アコースティックエンジニアリングが手がけた“理想の音楽制作を実現する”環境
- 2024/11/25
Bacchus / Bacchus Global Series WL
国内工場にて、熟練のビルダーが手作業で製作する高品位ハンドメイド・ベースで人気のバッカスから、WOODLINE DXシリーズの機能はそのままに、3種類のスケールから自分にあった1本が選べる“GLOBALシリーズ”のニュー・ラインナップが登場した。本シリーズでは、材構成、ピックアップなどは同様に、“33インチ、34インチ、35インチ”という3種類のスケールד4弦or5弦”をセレクトできるという、今までにない画期的なシステムが最大の特徴となっている。手の小さなベーシストは短いスケールを、ダウン・チューニングを多用するプレイヤーは長いスケールというように、自分のスタイルに合わせて自由にスケールを選ぶことができるのだ。これによりプレイアビリティ&サウンドメイクの両面で大きな相乗効果が期待できると言えるだろう!
今回は日頃からバッカス・ベースを愛用するFチョッパーKOGA(Gacharic Spin)を試奏者に迎え、4弦モデル×3スケールを使ってスケールの違いと特長を動画でレポートした! テキストで紹介する5弦モデルもあわせて、是非チェックしてほしい。
ここで、改めてスケールについての基礎知識を確認しておこう。 これらを知って本器を手にすることで、それぞれの個性をより顕著に感じることができるだろう。
●スケールって何?
スケールとは、ナットからサドルまでの距離を指す用語(下図/日本語では“弦長”という)。スケールはインチ(1インチ=25.4mm)という単位で表わされ、数字が大きいほどスケールは長くなる。楽器店に並ぶ多くのベースでは“ロング・スケール”と呼ばれる34インチが採用されているが、GLOBALシリーズでは、1インチずつ違う33インチ、35インチもラインナップしているのだ。
●スケールが違うと何が違うの?
スケールの違いにより、弦にかかるテンションは変わってくる。スケールが長いほどテンションはキツくなり、逆に短いほどゆるくなってくる。またフレットの間隔も微妙に変わってくるため、フィンガリングにも大きく影響する要素と言えるだろう。スケールが変わるとベースを構えたときの感覚にも違いが表われやすいものだが、本シリーズでは同社独自の設計によるブリッジ位置の変更によって、各スケールを持ち替えたときにも違和感を感じることなくプレイできるよう工夫が施されている。
●各スケールの特徴
34インチはエレキ・ベースのスタンダードとして、機能、音質の両面からバランスの優れたスケールと言える。王道と呼べる音色や音の伸び、弾いたときのテンション感が感じられるだろう。ほかのスケールにはない、慣れ親しんだ弾き心地を得ることができるはずだ。
スケールが長くなり弦のテンションが稼げることで、豊かな低音弦の鳴りが得られるスケールだ。特に5弦ローBの安定感は特筆もの。またフレットの間隔はわずかに広がっているが、設計上の工夫により、ベースを抱えた際のバランスは34インチとほとんど変わらないだろう。
スケールが短いことで運指がしやすくなり、特にジャズ/フュージョン系のテクニカル・プレイヤーからの需要が高まっているのが33インチ・スケール。またそのサイズ感や、やわらかいテンション感から、小柄な女性ベーシスト、初心者・初級者にお薦めのモデルとも言える。
それでは4弦&5弦モデル×3スケールの違いを、 FチョッパーKOGAの試奏コメントとともにチェックしていこう!
KOGA’s voice
34インチはエレキ・ベースの基本的なスケールということもあり、バランスも良くて持った感じはやっぱり一番しっくりきます。音も1音1音クリアで、弾いていて気持ちがいいです。男女の違い、ジャンルに関係なく、誰にでもお薦めできるモデルですよね! [この商品をデジマートで探す]
KOGA’s voice
私は普段5弦を使わないんですけど、重さも軽くて、4弦からも違和感なく持ち替えられました! 5弦B音はクリアに響きますね。ローが出過ぎていないというか、ライヴで使っても抜けてくるんだろうなという印象がありますね。 [この商品をデジマートで探す]
KOGA’s voice
音も大きく感じられて、持ったときの存在感も一番です。ネックが遠く感じるかと思ったんですけど、それが全然なくて。ブリッジ位置のバランスなんでしょうね。テンションはちょっと強いんですけど、そのぶんダウン・チューニングでも気にならずに弾けそうです。 [この商品をデジマートで探す]
KOGA’s voice
パワー感がハンパないですね(笑)! 5弦を鳴らしたときの“ドゥン!”という迫力がスゴかった! しかも親指で叩いたときもモアッとした響きはなくて、音がハッキリ出てくれる。5弦ベースを使うんだったら、35インチだとより5弦の良さが出るんじゃないかな。 [この商品をデジマートで探す]
KOGA’s voice
ネックは近く感じられて、逆に弾きやすいです。一番遠くて疲れやすい1フレットにも、気軽に手が伸びますね(笑)。テンションはゆるめなので、指弾きもしやすい。テクニカル系の人にはもちろん、女性や子供だったり、これからベースに挑戦するという人にもすごくいいと思います。 [この商品をデジマートで探す]
KOGA’s voice
5弦なんですけど、4弦を持っている感覚。これなら自分にも弾けるって、前向きな気持ちになれそう(笑)。5弦の音は一番スッキリしていて、純粋にもっと音階が欲しいという人にもいいと思います。イメージやジャンルに縛られない、最初に手に取る5弦としてもお薦めです。 [この商品をデジマートで探す]
すべてに共通して言えるのは、クリアな音とパワー感。繊細なんだけど男らしいという印象です。それを同じスペックで3種類のスケールで試せるなんてスゴいですよね。しかも5弦まであって。自分の体格だったりプレイ・スタイルに合わせて選ぶことができるって、プレイヤーにとってすごく嬉しいことだと思います。
各スケールの特徴も、しっかり感じられました。特に33インチは、もし自分がベースを始めるときに使っていたら、楽しく練習できただろうなって。35インチは弾きづらいかなとも思ったんですけど、バランスが良くってすんなり入ることができました。
スケールの長さって、プレイの上達にも関係している気がするんです。そういう意味でも、スケールを選ぶというのは、悩んでいたり新しいジャンルに挑戦したいという人の、次の道を切り開くいいきっかけになるんじゃないでしょうか!
動画でも素晴らしい演奏を見せてくれたFチョッパーKOGAが表紙を飾る『ベース・マガジン』2015年10月号においても、Bacchus Global Series WLを特集している。是非あわせてチェックしてみてほしい!
定価:850円(本体787円+税)
仕様:A4変形版/172ページ
発売日:2015.9.19
FチョッパーKOGA
えふちょっぱーこが:12月22日生まれ、愛知県出身。2009年にガールズ・バンドGacharic Spinを結成。テクニカルなプレイと元気満点のステージングを武器に、精力的な活動で人気を獲得していく。2015年9月には、ファン待望のメジャー1stアルバム『MUSIC BATTLER』をリリース。ベース・マガジン2015年10月号では、カバー・ベーシストも務めている。