3PU仕様)など。
結論から言えば、どのギターも“生形サウンド”と呼べる力強いトーンを響かせていたのだが、印象に残るのは“ビグスビーの有無”である。ストップ・テイルピースのES-355について生形は“良い悪いじゃなくて、ビグスビーがないとキッチリした音になる。頭が良さそうっていうか”と語る。イベント冒頭でも生形はビグスビーについて触れ、そのニュアンスを“ザラつく”と形容していたが、その意味ではビグスビーなしのES-355よりも、ビグスビー付きES-Les Paul Customのほうが、より生形らしいトーンだと感じられたのは興味深かった。
以下からはイベント中に生形が実際に試奏した個体を紹介していこう。一部はまだG'CLUB TOKYOに在庫されているので興味のある人はお早めに!
ストップ・テイルピース仕様、エボニー・フィニッシュのES-355。指板はデッド・ポイントの解消や立ち上がりの良さに定評あるリッチライトを使用。ピックアップには57クラシックを搭載。
Specifications
●ボディ・トップ&バック:メイプル/ポプラ/メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:リッチライト ●フレット:22 ●スケール:24 3/4インチ ●ピックアップ:57クラシック×2 ●ブリッジ:ABR-1 ●テイルピース:ストップ・バー
指板材がリッチライトであることを除けば生形のメイン器とまったく同じ仕様を持つ個体。なお、リッチライト指板について生形は“これエボニーって言われても信じちゃいますね”と語っていた。
Specifications
●ボディ・トップ&バック:メイプル/ポプラ/メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:リットライト ●フレット:22 ●スケール:24 3/4インチ ●ピックアップ:57クラシック×2 ●ブリッジ:ABR-1 ●テイルピース:ビグスビーB7
チェリー・レッド・フィニッシュのES-355にビグスビーを搭載した仕様。生形は黒、白、赤を好むそうで、実際に同じスタイルの355も所持している。
Specifications
●ボディ・トップ&バック:メイプル/ポプラ/メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:リッチライト ●フレット:22 ●スケール:24 3/4インチ ●ピックアップ:57クラシック×2 ●ブリッジ:ABR-1 ●テイルピース:ビグスビーB7
レス・ポール・ボディのセミアコ、という斬新なデザインが話題を呼ぶES-Les Paulのカスタム仕様。3PU搭載のLPカスタムはエース・フレーリーを彷彿とさせる見た目だが、LPよりもはるかに軽量だ。
Specifications
●ボディ・トップ&バック:メイプル/ポプラ/メイプル ●ネック:マホガニー ●指板:リッチライト ●フレット:22 ●スケール:24 3/4インチ ●ピックアップ:MHSハムバッカー×3 ●ブリッジ:ABR-1 ●テイルピース:ビグスビーB7
東京都千代田区神田小川町3-8
JR御茶ノ水駅から徒歩10分
都営新宿線神保町駅から徒歩3〜5分
都営新宿線小川町駅から徒歩3〜5分
営業時間:11:00〜20:00(年中無休)
☎︎03-3295-2800
FAX:03-3295-2815
E-Mail:g-club@kurosawagakki.com
ホームページ
現在、G'CLUB TOKYOでは“Spring Sale 2016”と題してギブソンの2015年モデルを特価販売する“ギブソン・ウルトラ・バーゲン”や“特選!中古ギター市”なる催しを行なっている。興味のある人は以下からチェックされたい!
本記事はリットーミュージック刊『ギター・マガジン2016年5月号』でも詳しく紹介されています! ここではお見せできなかった写真なども掲載されているのでぜひチェックしてみて下さい。
生形 真一
1976年生まれ。1998年に、細美武士(vo、g)らとELLEGARDENを結成。同バンド時代よりギブソンES-335、355をメインに使用し、自らのギター・スタイルを確立。2008年にバンド活動休止後、2009年には盟友ベーシスト、日向秀和らとNothing’s Carved In Stoneを結成する。パンクとロックの熱をはらみながら、ギブソンのオーセンティックなギターでバンド・サウンドに先進性を与え続ける姿勢は多くのフォロワーを生み、発表したアルバムも新作『MAZE』を含め7枚を数える。最新のリリースは4/6で、ニュー・シングル「In Future」と『MAZE』のアナログ盤を同発している。また、今年5/15日には日比谷野外大音楽堂での公演をひかえるなど、夏に向けてライブ/イベント出演が続々と決定している。詳細は以下Nothing's Carved In StoneのオフィシャルHPでチェックしてほしい。