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- 2024/11/16
Gibson / Warren Haynes Celebrity Series 1961 ES-335
ギブソン・ブランドのトピックを毎週お届けしていく新連載企画、“週刊ギブソン”。その第1回目は、90年代以降のオールマン・ブラザーズ・バンドを支え、先頃ガヴァメント・ミュールで久しぶりの来日を果たしたスライド・マスター、ウォーレン・ヘインズに、発売されたばかりのシグネチャーES-335を自ら試奏していただくスペシャル企画です!
このシグネチャーES-335は、ウォーレンが所有するドット・ポジション・マーク最終年度となる1961年製を忠実に再現した世界500本限定のモデル。自ら“Big Red”と親しみを込めて呼ぶオリジナル器はとにかく保存状態が良く、色飛びもほぼないのだとか。そのため当時の風合いをつぶさに伝えてくれるヴィヴィドなチェリー・レッド・カラーの再現性に、まず目を奪われます。1本1本の杢の違いが浮き立つハンド・ステインによる見事な仕事に惚れ惚れして下さい。
ピックアップにバーストバッカー1&2、コンデンサーにブラック・ビューティを採用して音の心臓を成形。ウォーレン自ら“見た目も音もオリジナルとそっくり”と膝を打つ仕上がりだ…………な〜んて四の五の言わずに、早速本人に紹介していただきましょう!
──シグネチャー・ギターについて
「こんにちは、ウォーレン・ヘインズです。これは私のシグネチャー・モデル、ES-335です。ギブソンが私の1961年製 “ドット・ネック”ES-335を限定モデルとして復刻したものが現在発売中です。
私のギターに見た目も、感じも、そして音さえもそっくりですね。仕上がりにはとても感激しています。この個体はたった5分前(笑)に手にしたものですが、音も操作性も素晴らしく、作りが安定していますね。ギブソンとともにこの楽器に携われて光栄です。」
──オリジナル1961年製との違いは?
「このシグネチャー・モデルを弾いた時、50年以上も経っている(オリジナルの)ギターにとても近いと感じました。当然ながら木材は古くないし、オリジナルのピックアップはP.A.F.が載っていますが、こちらは違います。それでも私たちは近い音になるようにできる限りのことをしましたし、仕上がりには満足していますね。」
──オリジナルから改善された部分は?
「シグネチャーとオリジナルを弾き比べると、新しいものの良さ、古いものの良さがあると思いますが、オリジナルは新しいシグネチャーに比べてチューニングが狂いやすいし、それはチューナーだけでなく、フレットや、ブリッジもまた、ギターは古くなるにつれ調子が合わなくなります。そういったチューニングの部分が新しいギターでは改善されたと思いますね。
また別の違いはポットですね。オリジナルの61年製にはオリジナルのポットが付いていますが、ものすごく古いので反応が悪いわけです。もう慣れてしまっていますが。新しいギターでは正確に反応していると言えますね。両方の良いところを取ったこのシグネチャー・モデルは、限りなくオリジナルに近い音を得られるものだと思います。」
──シグネチャー・モデルはどんな曲想で使いますか?
「軽快で、アコースティックなホロー・ボディ・サウンドが必要な歌に使ったりしますね。これでもたまにスライドを弾きますが、レス・ポールほどはではないですね。他にもジャズ系、トラディショナル・ブルースの曲にも使います。というのも、これはもう少し甘いサウンドなので、例えばこんな曲ですね。
レス・ポールと335の違いによって得られる音の選択肢が多いと気づきますね。ファイアーバードもときどき使いますが、その3本のギブソンでたくさんの違った音を得られるし、私にとって頼れるギターはこの3本で決まりですね。」
──視聴者へのメッセージ
「このシグネチャー・モデルに興味がある方、私が楽しんで弾くのと同じくらい楽しんでもらえたら嬉しいです。実に美しい楽器です。335を持っていない方、ようこそ335の世界へ!どうぞウォーレン・ヘインズ・シグネチャー・モデルを楽しんでください。」
使用アンプ:フェンダー 68 Custom Deluxe Reverb
本器は、コレクターの間でもとりわけ人気が高いオリジナル・ドット・ポジション335の再現モデルということで、ウォーレン本人も言うとおり、ES-335の魅惑の扉を開ける1本として、ファンならずとも手にして欲しいモデルですね。ギターの詳細はこちらも参照を。
なお、ギター・マガジン2014年6月号では、ウォーレンによるCD連動特集『名手直伝!誌上スペシャル・セミナー ウォーレン・ヘインズのレギュラー・チューニングで弾く秘伝のスライド・ギター』を展開中!こちらは先にリリースされているシグネチャー・レス・ポールを使ってのレクチャーで、あのデレク・トラックスと渡り合うスライド・ギターの真骨頂を存分に体験できますのでぜひ。
※週刊ギブソン〜Weekly Gibsonは毎週金曜日に更新します。次回は5月23日を予定、お楽しみに。
価格:¥452,000
Warren Haynes
1960年、米ノースキャロライナ州アシュビル出身。19歳の頃、カントリー界の異端児、デヴィッド・アラン・コーのバンドでプロ・キャリアをスタート。1987年にディッキー・ベッツに見出され、彼のバンドへ加入。1989年のオールマン・ブラザーズ・バンドの再結成時に正式ギタリストとして迎えられ、90年代のブルース・ロックの再興にも一役買った。また、1994年からパワー・トリオ(現在は4人編成)、ガヴァメント・ミュールを始動。最新作は『Shout!』(2013年)。ちなみに、稀代のスライド・マスター、デレク・トラックスとの共演が見物のオールマンズでの活動は2014年いっぱいとアナウンスされている。