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佐々木秀尚が『Zodiacworks TC-HOTEI』&『FREE THE TONE GIGS BOSON GB-1V』をサウンド・チェック!
トップ・ギタリストの魅力を凝縮した決定書“スペシャル・アーティスト・シリーズ”に布袋寅泰が登場!
リットーミュージック刊行のギター・マガジン責任編集によるアーティスト・ブック新シリーズが満を持してスタート。そのラインナップを華やかに彩る1冊、『布袋寅泰 GUITAR WORKS COMPLETE FILE』が発売された。2011年にキャリア30周年を迎え、2012年には活動拠点を英国に移し世界に打って出た布袋は今、何を見据え、何を思うのか……?最新ロング・インタビューやロンドン取材から見えてくる現在の姿に加え、ギター・マガジン歴代記事の再収録や新旧ギター&機材の徹底分析など、トップ・プレイヤーの全貌を捉えた濃厚な内容だ。
今回はその発売を記念して、BOØWY、COMPLEX、GUITARHYTHMと、布袋の30年間のギター・ライフと共にあった代表的シグネチャー・モデル『Zodiacworks TC-HOTEI』にスポットを当て、あらためてその魅力を紹介するとともに、布袋の現在の海外活動を支えるペダルボードにも組み込まれているオーバードライブ『FREE THE TONE GIGS BOSON GB-1V』のサウンドにも迫ってみたい。そして今回のこの2機種のサウンドをチェックしてもらうのは、有形ランペイジでの活動をはじめ、様々なセッションライブで活躍するギタリスト、佐々木秀尚氏だ。彼のギター・テクニックによる布袋サウンドを是非堪能していただきたい。
佐々木秀尚’s Review:
Zodiacworks / TC-HOTEI WHITE LINE
いわゆるテレキャスターモデルのギターという範疇を軽く飛び越えている
最大の特徴はなんといっても奇抜なデザイン。テレキャスター型のボディにEMGのシングルコイル・ピックアップがふたつ搭載されている。ハムノイズを気にする布袋の希望で、EMGピックアップが選ばれたそうである。ピックアップセレクターは3点式、1ボリューム、1トーン。アームは付いていない。
指板はフラットで、握った感触はやや太めな印象だ。ちなみに布袋は親指をネックにかけて、カッティングなどでも6弦は親指で押さえるフォームを多用している。 アンプにつないでみて最初に気が付いたのは、本当にノイズが少ないこと。音を出してみると、コンプレッション感の強いタイトな音色が飛び出してきた。いわゆるオールド・ギターのような音色とは対極的な音色で、透明感のあるのびやかなサウンドという印象。EMGを搭載したギターはいろいろあるが、このモデルはまた独特だ。
ピックアップを切り替えてみると、リア、ハーフ、フロントのキャラクターが、それぞれバランス良くまとまっていてとても使いやすい。普通のギターに比べ、ピックアップ位置による音色変化は少ないように感じた。ギターアンプのセッティングはそのままに、どのピックアップに切り替えてカッティングしても全く問題ない弾き心地だ。試奏した感じ、カッティングでは特にハーフの位置が気に入った。ペダルで歪ませてリード・ギターを弾いてみると、リアではキレのあるロックンロール・サウンド、フロントでは抜けの良いファットなサウンドが得られ、聴いたことがある布袋サウンドに思わずにんまり。いわゆるテレキャスター・モデルのギターという範疇を軽く飛び越えて、ライブやレコーディングなどに実用度の高い大変面白い一本だ。
Specifications
ネック:メイプル●指板:エボニー●スケール長:25.5インチ●フレット:22●ボディ:アルダー●ペグ:ゴトーSG381-07●ピックアップ:EMG-SA×2●ブリッジ:ZODIACWORKS ZGB-I●コントロール:ボリューム、トーン、3ウェイ・ピックアップ・セレクター
価格:350,000円(+税)
佐々木秀尚’s Review:
FREE THE TONE / GIGS BOSON OVERDRIVE [GB-1V]
どのゲイン・セッティングでも音像がしっかり立ち上がった良質な歪みが得られる
最近では布袋のギグ用ペダルボードの制作も行なった林幸宏氏が代表を務めるFREE THE TONEのオーバードライブ・ペダルだ。Gain、Tone、Levelというスタンダードな操作系だが、Gain Boostスイッチ、マニアックなのが入力インピーダンスを100kΩ/1MΩで切り替えられるスイッチが搭載されているのが特徴的。入力インピーダンスの切り替えにより若干のキャラクター変化があるので、自分のギターにあったベストなセッティングが選べるようになっている。
早速弾いてみると、中域豊かなレンジの広いオーバードライブという印象。ゲイン幅は本当に広く、クリーン・トーンの軽いブーストから、バッキング、クランチ、ゲイン・ブーストスイッチをオンすれば激歪みのリード用まで対応可能。どのゲイン・セッティングでも音像がしっかり立ち上がった良質な歪みが得られた。布袋のペダルボードには、このオーバードライブがバッキング用とソロ用でふたつ入っている。
トーンつまみの操作感は、非常にわかりやすく変化してくれるので音作りしやすい。今回の試奏では2時くらいのセッティングで使用した。しっかりと歪んでいながらも、ピッキングのニュアンスは逐一表現することができる、まさにアンプライクなオーバードライブだ。ノイズが少ない点も特長的。
Specifications
●コントロール:GAIN / TONE / LEVEL / INPUT Z スイッチ(入力インピーダンス1MΩ/100kΩ切替)/ GAIN BOOST スイッチ●端子:1/4インチ標準フォーン・ジャック(入出力)/ DC9V入力ジャック(ACアダプター・ジャック)●電源:9Vバッテリー(1個)、ACアダプター●消費電流:DC9V 約9mA●サイズ:115(D) × 72(W) × 50(H)mm (フットスイッチやジャック等の突起物含む)●重量:約230g(電池含まず)
価格:23,000円(+税)
Profile
佐々木秀尚(ささき・ひでひさ)
1981年神奈川県生まれ。17歳でギターを始める。2005年にリットーミュージック主催“最強プレイヤーズ・コンテスト”のギター部門でグランプリを受賞。2007年に音楽教室“Guitarの東大”のインストラクターに就任し、プロ・ミュージシャンとしての活動を開始。幅広いジャンルのライブやレコーディング、作編曲、ラジオ/TV出演などを行う。2011年には、ボーカロイドの人気クリエイターsasakure.UKによるプロデュースでボカロ曲を生演奏するバンド、有形ランペイジに参加。2012年にアルバム『有形世界リコンストラクション』をリリースする。ライターとしてもギター・マガジンの奏法記事を定期的に執筆し、教則本『これで人前でも本当の実力でギターが弾ける』ほかを上梓。ニコニコ動画周辺では、7弦ギターを操る“紫曹長”の名でも活動している。
◎佐々木 秀尚 公式サイト
◎有形ランペイジ 公式サイト
トップ・ギタリスト布袋寅泰の魅力を凝縮した決定書が発売!
GUITAR MAGAZINE SPECIAL ARTIST SERIES
『布袋寅泰 GUITAR WORKS COMPLETE FILE』
『ギター・マガジン』責任編集によるアーティスト・ブックの新シリーズが満を持してスタート! そのラインナップを華やかに彩る1冊、『布袋寅泰 GUITAR WORKS COMPLETE FILE』が登場する。2011年にキャリア30周年を迎え、2012年には活動拠点を英国に移し世界に打って出た布袋は今、何を見据え、何を思うのか……?最新ロング・インタビューやロンドン取材から見えてくる現在の姿に加え、ギター・マガジン歴代記事の再収録や新旧ギター&機材の徹底分析など、トップ・プレイヤーの全貌を捉えた濃厚な内容です。布袋フォロワーは言わずもがな、全ギタリスト必携の完全保存版!
【CONTENTS】
■最新インタビュー:世界を馳せる唯一無二のシルエット
■ロンドンから贈る特別対談 feat.リーヴス・ガブレルス&アンディ・ギル
■レアカット満載!写真で辿るヒストリー
■伝説の布袋モデル“MAIN”完全分析
■歴代シグネチャー・モデル&主要ギター解析
■システム構築から解き明かす布袋サウンドの深み
■全70枚のツアー・ピック・ギャラリー
■ギター・マガジン・インタビュー集 1987-2011
■キャリアを網羅する完全ディスコグラフィ
■原寸大の手写真&プレイ・フォーム解析
■SELECTED GUITAR SCORES
◎GUITARHYTHM
◎バンビーナ
◎嵐が丘
■定価:2,310 円(本体2,200円+税)
■仕様:A4変型判/144ページ
■発売日:2013.11.16
■ISBN:9784845623211