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- 2024/11/16
パワー・サプライ
エフェクター好きのバイブルとして認知され、すでに27冊もの版を重ねてきた『THE EFFECTOR book』(シンコーミュージック刊)。その最新版となるVol.28でフォーカスされたのは、“ペダルボー道”を志す者にとって最も重要な根源、パワー・サプライであった。本特集では、『THE EFFECTOR book VOL.28 SUMMER 2015 ISSUE』の目玉特集「POWER SUPPLY〜電源を制する者は音色を制する」と連動し、最新モデルを含むさまざまなタイプのパワー・サプライ18機種を紹介しよう。AC/DC? 可変電圧? 高周波ノイズ・フィルター? すべての悩める者達へ贈る、「良い音」への絶対条件、ぜひ1台入手を!
利便性とノイズレスの両方を極限まで追求した自信作
ハイ・エンドなニーズに常に職人技で応えるシステム構築のプロ、フリーザトーン製の汎用型パワー・サプライ。国内で調達したアルミニウム合金による筐体は高級感があるだけでなく、軽量と耐久性を達成しつつ、シャシー自体の金属鳴りを抑制する。加えて、組み上げに使用されるネジまでも特注で、そのズレや隙間による不要な共振を抑えるという高密度設計に、隅々まで神経を行き届かせる設計者の並々ならぬこだわりを窺い知ることができる。また、通常の6口の9VDC出力とは別に、ハイ・パワー(500mA)な完全アイソレート出力を2口装備してのこのコンパクトさは、外部アダプター駆動によるペダル・ボード電源としては世界屈指の小サイズ。海外での使用をも見越した完全ユニバーサル対応の電源供給ユニットとして、その丁寧かつ大胆な仕事に現場ユーザーからの信頼も厚い。
[Specifications] ●出力端子:9VDC(ハイカレント出力/500mA出力)×2、9VDC(ローノイズ・スタンダード出力/100mA)×6 ●入力端子:DC12V<センター・マイナス> ●サイズ:120mm(W)×55mm(D)×35mm(H) ●付属品:パワーサプライ用ACアダプター、DCケーブル(300mm L/L×4、500mm L/L×4)
100Vを4つに分けるACディストリビュート機能とDC9Vパワー・サプライを薄型筐体に収めた複合電源ユニット。ACとDC両方の電源が必要となるペダル・ボードに設置すれば大きな武器となる。
“PT-1D”と同サイズのACディストリビュート専用機。横幅はラックのトレイに載せられるサイズに、さらに高さは上部に標準のアダプターをセットしても2Uの厚みに収まるよう設計されている。
専用トランスを搭載した最強のパワー・ディストリビューター
プロフェッショナルを中心とする多くのユーザーから、すでに高い評価を得ている定番モデル。その筐体は、近年、流行しているコンパクトな製品と比べて大きく、重いが、内部にぎっしりと詰め込まれた高品質な電子部品(カスタム・トロイダル・トランスを含む)を見れば、このサイズが必要不可欠であったことがわかる。機能面では、一般的な9V or 12V/100mAに加え、9V or 12V/250mA、4V~9V/100mAと、市場に出回っているほとんどのストンプボックスが要求する電圧/電流を網羅できるところが嬉しい。系統ごとに独立したリニア電源を供給する設計により、消費電流が大きいペダルを接続した際にも他の機器の動作に影響が及ぶことはなく、電源由来のノイズとも無縁だ。付属品~オプション・アクセサリーの充実ぶりも、本機を選ぶ理由のひとつになるだろう。
[Specifications] ●出力端子:9VDC×8<5.5mm(外径)×2.1mm(内径)/センター・マイナス/100mA>×6、250mA×2※BOSS ACA対応出力(DIPスイッチ切替え)×4、Line6 Modelerシリーズ対応出力(DIPスイッチ切替え)×2、4〜9V出力×2(Sagコントローラーで調節) ●出力:最大250mA(各100mA) 入力●AC100V(IEC電源コネクター) ●コントローラー:Sag×2 ●スイッチ:Dipスイッチ(背面) ●サイズ:152mm(W)×86mm(D)×45mm(H) ●付属品:AC電源ケーブル、DCケーブル<5.5×2.1mm>×8、DCケーブル<5.5mm×2.5mm(Line6機器用)>×1、DCケーブル<3.5mmミニ・プラグ(ヴィンテージMXR、エレクトロ・ハーモニックス機器用)>×1、9Vバッテリー・スナップ×1
ギター・システム製作の経験から導き出された電源問題への解答
国内屈指の売り上げを誇る人気のパワー・サプライ、CAJ製“AC/DC Station”の最新ヴァージョン。“IV”(第4世代)となる本機は、先代までの鮮やかなホワイト・カラーを一新し、落ち着いた漆黒の筐体が目を惹く硬派なルックスに仕上げられている。同シリーズの代名詞ともいうべき、ノイズ耐性の高いトランス式アダプターにより、対アナログ・エフェクター用としては最高水準のクリーンで静粛な電源を生むことで知られる。また、設置場所を選ばない軽量薄型のスタイリッシュな本体を始め、あらゆる面でパワー・サプライとしての「効率」を追求したそのシンプルな機能性は、多くのプロ・ミュージシャンからも絶大な支持を獲得し続けている。新規格では入力用プラグ(AC12V)の口径を小さくすることで、間違って別のジャックを挿してしまう事故を物理的に防止するなど安全面をより強化、使い勝手が向上した。
[Specifications] ●出力端子:約9VDC×7 ●出力:最大450mA(各100mA) ●入力端子:AC12V(センターピン1.7mm) ●サイズ:170.4mm(W)×38.4mm(D)×22mm(H) ●付属品:AC/DC ST IV Adapter、DCケーブル(500mm L プラグ)×7
パワー・サプライの理想を具現化するウィザード級デバイス
ウィザード級のサウンド・システム・ビルダーとして名を馳せたボブ・ブラッドショウが主宰するCAEと、MXRがタッグを組んで開発したパワー・サプライのフラッグシップ。付属のブラケットを取り付けることでラック・マウントとペダルボード・マウントの双方に対応する巨大なハウジングには16個ものアウトレット・ポートがレイアウトされており、そのフォーマットも9VDC、18VDC、SAG、9VACと、およそ考えつく限りのヴァリエーションを網羅している。高品質なトランスフォーマー、電力損失が極めて少ないレギュレーター、グランド・ループに起因するノイズを防ぐ接地方式といった設計により実現された電源のクリーンさと高い精度/安定性は、多くのプロ・ミュージシャンの折り紙つき。パワー・サプライについてのひとつの理想を具現化した、究極の1台だ。
[Specifications] ●出力端子:9VDC×8(各80mA)、18VDC×4(各125mA)、可変電圧×2、9VAC(800mA)×2、AC Thru×1 ●出力:最大2000mA ●コントローラー:ADJ(6.5〜10.5VDC/10.5〜15.0VDC可変)×2 ●スイッチ:ON/OFF、ADJ(High/Low)×2、入力電圧切替スイッチ ●入力:115V or 230V ●サイズ:106mm(W)×59mm(D)×57mm(H) ●付属品:19インチ・ラック・マウント用フロント・パネル×1、ペダル・ボード・マウンティング・ブラケット×2、310mm S/Lプラグ(2.1mm×5.5mm)×4、620mm S/Lプラグ(2.1mm×5.5mm)×8、930mm S/Lプラグ(2.1mm×5.5mm)×4、1240mmS/Lプラグ(2.5mm×5.5mm)×2、620mm S/Lプラグ(2.1mm×5.5mm→3.5mm)×1、930mm S/Lプラグ(2.1mm×5.5mm →3.5mm)×1、専用ACケーブル
2000年にジム・ダンロップ・ブランドが発売した同名モデルを前身とする、MXRパワー・サプライのエントリー・モデル。9VDC×8、18VDC×2からなる電源系統に問題が生じた際に点灯するLEDが、トラブルの原因究明を補助してくれる。
10個のDCアウトレットをひとつの側面に集約し、ペダル・ボード・レイアウトの自由度を高めた本機のモデル名は、各電源系統を独立して(ISOlate)接地する設計に因むと思われる。その電源は品質においてアルカリ乾電池に匹敵するとメーカーは言う。
ライヴ・シーンの最前線からフィードバックを結集して高い信頼性を実現
常に音質を追求し続けるEx-proの、ハイ・エンド・パワー・サプライ“PS-2”。前モデルより引き継がれた2000mAもの高電流設定と、88Vまで降下した劣悪な外部電源環境でも安定した電圧供給を可能にする高性能なレギュレート機能に加え、本機には7~18Vの可変電圧機能を追加、より多くのデバイスに対応可能となった。また、9.8VDC固定のパラレル出力部は、トータル1000mA以内であれば端子ごとの出力制限がなく、常に大容量な電源を必要とする高機動エフェクターをボードに組み込むプロフェッショナルな運用に際しても、フレキシブルなシステム構築をサポートする。ノイズ対策や耐久性、アダプターやDCケーブルに至るまでバランスよく強化され、音質と使い勝手をより高い次元で結びつけたその隙のない仕様は、プロからの信頼が厚いのもよく分かる話だ。
[Specifications] ●出力端子:9.8VDC×8(1000mA)、7V〜18VDC×4(各500mA) ●出力:最大2000mA ●入力端子:DC15V ●コントローラー:Voltage Adjuster(7V〜18VDC可変)×2 ●サイズ:120mm(W)×45mm(D)×54mm(H) ●付属品: 専用ACアダプター、DCケーブル(300mm×2、450mm×2、600 mm×1、1000mm×1)、電圧変更ドライバー
ペダル・ボードをスッキリできる便利な1台
ペダル・ボードの入出力関係をまとめるジャンクション・ボックスに、同社の“DC Train”シリーズのパワー・サプライを組み込んだ「あると便利な」デバイス。DC15V(2000mA)のアダプターが付属し、6つの9VDC出力と15V DC出力を1つ搭載している。コンパクトでありながら、2000mAという余裕の容量を持つので、アナログからデジタル・エフェクターまでカヴァー可能だ。さらに9VDC出力の右半分と左半分でそれぞれ異なるレギュレーターを搭載しているため、アナログ用/デジタル用と分けて使用すれば、ノイズの混入を防ぐことができる。ジャンクション・ボックスにもバッファを搭載するなど、同社ならではのこだわりも満載。15VDC出力はクルーズ製の15V駆動エフェクターに対応する他、“DC Train”シリーズのパワー・サプライを連結して増設することも可能だ。
[Specifications] ●出力端子:9VDC×6、15VDC×1●入力端子:15VDC ●出力:最大2000mA(各DC Out=300mA) ●コントローラー:Imp. Control ●端子:Input、Send、Return、Passive Out、Active Out、Tuner Out ●サイズ:150mm(W)×70mm(D)×50mm(H) ●付属品:専用アダプター(15VDC/2000mA)、DCケーブル(300mm×2、500mm×2、700mm×2)
歪みの音にこだわりを持つプレイヤーこそ注目!
合計最大700mAまでの安定した電流を、9V駆動のエフェクター7台までに供給することができるコンパクトなパワー・サプライ。しかも各DCアウトレットの出力電圧は、新品状態の006P(9V電池)を意識した約9.8Vという電圧に設定されている。下ろし立ての電池を使用した際に得られる「音のハリ&艶」が欲しい玄人も納得の仕様というわけだ。さらに各DCアウトレットには音響用の電解コンデンサを贅沢に配置。これは特にアナログ・ペダルへの電源供給で威力を発揮する。当然、付属のACアダプターもトランス搭載型で、音へのこだわりは全方位的に抜かりナシ。このトランス搭載型アダプターは音色にとって非常に重要なファクターで、ハイ・ゲインなファズやディストーションへの電源供給時には大きな意味を持つ。特にヴィンテージの歪み系ペダルを愛用している方は是非本機をチェックしてみて欲しい。
[Specifications] ●出力端子:9.8VDC×7 ●入力:12VDC(センター・プラス/2.5mm) ●出力:最大700mA ●サイズ:90mm(W)×45mm(D)×31mm(H) ●付属品:専用トランス式ACアダプター、DCケーブル(600mm×7)
充電式だから外部からの電源ノイズは一切ナシ!
日本エレクトロ・ハーモニックスのオリジナル・アイテムである本機は、充電式というユニークな仕様を持つパワー・サプライ。付属のACアダプターで本体内部のリチウム・イオン電池に充電、使用時にはアダプターを取り外すことで外部からの電源ノイズを一切シャットアウトした状態にできるのが最大の特徴だ。充電が不足した場合は、アダプターを接続すれば、通常のパワー・サプライとしても使える。言うなれば、大容量の9V電池から各エフェクターに電源を分配しているイメージで、音色的にも電池のようにナチュラルかつ密度を感じる響きが得られた。この特徴は特に歪み系やダイナミクス系エフェクターに顕著なので、音色にこだわる方はデジタル機器には専用アダプターを使用して、本機を歪み系用電源として導入してみるのはどうだろうか。そこにこだわる意味は充分にあるはずだ。
[Specifications] ●出力端子:9VDC×6 ●入力:15VDC/1500mA ●出力:最大1000mA ●充電池:リチウム・イオン・ポリマー/2000mA(充電時間=約2.5時間) ●スイッチ:ON/OFF ●サイズ:209mm(W)×44mm(D)×30mm(H) ●付属品:専用ACアダプター、DCケーブル×6、固定用マジック・テープ
今まさにユーザーが必要としている機能を搭載
強力なノイズ・フィルターを内蔵したDCパワー・ディストリビューター。非常にコンパクトな筐体サイズを実現しつつ、コンデンサ、コイルを複数組み合わせたノイズ・フィルターを搭載することで、市販の9Vアダプターが発するノイズ成分を大幅に除去し、複数のエフェクターへクリーンなDC電源を供給することが可能だ。特にスイッチング電源(重量のない「軽いアダプター」の多くがスイッチング方式)のウィーク・ポイントである高周波ノイズはキッチリと抑えられ、エフェクト音に耳障りなノイズ成分が混入しない。昨今のスモール・サイズ・ペダルの多くはコンパクトであるが故にノイズ除去コンデンサの容量が小さい。よって電源側でノイズを抑え込んでやる必要がある。そういう意味では、本機こそまさに今欲しい仕様を持つパワー・サプライかもしれない。
[Specifications] ●出力端子:9VDC×5 9-18VDC×1 ●入力:9VDC<2.1mm(内径)/5.5mm(外径)[センター・マイナス]> ●出力:最大1150mA(6つの出力がすべて9Vの場合) ●スイッチ:内部ジャンパー・ピン(9V/18V) ●サイズ:88mm(W)×34mm(D)×30mm(H)
小型パワー・サプライの新スタンダード・モデル
昨今のコンパクト・パワー・ディストリビューター・ブームの火付け役とも言えるのが、ワン・コントロールが打ち出した本機だ。驚くほど小さな筐体に9VDC出力を8つ、12~18VDCの“SAG”アウトを1つ搭載。“SAG”を使えば、出力電圧を12Vから18Vまで無段階に調整できるので、例えば18Vまで対応したオーヴァードライヴやプリ・アンプを接続して、音色の変化を楽しんでみるのも面白いだろう。ボディにはアルミ削り出し筐体を贅沢に使用することで、外来ノイズの低減と高耐久性の両方を実現。長時間駆動でも発熱を最小限に抑える設計が施されているのもポイントだろう。“LINK OUT” からもう1台の“Distro”に接続して増設することも可能で、大規模なギター・システムからコンパクトなペダル・ボードまで、そのいずれにもフィットする懐の深さを備えたモデルに仕上がっている。
[Specifications] ●出力端子:9VDC×8、12-18VDC×1 ●入力:9VDC<センター・マイナス> ●出力:最大2000mA ●コントローラー:Sag ●サイズ:48mm(W)×98mm(D)×35mm(H) ●付属品:EPA-2000ACアダプター(2000mA)、DCケーブル(150mm L/S×1、300mm L/S×3、500mm L/S×3、700mm L/S×2)
システムのプロらしい細かな気配りの数々を実装
プロビデンスらしいプロフェッショナル向けのスペックを纏った電源ユニット。恐らく現場からのフィードバックであろうショート・プロテクション&オート・リカバリー機能に加えて、オート・ヴォルテージ・コントローラーという面白い機能を備えている。これは簡単に言うと、006P(9V電池)使用時とパワー・サプライ使用時で生じる電圧差による音質の違いを最小に抑える機能で、ブースターやオーヴァードライヴ、ディストーションなど、ダイナミクスがポイントとなる消費電流の少ないエフェクターに約9.6V(新品アルカリ電池と同じ電圧)を自動的に供給するという仕組みだ。さらに、各DCアウトにはダブル・フィルタリング機能が装備され、ノイズの混入を阻止。クリーンな電源が供給されるおかげで、使用感(音色)も非常にナチュラルだ。システムのノイズ改善にも役立つ1台と言える。
[Specifications] ●出力端子:約9.6VDC×6 ●入力:12VDC ●出力:最大600mA(各100mA) ●サイズ:64mm(W)×115mm(D)×32mm(H) ●付属品:専用12VDCアダプター(PAP-812DCJ)、DCケーブル(300mm S/L×3、500mm S/L×3)
音響機器ブランドだからこそ実現できた静音設計
新設計ノイズ・フィルター素子(高品質なコンデンサ)を全てのDC出力に搭載したハイ・エンド・モデル。オーディオ機器も手がけるブランドならではの巧妙な実装技術により、入力された電源のノイズ軽減、飛びつきによる雑音の軽減が図られている。よって、本機に電気を供給するACアダプターはトランス型やスイッチング型など、方式を選ばずに使用することが可能だ。実際に使用するとわかるが、電源の安定感も含めて信頼度が高い。音質面に関しては、内部にトランスを持たないパッシヴ・タイプでクリーン電源にこだわっているため、非常にナチュラルとの印象。音のザラつきが取れ、音色全体に滑らかさが感じられた。なお、本機はアダプターを含まないので、接続するアダプターによって音色に変化が生じる。今回はBOSSの“PSA-100”でチェックした。
[Specifications] ●出力端子:9VDC×10 ●入力:9VDC<センター・マイナス> ●出力:最大2000mA(1系統=1000mAまで) ●サイズ:85mm(W)×120mm(D)×35mm(H)
組み合わせ次第で様々なスタイルに柔軟に対応
他とは一線を画すアイデアと使い心地で、ペダル・ボードに欠かせない製品を生み出しているギグリグのパワー・サプライ。“Generator”(メイン・パワー・サプライ・ユニット)と“Distributor”を組みあわせて使用する。容量5000mA以内であれば、“Distributor”を複数パラレル接続して6個以上のエフェクターに電源供給することが可能だ。DCケーブルは差し込み式で、自由にカットして使用できるため、ペダル・ボード内の配線をかなりスッキリまとめられるだろう。ストライモン製品や“Whammy”などに対応するオプションのアダプターも充実していて、それらも活用すれば、ヴィンテージからモダン・ぺダルまで様々なエフェクターへの供給が可能なフレキシブルなパワー・サプライが完成する。音色に関しては、パワフルな響きとの印象を持った。
[Specifications] 【Distributor】●出力端子:9VDC×6 ●入力端子:9VDC<センター・マイナス> ●出力:最大5000mA(“Generator”使用時) ●サイズ:65mm(W)×30mm(D)×24mm(H) ●付属品:DCケーブル(150mm)×6 ●価格:open price 【Generator】●出力端子:9VDC×1 ●サイズ:108mm(W)×60mm(D)×32mm(H) ●出力:最大5000mA ●付属品:パワー・ケーブル
真にプロが必要とする機能をカスタムメイドで搭載
大阪のギター・ショップが製作するパワー・サプライ。8つの9.6V出力に加え、9.6VのISO(アイソレーテッド・アウト)が2つ、さらに18V出力が2つ用意されている。9.6Vというのは、新品006P(9V電池)に近い電圧で、9V駆動のエフェクターに入力することで張りのある音色を得る仕様だ。ISO出力はデジタル・エフェクター用。アナログとデジタルでパワー・サプライを共有すると、グランド・ラインを通じてスイッチング・ノイズやデジタル・ノイズが回り込んでしまうことがあるが、グランドを分離することでそれを防ぐ仕掛けだ。さらに3000mAという大容量も実現。スペックから考えると、かなりお得なカスタム品と言える。本機のスペックを基本として、オーダーメイドも受け付けてくれるそうだ。大手メーカーには真似のできないワンオフ・スタイルは大きな魅力。
[Specifications] ●出力端子:9.6V×8(計1000mAまで)、ISO 9.6V×2(計1000mAまで)、18V×2(各500mAまで) ●入力端子:12VDC ●出力:最大3000mA ●サイズ:124mm(W)×94mm(D)×56mm(H) ●付属品:専用12Vアダプター
※本機が基本形で、ユーザーの希望に合わせて仕様変更が可能(それによって価格も変動)
本記事はシンコーミュージック刊『THE EFFECTOR book VOL.28 SUMMER 2015 ISSUE』での特集企画「POWER SUPPLY〜電源を制する者は音色を制する」の中でより詳しく紹介されています。ここで紹介した各機種のより詳細な解説とグラフが用意されている他、各メーカーへのインタビュー取材も実施。多くのプロフェッショナルが異なる見地から電源と音色の深い関係を語っており、これを読めば“たかが電源!”と割り切っていた人も思わず“されど電源……”と唸ること請け合い。また、電源の動作原理やグランドループの排除法などの有用なコラム記事も豊富で、システム構築のヒントとして活用することもできるでしょう。本記事と併せてぜひご一読ください。
項数:112P
定価:1,620円(税込)
問い合わせ:シンコーミュージック
●「POWER SUPPLY〜電源を制する者は音色を制する」のページ・サンプル
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