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Impression of V-Drums 第1回:淳士 [BULL ZEICHEN 88, SIAM SHADE, Acid Black Cherry, etc.]
超絶系ドラム・ヒーローが体感するV-Drumsのリアル・サウンド
世界的に支持を得ているローランドのエレクトロニック・ドラム“V-Drums”。昨年発表されたフラッグシップ・モデル“TD-30KV-S”は、“V-Drums SuperNATURALサウンド・エンジン”を搭載した音源モジュールを核とし、より自然で豊かな表現を可能にした。この連載では、さまざまなフィールドで活躍するプロ・ドラマー達にTD-30KV-Sをプレイしていただき、その生の声をお届けする。記念すべき第1回目に登場するのは、圧倒的なテクニックを駆使した華のあるドラミングで魅了するドラマー、淳士。彼が衝撃を受けたポイントとは?
素直に叩けば思い通りの音が返ってくる
いきなりですが実は僕、トラウマがあって電子楽器は避けてきていたんです。結構昔なんですけど、SIAM SHADEでドラム・ソロのためにデジタル・パーカッションを導入したことがあったんですよ。それで、それありきのソロを組み立てていたのに、本番では音が出なかったという……。それがショックで、すっかり心を閉ざしてしまっていたんです(笑)。だからもう絶対使わないだろうと思ってました。そんな僕でも、今回このV-Drumsを触ってみたら、本気でもう一度使ってみようと思ったんですよ。本当に素晴らしいですね。
このセットを叩いて特に一番驚いたことは、スネアの反応の素晴らしさですね。僕は以前のモデルを家で使っているんですけど、どうしても表現については“まぁここまでか”という気持ちの上での線引きがあったんです。でもこれはそういうことを考えたりせずに、自然と叩くことができました。まず最初にセットに座って、どういうところが良くなったか、どういう機能があるのかって説明を受けなくても、何も気にせずに叩けましたし。今日ここに来る前にAcid Black Cherryのリハーサルをしてきたんですけど、リハーサルでアコースティック・ドラムを叩いた感覚と、まったく同じ感覚で叩けているなと感じます。それくらい叩き方に工夫がいらなくて、そのまま素直に叩けば自分のプレイができるんです。やっぱりこれが一番ですよね。例えば、これまではオープン・リム・ショットを確実に鳴らすことができなくて、あえてリム・ショットをしないようにしたりもしていました。でもこのモデルはそんなこともなく、自分の思い通りの音が返ってきます。本当に衝撃的ですね。びっくりですよ、この生っぽい素直な反応は! 弱い音から強い音、そして、叩き方、叩く位置に応じたダイナミクスの広さもすごく感じます。だからしっくりくるんですね。
“こう聴かせたい”という部分もフォローしてくれる
僕はすぐにこれをライヴで使ってみたいと思いました。バス・ドラムの安定感もいいですね。これってドラマーとしては絶対的なテーマなんですよ。電子ドラムのキック・パッドを踏むのと、アコースティックのバス・ドラムを踏むことでは、どうしても感覚として離れてしまうところがあるじゃないですか。でもここまでしっかり受け止めてくれると安心して踏めますね。不自然な踏み方にならないので身体を痛めることもないと思いま す。音に関しても、バス・ドラムのダイナミクスのレンジの広さは素晴らしいと思います。
V-Drumsって、自分のプレイをちゃんと表現してくれるのはもちろん、“こう聴かせたい”という部分までフォローしてくれるでしょう?だからV-Drumsでライヴをやったら、もう戻れなくなりそうですよね(笑)。とにかくこれは叩いてみないとわからないと思うので、みんな楽器店で叩いてみるべき!!知らないともったいないよ!!
Profile
淳士(じゅんじ)
1973年生まれ、神奈川県出身。94年にSIAM SHADEに加入し、翌年メジャー・デビュー。2002年の解散までに7枚のオリジナル・アルバムをリリース。解散後は、ソロや自身のバンドBULL ZEICHEN 88での活動の他、Acid Black Cherry、T.M.Revolution、GACKT、Sound Horizonなど、さまざまなアーティストのライヴ/レコーディングで活躍している。また今年10月、11月にはSIAM SHADEのライヴも行われる。
◎淳士/Jun-ji OfficialSite
ステージで映えるルックスと確かな叩き心地のパッドを備えたハイエンド・モデル
Roland V-Drums TD-30KV-S
今回の試奏で登場した、パッド/シンバル/スタンドを最上位グレードで統一したTD-30KV-S。スネア/タム/ハイハットはセンサーの検出精度が向上し、TD-30 の実力を最大限に発揮。パッドの外観はブラック・クローム仕上げとなり(カバリング交換も可能)、メタリック・グレーに変更されたシンバルや、クローム仕上げのラックとのマッチングは、ステージに置いても何ら遜色ない存在感を放っている。
V-Proシリーズ共通の心臓部であり、活用の幅も広がった最新音源モジュール
TD-30 Drum Sound Module
昨年発表されたV-Proシリーズ最大のポイントとなるV-Drums SuperNATURALサウンド・エンジンを搭載した音源モジュール。基本的なパネル・レイアウトや操作体系は、定評ある先代のTD-20 / TD-20Xを踏襲している。機能面での大きなトピックは、アンビエンス専用フェーダーの装備のほか、USBに対応したことが挙げられる。USBメモリーに保存されたオーディオ・ファイルの再生や、音色/セッティング・データのバックアップが可能になり、PCとの接続もUSB経由で行えるので音楽制作システムとの親和性が高まった。液晶ディスプレイの視認性も向上し、ステージなど暗い場所での操作が快適に。プロ仕様の製品にふさわしい質感のメタリック・パーツを随所に使った外観デザインも要注目だ。
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◎ローランドVドラム・シリーズに関する詳しい情報は、V-DrumsのHP(http://www.roland.co.jp/V-Drums/)をチェック!
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