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- 2024/11/16
Gibson Memphis / 1963 ES-335TD
今週からは4週連続スペシャル企画として、birdやスガシカオなどのバックアップを務める“今最も忙しいギタリスト”田中義人氏に登場いただき、ギブソン・メンフィスの2015年モデルを週替わりで弾いていただきます! ギブソン・ファン、田中義人ファンともに絶対に見逃せない内容です! 今週は定番中の定番、「1963 ES-335TD」編をお送りします。氏のソウルフルな演奏とともにそのサウンドをお楽しみください。
1958年に発表され、現在ではセミ・アコースティック・ギターの代名詞となっているES-335。年代ごとに細かい仕様の変更を繰り返してきたが、60年代前半のモデルはサウンド、プレイアビリティ、ルックスなどのトータル・バランスの良さから非常に人気が高い。本器は1963年製ES-335を再現したリイシュー・モデルで、同年製の特徴であるブロック・インレイ、ストップ・テイルピース、ショート・ガードなどのひと目でわかる部分はもちろん、カッタウェイの形状やワイヤーなしのABRブリッジなど細部に渡ってリアルに再現している。ピックアップはP.A.F.を新たに分析してアンバランスなコイルの巻き数まで再現したMHSハムバッカーを搭載。また、チューブレス・トラスロッドの採用も見逃せない。センターブロックも重量を測定して採用しており、全体の軽量化に貢献している。すべてにおいて質の高い“ES-335”に仕上がっている。
──まず1963 ES-335TDを手にした第一印象をお聞かせください。
パッと見た時に、新品らしからぬオーラを持っていると感じました。僕自身、1962年のビンテージと2007年に新品で手に入れた2本のES-335を所有しているのですが、1962年製が持っているオーラをこのギターからも感じましたね。特に塗装面でエイジド処理がなされているというわけでもないのですが、ビンテージが持つムードを、このギターも持っています。
──実際に演奏してみた印象は?
まさにパッと見の印象と同じで、62年製に非常に近いです。最初は少しだけネックが太いかなと思いましたが、弾いているうちにすぐに手に馴染んで気にならなくなりました。僕にとってはとても弾きやすいギターです。僕の62年のビンテージは特定の部分のレスポンスが良くないところもあるのですが、それも含めてそのギターの個性になっています。その意味では2007年製の方がツアーなどでは使いやすい場合もあります。このギターは、両方の良さ、ビンテージの個性と新品の使いやすさを持ったギターだと感じました。
──サウンドについてはいかがでしょうか?
まったく申し分ないですね。プレイアビリティと近い話なのですが、ビンテージだとどうしても“この辺のポイントがもう少し出て欲しい”と感じるところがあるんです。新品にはそういった問題はありませんが、ビンテージの持つ“味”のようなものはやはり望めません。このギターは、ビンテージに近い味や個性がありながら、新品のようにレスポンスが速い。自分が持っている新旧335のハイブリッドという印象があります。
──このギターを仕事で使うとしたら、どんな場面でしょう?
いろいろなシーンがイメージできますね。ジャズっぽい場面や歌モノのバックでソウルっぽいことをやる場面、または歪ませてブルージィなことをやる場面……シーンを選ばずに使えると思います。
──ES-335を使いこなすポイントがあれば教えて下さい。
軽く歪ませてもいいですし、結構ガッツリ歪ませてもいい。“こう使わなければいけない”というルールがない楽器だと捉えているので、自由に弾いていいと思います。
──試奏では、泥臭い演奏とコンテンポラリーな演奏のバランスが印象的でした。
僕の中で335は“この楽器だと、こういうのを弾きたくなる”というのが、良い意味で無い楽器なんです。制限されないというか。プロとしてスタートした当初、札幌から335を1本持って上京してきて、その1本だけでしばらく仕事をしていたんです。そういった意味でも制約を感じない楽器で、その都度プレイヤーに何かを提示してくれるギターだと思っています。
──ひと言でES-335の魅力を表すと?
キャラ立ちしているのにオールマイティであるところです! これに尽きますね。素晴らしいギターです。
※次回の週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは4月10日(金)を予定。
価格:¥513,000 (税別)
田中義人
1973年、北海道札幌市生まれ。“今最も忙しいギタリスト”と称されるギタリスト/コンポーザー/アレンジャー。1997年にES-335を携えて上京。1999年、大沢伸一と出会い、monday michiru bandへ参加したことを皮切りに、bird、絢香、嵐、今井美樹、m-flo、大黒摩季、ケツメイシ、Chemistry、さかいゆう、Jazztronik、JiLL-Decoy association、柴田淳、Superfly、スガ シカオ、SMAP、徳永英明、中島美嘉、葉加瀬太郎、秦基博、Funky Monkey Babys、ファンキー加藤、藤巻亮太、BoA、松下奈緒、YUKI、塩谷哲、レミオロメンなど数々のアーティストのレコーディング・セッション/ツアー・サポートを務める。自身のプロジェクトとしては2010年に、松原秀樹(b)、森俊之(k)、玉田豊夢(d)とC.C.KING結成。2010年に1stアルバム『C.C.KING』を、2014年に2ndアルバム『C.C.KING Ⅱ』をリリースする。さらにソロ・アーティストとしても2013年2月に待望の初ソロ・アルバム『THE 12-YEAR EXPERIMENT / YOSHITO TANAKA』をリリースした。ブルージィでありながらジャジィ、ソウルフルでありながらファンキーというクレバー&ハイブリッドなプレイ・スタイルは、世代を問わず各方面から高い評価を得ている。