Positive Grid Spark LIVE meets Toshiki Soejima & Naho Kimama
- 2024/12/13
Gibson USA / SG Standard 2014
ギブソン120周年の記念すべき年にSGスタンダードが生まれ変わりました。120周年インレイやコイルタップ機能の追加などありますが、2014年版の目玉は話題のオート・チューニング・システムMin-ETuneが標準搭載されたことでしょう。今週の週刊ギブソンは、話題のMin-ETune を搭載するSGスタンダード2014のサウンドを動画でチェックしていきます。
1961年、ギブソン・レス・ポールのモデル・チェンジに伴い誕生したSG。長い歴史の中で数え切れない程の仕様変更や関連モデルを発表してきたSGですが、その王道を行くスタンダードの最新モデルが、本器です。SGスタンダードは2013年にスモール・ピックガードとなり、ピックアップもそれまでの490R、498Tから57クラシックへと変更、そして今年はコイルタップ機能や120周年インレイを追加し、さらにオート・チューニング・システムMin-ETuneを搭載、より幅広い使用に対応できるモダンなSGへと進化したのです。
Min-ETuneは、小型・電池式のロボット・チューニング・システムです。レギュラー・チューニングや各種オープン・チューニングを完璧に、わずか数秒で行ってくれるスグレモノ。一度のフル充電で 80〜100 回のチューニングが可能です。開発当初はギブソンのハイエンド・ギターにしか搭載されていませんでしたが、技術革新による低価格化に成功し、こうしたスタンダードなモデルにも搭載できるようになりました。また、自動チューニング・システムの中には音をデジタル処理してピッチを変えるものもありますが、音がデジタル臭くなってしまったり、タイムがズレるという問題が起こることがありました。このシステムは“ペグを回す”という力技で処理しているため、ギターの音質には全く影響を与えません。非常に面白い、使える機能です。
それでは、SGスタンダードのサウンドと、Min-ETuneの機能を動画でチェックしてみましょう。
使用アンプ:マーシャルJVM210H(ヘッド)+1960A(キャビネット)
使用シールド:ギブソン18' Purple Gibson Instrument Cable
SGスタンダード2014はマホガニー・ボディ&ネック、ローズウッド指板、そして57クラシック搭載とギブソンSGの王道的スペックですが、サウンドのニュアンスは、例えば以前の週刊ギブソンで紹介した同じ仕様の“デレク・トラックス・シグネチャーSG”とも違います。本器の方がよりゴリッとしているというか、ギチギチとしたアタックが入るというか、骨太でモダンなサウンドという感じです。ブルースやハード・ロック等のオールドスクール系なら艶やかなデレクSG、モダン・ヘヴィやデジタル系のオケであれば、元気のいい本器の方が馴染みそうです。
Min-ETune/オート・チューニングについて動画では、レギュラーからオープンGに変え、キース風のコード・リフを弾いています。設定を決めてボロンと鳴らすと、6個のペグが自動的に回ります。動画には音が入っていませんが、回転する際にはいかにもロボット的な音を発するのでかなり見応えがあります。設定が決まってからは数秒でチューニングが出来るため、ギターの持ち替えなどを想定したライブではかなり有効でしょう。オープン、レギュラー、そしてダウン・チューニングや、オリジナルのチューニングのプリセットも可能。ダウン・チューニングは、このギターが有する音質ともマッチしそうです。
多くの方が気になるのは“ヘッド落ち”の問題だと思いますが、Min-ETune自体が軽量なため、座って弾いている分には全く気になりませんでした。このギターを手にすれば、チューニングの精度、種類、時間などに縛られず、新しい音楽をクリエイトできるかもしれません。ぜひ手にとって、試してみて欲しいと思います。
※週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは毎週金曜日に更新します。次回は8月29日を予定。
価格:オープン