楽器店大賞2024〜全国の楽器店&一般ユーザーが選ぶ今年の楽器とプレイヤーが決定!
- 2024/11/01
Strandberg / boden 6
ストランドバーグは今年初頭に日本初上陸を果たした新進気鋭のギター・メーカー。人間工学を中心とした科学的アプローチでひたすら合理性を追求したギター・デザインを確立し、テクニカルなギタリストを中心に高い人気を集めている。今月行なわれた楽器フェアで最も注目を集めたブランドのひとつだ。
家具を始めとして、北欧は機能性とデザイン性とをうまく両立させたプロダクツを数多く生み出しているが、同社の拠点もまさに北欧、スウェーデン。生産は現在同国とアメリカとで行なわれている。主宰者のオーラ・ストランドバーグはもともと機械エンジニアを生業としながら、ギター・テックなども務めてきた経歴の持ち主で、その経験を活かしたギター・デザイン「エルゴノミック・ギター・システム」を2007年に打ち立てた。このシステムは冒頭でも述べたように人間工学を始めとする科学的なアプローチでギターのデザインを一から見直したもの。ポジションによってグリップの頂点が変わっていく左右非対称のネック・グリップ、軽量なボディには2つのウェスト処理が施されるなど、さまざまな演奏フォームを適切にサポートするよう工夫が凝らされている。また、アウトプット・ジャックはケーブルの抜け落ちや突然の動作による破損などを防ぐため、ボディ・サイドの裏面に配置されるなど、実用性の面でも試行錯誤のあとが見られる。
トーンやピッチについても非常に考え込まれており、ヘッドレス/ストリング・ロック仕様のヘッド部分から伸びる弦は、同社オリジナル・デザインのブリッジへ真っ直ぐ伸びていくよう設計されている。これにより弦に無駄な干渉が起きず、素直で伸びやかなサステインが得られる。ちなみにチューニングはブリッジに装着されるノブをまわすことで調整する。なお、0フレット&ファン・フレットが採用されている。弦ごとに適切なスケールを確保しながら、ポジションごとに適切な角度でフレッティングを行なうことで、どのポジションでも均一なトーンが得られる。同社では7弦、8弦のモデルも用意されているが、この種の多弦ギターにありがちな低音のボヤけ問題もこの機構によって巧みに解消されている。ピックアップはコイルレスというこれもまた斬新なアプローチでギター業界を沸かせたレース社のアルミトーンを始め、セイモア・ダンカンやEMGのものを搭載したモデルもラインナップされている。同社のトーン・メイキングの傾向としては総じてノイズ・レスでクリアな方向性を持つと言える。
ラインナップは看板シリーズとなる「Boden」に属する6弦のBoden 6、7弦のBoden 7、8弦のBoden 8の3種を始め、さまざまなモデルが用意されている。実器はここにお伝えした以上に新鮮な驚きがあるので、興味のある人はぜひチェックされたい。
価格:オープン
価格:オープン
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