ギャリエン・クルーガーのコンボ・シリーズMB ComboのMB110はデジタル・パワーアンプを搭載した100W出力モデルだ。筐体にはバスレフ・ポートを備えることで、10インチ・スピーカー1基というスペックを超越する豊かな低域再生を可能としている。上面にあるコントロールは同社独自の4chアクティブ・イコライザーを搭載。ベースの特性に最適化されたEQ回路は、直列に接続されており各帯域が相互作用するため、自然なブースト／カットが可能なほかに、コンツァー・スイッチも搭載する。入出力はAUX入力、ヘッドフォン出力のほかにダイレクト・アウトに加えて、拡張キャビネット接続用のチェイン・アウトを装備しているのもポイントだ。そのため今回のテストでは、MB110単体に加えて、同社のパワード・キャビネット212MBPを接続した拡張バージョンも試した。212MBPは200W出力のパワー・アンプを内蔵しており、12インチ2基＋ツイーターを搭載。MBシリーズにチェイン接続することでシステム全体の出力アップを可能とする。

　まずMB110のみでテストしてみると、コンパクトサイズながらに、ローミッドあたりに硬めのアタックがあり、同社らしいサウンドが得られた。4chのアクティブ・イコライザーは、上位機種と比較するとマイルドなかかりだが、コンツァー・スイッチはしっかりと効いてくれるため、10インチ1発とは思えないほど高域が充実していた。続いて 212MBPを接続すると、合計で600W出力ということもあり、スタック・サイズに匹敵する音量感に加え、ミッドにコシのあるトーンを堪能できた。拡張キャビネットを接続しただけで、ここまでクリアかつパワーのあるサウンドが得られたのは驚きだ。このことからもMB110のプリアンプ部分がいかに優れているかが分かる。この2台があれば、小規模～大規模ライブにほか、リハーサルまで、どんなシチュエーションにも対応してくれるだろう。

Gallien-Krueger / MB110

Gallien-Krueger / 212MBP