“ONE DAY GUITAR SHOW”で発表された桜モデルの注目機種を総ざらい!
- 2025/01/07
LINE 6 / Variax Standard
2002年、LINE 6からリリースされたモデリング・ギターの草分け、Variax。以降、時代やユーザーのニーズを取り込み進化し続け、James Tyler Variaxを経て2015年、新たにラインナップされたのがVariax Standardです。“Variax HDテクノロジー”と呼ばれるモデリング・システムにより、1本のギターでストラトやレス・ポールといった王道はもちろん、リッケンバッカーやテレキャスター、フルアコ&セミアコ、更にはアコギやシタールといったアコースティックなトーンに至るまで、すべて1本のギターで再現できます。また、オルタネート・チューニング・システムにより、ペグを回して弦のチューニングを変更することなく、本体のノブを回すだけで半音下げやドロップD、全音下げはもちろん、DADGADやオープンG、ユーザーが独自に設定したチューニングさえも瞬時に呼び出し演奏することができる、およそステージやレコーディングで必要とされるすべての機能が1本で賄える夢のギターです。
Variax StandardはYAMAHAのパシフィカ・シリーズに見られるSタイプ・ボディが採用され、全体的にスタイリッシュさが増しシャープなルックスに仕上がっています。ネックはサラサラとしたサテン仕上げでフィンガリングの質感も引っかかりが一切なくスムーズな演奏が可能になっています。トレモロ・システムも専用の物が開発され、潤滑性ナットと相まって、激しいアーミングを行なっても抜群のチューニングの安定感があります。3シングルのピックアップはVariax Standard用に新たにカスタム・ワインドされた物となっており、シングルのシャープさを損なうことなくロー・ノイズかつパワフルなトーンを持ち、幅広い演奏シーンで柔軟に活用することができます。ブリッジ裏にはモデリング・ギターを鳴らすためのピエゾ・ピックアップがセットされており、拾われたシグナルはボディ内部のDSPプロセッサーで処理され、レイテンシーを感じることなく、リアルタイムでチョイスされたギター・トーンをアウトプットしてくれます。ピエゾ・ピックアップはマグネティック・ピックアップとは異なり、モニターや電源からのノイズの影響を受けることがないので、ハムノイズ等のセンシティブな問題から解放されストレスなく利用できる点も大きなポイントです。
Variaxの真骨頂であるVariax HDテクノロジーは、James Tyler Variaxより引き継がれたHDトーンをそのままに、3シングルのマグネティック・ピックアップと合わさり、さらに演奏フィールドを選ばない万能さを獲得しています。モダンでアグレッシブなトーンが必要な場合はマグネティック・ピックアップ、深みがある枯れたビンテージ・トーンが必要な場合はVariax HDテクノロジーのモデリング・ギター、といった使い分けを明確に行なえ、それらすべてが手元のノブだけで操作できます。さらにPOD HD XシリーズやFirehawk FXといったVariax対応機器と連動させれば、エフェクターを踏み替える要領でモデリング・ギターやチューニングを一瞬で変更することが可能です。またLINE 6のオフィシャル・サイトから提供されるWorkbench HDをパソコンにインストールすることで、ボディの形状、ピックアップの種類や位置や角度、コントロール・ノブの抵抗値、チューニング、マグネット・ピックアップとモデリング・ギターのミックス量など、自分だけのシグネチャー・トーンを作成することができます。
なお、搭載されたVariax HDテクノロジーは最新ファームウェアにアップデートすることで、音質の向上やPODシリーズとの親和性をアップできるなど、購入後も常に進化し続ける現在進行形のギターというのも特筆すべきポイントでしょう。
価格:オープン
ぎんじねこ
YouTube動画再生回数520万回、チャンネル登録者数8000名以上のモンスター・チャンネルを運営し、オリジナル曲のセルフ・プロモーションや、メーカーの製品レビュー、モニター動画などの配信活動を数多く手がける。2009年、Gibson社のオフィシャル・バンド・コンテストにて、ギターソロで2位入賞。日本を代表するトップミュージシャンである、西川進氏や松田"FIRE"卓己氏とも共演。また、音楽誌の特集ページやCDレビュー等への寄稿など幅広く活動中。さらに、15年の講師活動を経て、現在は“ヤマノミュージックスクール”のギター科インストラクターとして、後進の指導育成も努めている。