AQUBE MUSIC PRODUCTS
- 2024/11/16
Fostex / PM30G
ギタリストにとってアンプは必須とも言えるアイテムのひとつ。しかし日本の住宅事情を鑑みるとなかなか自宅で大音量でアンプを鳴らして練習することはできません。そういった事情から、昨今ではハード/ソフトの両方からアンプ・シミュレーターが多数リリースされています。メーカー各社の開発競争も相まって音質も相当向上し、プロのレコーディングやライブの現場でも数多く利用されるようになってきました。低価格帯の製品も豊富になったことで、一般にも広く普及し、最近では自宅でアンプを使うことよりもアンプ・シミュレーターを利用する比率が高くなってきました。
アンプ・シミュレーターにはヘッドフォン・ジャックが搭載されているものが多く、近所の騒音問題を気にせず、24時間どんな時間帯でも高い音質で練習出来ることがメリットのひとつですが、たまにはヘッドフォンではなく、スピーカーから音を鳴らして練習してみたいと思うのがギタリストのサガというものです。またスピーカーを通した音でないとつかめないニュアンスもあったりします。そんな時、手持ちのスピーカーに接続して音を出す事になるのですが、よく使われているパソコン用スピーカーの場合、予め内部でリスニング用にイコライジングされていたり、楽器専用に開発されていないために、折角苦労して作ったサウンド・パッチを正確なトーンで鳴らす事ができません。
そこで、Fostex PM30G プレイヤーズ・モニターの出番です。フォステクスは40年以上の長い歴史をもつスピーカー・メーカーで、音楽現場のニーズや指向に精通した製品をたくさん開発しています。今回ご紹介するPM30Gは、自宅でもプロの音質を再現するために開発された、アンプ・シミュレーターの音を忠実に再現するためのスピーカーなのです。PMシリーズのコンセプトは、長年プロの現場で厚い信頼を得ている技術を惜しげもなくつぎ込みながらも、お求めやすい価格を実現しているということ。そういった点でもこの製品の開発に求められた音質クオリティが非常に高いものだと伺えます。
まず、筐体ですが一般のパワード・スピーカーにありがちな、イコライザー系のツマミがひとつもありません。これこそが、PM30Gがモニター指向である最たる理由のひとつで、アンプ・シミュレーターで作った音を忠実に再現するよう、ベストにチューニング、ミックスされています。つまり、スピーカーの本来の姿というのは、「何も足さない、何も引かない」事こそがその真髄とも言えます。
PM30Gのトーンは「入力された音を忠実に再現できる」……これに尽きます。ですので、楽器演奏だけではなく、DAWユーザーのモニター・スピーカーとしても非常に高い精度でモニタリングを可能にしてくれます。CDやオーディオ・プレイヤーを接続すれば、高音質なリスニング・スピーカーとしても機能してくれます。従来の機器でこれを実現しようとすれば、ギター・アンプ、また比較的大きく、かつ高価な専用のモニタリング・スピーカー、オーディオ用スピーカーが必要になりますが、それらをオールインワンで、しかもパーソナル向けな低価格帯で実現できるのは、ある意味驚異的といっても過言ではないでしょう。
そして、付属されているコントローラー、PC-2LIVE ミニ・ジャムにも注目です。ツマミはたったのふたつだけというシンプルこの上ありませんが、向かって左のボリュームはマスター・ボリューム、右側のBALANCEは背面のインプットA(アンプ・シミュレーターからのギター出力を接続)とインプットB(PCやオーディオ・プレイヤーを接続)のバランスを取るミキサーの役目を持っています。このふたつを操作することで、マイナスワン・トラックに合わせて気軽かつ簡単に楽器をベストな音質と音量バランスで演奏することができます。また、インプットBにはキーボード等も入力することができるので、接続を差し替えたりする手間もなく、バンドのデモ作成でメンバーを自宅に呼んで各パートを同時に音を出しながら考えるなんていうことも簡単にできてしまいます。
本来であればそういったシステムを組むのに、大きなミキサーとスピーカーが必要になり、ケーブル類でごちゃごちゃになり、予算も跳ね上がってしまいますが、PM30GとPC-2LIVEの組み合わせだと、低価格かつすっきりと揃える事ができます。また、別売りのサブ・ウーハー(PM-SUBmini2)を利用することで、しっかりとした低音にも対応するので、ギタリストだけではなくベーシストにもベストな環境を構築する、シンプルかつマルチなシステムと言えるでしょう。
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ぎんじねこ
YouTube動画再生回数520万回、チャンネル登録者数8000名以上のモンスター・チャンネルを運営し、オリジナル曲のセルフ・プロモーションや、メーカーの製品レビュー、モニター動画などの配信活動を数多く手がける。2009年、Gibson社のオフィシャル・バンド・コンテストにて、ギターソロで2位入賞。日本を代表するトップミュージシャンである、西川進氏や松田"FIRE"卓己氏とも共演。また、音楽誌の特集ページやCDレビュー等への寄稿など幅広く活動中。さらに、15年の講師活動を経て、現在は“ヤマノミュージックスクール”のギター科インストラクターとして、後進の指導育成も努めている。