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- 2025/01/07
Gibson Custom Shop / CS9 50's Style Les Paul Standard VOS
本連載でもたびたび取り上げてきたTrue Historicレス・ポールについて、その作り/ルックス/サウンドの素晴らしさについてはよくわかったが、どうしても値段的に厳しい、という方も少なくないでしょう。ギブソン・カスタムでは、最高峰のレス・ポール・リイシューに遜色ない仕様とサウンドを持ち、手が届きやすい価格に設定されたコスパに優れたモデルも用意しています。今週はそんな、Gibson Custom CS9 50's Style Les Paul Standard VOSを紹介します!
現在、最高の完成度を誇るレス・ポール・リイシュー、True Historicシリーズについては本連載でもたびたび取り上げてきました。従来のヒストリック・コレクションから完成度をさらに高め、かつてない究極のレス・ポール・リイシューとなりましたが、妥協を許さないその作りから生産本数が大幅に減り、価格が上がったのも事実です。しかし、良いレス・ポールを求めるプレイヤーは増える一方。そこで生産完了となった2014年ヒストリック・コレクションの完成度はそのままに、ショートテノン・ネックを採用することで価格を抑えたモデルが、CSシリーズの50's Style Les Paulです。
このCS9は、最も人気の高い59グリップを採用したモデル。ネック・ジョイント、フィンガーボード接着にはハイドグルーを使用、チューブレス・トラスロッド、ライトウェイト・アルミ・テイルピースの採用など、まさに最終形のヒスコレに近い仕様となっています。ピックアップは、マグネットにアルニコⅢを使ったカスタムバッカーを2基搭載。リアの出力を若干高めにするなど、サウンド面での追い込み方も万全です。また、True Historicのバーストカラーは3色のみなのに対し、このCS9はウォッシュド・チェリー、フェイデッド・タバコ、アイス・ティー、レモン・バースト、サンライズ・ティー・バースト、バーボン・バーストの6色をラインアップしているのも嬉しいところ。広い層のプレイヤーに向けたビンテージ・リイシューの新提案が、このCS9 50's Style Les Paul Standardなのです。
本器のサウンド面の実力を、動画で確かめてみましょう。
使用アンプ:マーシャルJVM205H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable
“太く甘い”一般的なレス・ポールのイメージの音に、“意外なほどよく出る高域” “歪ませるとカツンとした独特のアタック” “より広いジャンルで使えそうな軽やかさ”を併せ持つのが、ヒスコレ〜True Historicの最高峰レス・ポールが備える特長だと思っています。さらに“管楽器が息の強さを変えるように表情を変えるサステイン” “タッチに対するレスポンスの良さ”も同様で、それと同じ感覚を本器でも味わうことができました。
多くのレス・ポール・ファンが気になるのは“ディープ・ジョイントではなくなったことによる音への影響”でしょう。これについて、数多くのレス・ポールを試奏してきた私自身の感覚では、実際に本器を弾き、改めて動画で観ても「わからない」というのが正直な感想です。ディープ・ジョイントの効果がないとは思いませんが、それはレス・ポール・サウンドを構成する非常に多くの要素のひとつであり、それ以外の要素にて完璧に調和がとれている本器は、やはり「本物のレス・ポールの音がする」というのが私の意見です。動画を観た皆さんは、どう感じましたか? 少なくともサウンド面から考えたコストパフォーマンスは相当に高いと言えます。さらにVOS仕上げのルックス面も文句無し! 仕様云々ではなく、音の良いレス・ポールが欲しいというプレイヤーには自信を持ってオススメできる、素晴らしいレス・ポールです。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは10月9日(金)を予定。
価格:¥760,000 (税別)